英語力の叩き直し作戦を敢行!まずは、この一見地味⁉︎とも思える方法でリスニング力を強化‼︎…なのだ

最近、思うところがあって、自分の英語力の中で特に語彙力とリスニング力を鍛え直そうと思い始めたのである。

リスニングの学習法として最近はシャドーイングというものが富に流行っているけれども、僕は更に地味で泥臭い方法を取ろうと考えた。ディクテーションである。これは要するに、英語を聞いて書く、聞いて書く、これを只管に繰り返すという実に地道な学習法だ。
昔は、一般的な英語学習のみならず、通訳養成などの過程でもよく採用されていたと記憶している。最近は、これが余りにも地味すぎるせいなのかどうか、シャドーイングをやる人の方が多いだろうと思う。英語学習の世界の中にも流行り廃りはあるらしい。

いずれにしても、聞き書きをするための題材がまずは必要だ。例えば、ニュース素材、小説やノンフィクションといった書籍の朗読、映画の音声などなどが考えられる。僕はしばし考えて、自分に打ってつけのものを見つけた。新約聖書である。
聖書は勿論、英訳版もあり、語彙や文法が極端に難しいといったことがない(例えば流行語やスラングのような表現が出てこない)ので英語学習者には取っつきやすいもののひとつだろうと思う。加えて、僕は元来、聖書に対して親しみがあり背景知識もある。

ディクテーションをする上で、これ以上の素材はないだろうと感じた。幸い、手元には英訳聖書が幾つもある。それぞれ訳出のバージョンが異なるのだけれども、NIV(New International Version)という、世界中で普及度の割と高い訳を選んでみた。
あとは、音声が必要なので、YouTubeで朗読している動画を検索。これも良いものが幾つもある。今回は、新約聖書の福音書の中で「マルコによる福音書」を使ってみることに決めて探すと、英国の名優であるデヴィッド・スーシェ氏の朗読動画を見つけた。

デヴィッド・スーシェ氏の聖書朗読は、以前から既に「ヨハネによる福音書」で慣れ親しんでいたので、僕にとっては最適とも言える。聞いてみると、早過ぎず遅過ぎない速度や、端正な発音と穏やかな発声が心地よい。これはきっと聞き飽きずに済みそうである。
それで早速、紙と鉛筆を用意してディクテーションを始めた。一文か数秒間だけ聞いては一時停止し、英文を書き取る。ある程度の量になったら、マルコによる福音書の当該ページをめくって答え合わせだ。思っていたよりはよく聞き取れているので楽しいと感じた。

しかし、である。僕が書き取った部分とNIVの聖書本文の表現とが一致しない箇所が時折存在するのだ。音声を聞き返してみると、僕の書き取りは間違っていない。うーん、どうしたものかと考え込んで、思いついた。きっと、NIVには別の版があるのだろう、と。
うちの屋根裏の物置を探してみたところ、あった。NIVの改訂版であるTNIVの英訳聖書だ。Tが付いているのは、Today’sという意味。つまり、Today’s New International Versionである。ついでに、NLT(New Living Translation)という別の英訳も出てきた。

TNIVの聖書は、彼此10年以上前に、米国人の牧師さんから貰ったのだ。当時の僕は専ら日本語で聖書を読んでいたので、英訳版はすっかり仕舞い込んでいたのであった。
一方で、NLTは出どころに記憶がない。いつ何処で貰ったのだろう?背表紙を見てもISBNコードが印刷されていないので、これは伝道版(無料配布用の聖書)なのだろう。やや草臥れているので、どなたかの使い古しなのかも知れない。

このNLTは、前書きを読むと、ダイナミック・エクイヴァレンスという方法論を用いた謂わば意訳の聖書であることが謳われていた。つまり、1980〜90年代に読みやすい聖書としてよく知られていた「リビング・バイブル」の後継版なのだろうと考えられる。
確かに本文を読むと、使われている語彙や文法がかなり限定的で、これならば例えば日本人の高校生でも十分に読み進められそうなレベルだと感じる(下の写真をご参照)。僕は、こちらをディクテーション前の読書兼予習用として活用することを思いついた。

さて、これで漸く必要なものは全て出揃ったことになる。僕は安心してディクテーションを進めていったのである。音声を聞いて一時停止。書く。聞き返して赤ペンで答え合わせ。これを繰り返すと、小一時間もしないうちにA4の紙が文字でいっぱいになった。

以前に考えていた通り、aやtheのような冠詞や、toやforなどのような前置詞を聞き漏らしたり聞き間違えたりすることがあるようだ。これらは一般的な朗読では強く(または殆ど)発音しない単語だからである。でも、しっかり聞けるに越したことはないのだ。
…とまあ、こんな具合に、英語音声を細大漏らさず聞き取るという訓練がディクテーションの本領である。あとついでながら、単語の綴りの確認が出来るということも、もうひとつの効用と言えるだろう。これは英作文の練習で後々生きてくる筈である。

目下のところ、時間を見つけては少しずつ進めているため、マルコによる福音書のひとつの章を書き取るまで2〜3日ほどは掛かる。
きっと、全部終わるまでに1ヶ月以上は要すると思う。この福音書は短いとは言っても16章あるからだ。それでも実に楽しいので、毎日コツコツとやっているのである…。

……
今回は、紙幅の都合上、僕の語彙強化作戦まで述べるには至りませんでした。これについては後日の投稿に譲りたいと思います。
下は、僕が最近ポチった単語集です。世に「上級」とか「超上級」と銘打った英単語集は幾つかありますが、これはそのうちのひとつとなります。語学系の出版社アルクが独自集計した12000語の日本人英語学習者向け英単語リストの中で、上位9000〜12000語を集めたものです。僕は、この単語集をある目的のために利用することにしました。それについては、また別の投稿にて…。

『究極の英単語 SVL Vol.4 超上級の3000語』
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