趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

現代筆記具読本を読んで、万年筆の筆記角度について考えた。

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万年筆を使いはじめて、いつ頃どこで、読んだり聞いたりしたのだったか、なんとなく「万年筆はボールペンよりも寝かせ気味の角度で書くもの」だと、いつの間にか思っていました。
pgary.hatenablog.com
野沢松男 氏の「現代筆記具読本 改訂新版」を読むと、p32-33「どこを握って書くかで好みがわかる」という節に、

筆記角度は、ほとんどの人が50~80度のところに入る。一般的に、ペン先に近い方を持って書く人は筆記角度が大きいし、逆に離れたところを持って書く人の角度は小さくなる。同時に前者の筆圧は強く、後者が弱いというのが通常である。

と書かれており、40°~90°までの筆記角度の図付きの表も掲載されています。

最近のウェブ上では、どう書かれているか調べてみると、趣味文CLUBには、

万年筆は立てぎみでも寝かせても幅広い角度で書ける。基本は約60度だが、小さい文字は立てぎみで、太い字をおおらかに書くときは寝かせぎみなど、文字に合わせて使い分けてみよう。

と書かれていて、45度、60度、75度で万年筆を持った図も付属しています。
18.182.111.144

フルハルターさんのページにも、80°、55°、35°の筆記角度で、筆記線の太さが変わる図が掲載されています。
万年筆のメカニズムその1 | 万年筆専門店フルハルター FULLHALTER

万年筆博士の「万年筆のオンラインオーダーフォーム」にも80度くらいに立てた筆記角度の選択肢があります。
fp-hakase.com

万年筆の本をたくさん出している出版社や、万年筆の調整もしてくれる万年筆専門店では、万年筆を寝かせて使うようには言っていないようです。

またブログの記事を検索してみても、いつも拝見している万年筆関連のブロガーの方々が、万年筆を立て、筆記角度を大きくしても筆記できることを記事にされていました。
plaza.rakuten.co.jp

ochanoshizuku.hatenablog.com

stationarylab.com

万年筆は「ボールペンよりも寝かせて書く」というよりも、万年筆は「筆記角度の自由度が大きい」というのが本当のところだと思われます。

しかし特に万年筆初心者向けをうたうウェブページで、万年筆の筆記角度は、ボールペンよりも寝かせぎみで45~60度にするとか、45~60度が理想と説明しているページも見つかりますので、何か元ネタがあるのではないかと思います。