[PL]第9節 ウェストハム・ユナイテッド vs トッテナム・ホットスパー

2021-2022 プレミアリーグ 第9節

West Ham United  1 – 0 Tottenham Hotspur

Stadium:ロンドン・スタジアム

得点
72分:マイケル・アントニオ(Hammers)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ケイン、モウラ(91’ベルフワイン)
MF スキップ、エンドンベレ(84’ロチェルソ)、ホイビュア
DF レギロン(84’ヒル)、ダイアー、ロメロ、エメルソン
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、サンチェス、タンガンガ、ロドン、デイビス、アリ

ウェストハム・ユナイテッド
FW アントニオ
MF フォルナルス、ライス、ベンラーマ(85’ランシーニ)、ソウチェク、ボーウェン(91’ドーソン)
DF クレスウェル、オグボンナ、ズマ、ジョンソン
GK ファビアンスキ
sub:アレオラ、ディオプ、マスアク、アッシュビー、ブラシッチ、ノーブル、ヤルモレンコ

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まあ妥当な結果かな

 9節目にして早くも4つ目のロンドンダービーを迎えました。そしてこれで綺麗に全敗。リーグ戦とカップ戦で分断した結果も出ませんでした。点を取れる気がしないよ。

 先発は両チームともに予想通り。すなわち対策はしやすかったはずだとも言える。ボールを握っていたのは終始スパーズだったが、狙いが明確だったのはウェストハムの方だった。

 ハイプレスを仕掛けてくるわけでもなければ、極端に引いて守るわけでもない中間の位置から守備のスタートラインを決めてきた。これは前から圧をかけて裏を狙われるのは怖いからじっくり睨みつつ、縦パスを引っ掛けてショートカウンターを狙いたいという構え。つまりスパーズはポゼッションできていたのではなく、いわゆるボールを持たされていたというわけ。

 これまではスパーズの攻略法はハイプレスだと思ってきた。ビルドアップが下手くそで、プレスが厳しくなるとボールを捨てるしかなくなるから。でも今回のように、裏を警戒しつつ縦パスを狙うというスタンスも苦手なようだ。

 後方の選手の中では推進力があるのはレギロンだけで、ホイビュアとスキップも運べるタイプじゃない。基本的には前の選手にパスを送るしかないからそこを重点的に狙われると弱い。というか、3人目の選手が絡んでくるようなスムーズな連動がないから、ボールを持っている人とその次だけを見ていれば良いというのは守備側からすると楽なんだろうな。

 ウェストハムはそんな意思統一がきっちりとなされているので、スパーズが誘い出したくて後ろで回していても釣られて出てくることがない。そっちのペースには乗らないよという自信が感じられた。逆にスパーズはどんどんと慎重になり、チャレンジするプレーが出せなくなってしまった。

 この試合の大きな見所はアントニオvsロメロのパワー対決になった。いや、パワーだけでない両者の駆け引きも面白くて、ここは特にハイレベルだった。去年まではアントニオがいればそこは好き放題されていた気がするのに、ロメロは1歩も引かない強さがあった。本当にこの補強は大成功だったと言える。過去何年かのスパーズを支え続けていた4番のユニフォームが既にサマになっているよ。

 残念ながらロメロとの対決とは関係のないところでアントニオに決められて敗れることになった。1点が入ってからはウェストハムはラインを下げて逃げ切りモードに入る。そんな相手を前にシュートすら打てない今の攻撃陣じゃあこの敗戦は妥当だったと言えるだろう。

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右サイドをどうにかしたい

 毎試合失点が止まらない中でも守備は良くなっていると思う。悪いのは攻撃面だ。ここであえて攻撃陣が悪いと言わないのは守備も攻撃も結局はチームの問題だと思うからだ。どう見ても個人の閃きからしかチャンスを生み出せていない。

 中盤以上にボールを運ぶのはホイビュアとスキップの頑張りに任せているし、そこからはエンドンベレかモウラが異次元のドリブルを発動するのを待っている。最後の局面はケインとソンのホットラインが全てだ。特に気になっているのは右サイド、名指しすればルーカス・モウラ。

 右ウイングの候補生は多い。モウラ、ロチェルソ、ベルフワイン、ブライアンヒル。そんな中でモウラが起用されているのは、たった一人で状況を打開するドリブルがあるから。でもモウラのドリブルはあくまでも飛び道具みたいなもので、失敗して危ない失い方をすることも多いし、ドリブルを始めると周りが見えなくなることも多い。そして何より、ドリブル以外の局面では消えている時間が長い。

 何が言いたいかって、仲間との連動がモウラはほとんど出来ていないということ。レギロンはあんなに高い位置で攻撃に関わってくるのに、エメルソンがそれを出来ないのはエメルソンの問題だけじゃないと思う。せっかくエメルソンが高い位置を取ってボールをもらっても、サポートすべきモウラが我関せずでクロスを待っていることが多い。もしくはエメルソンよりちょっと後ろでボールをもらってドリブルしようとするかどちらか。左はソンやエンドンベレがレギロンをうまくサポートしているのに右はそれがない。

 去年の話だけど、ベイルが右ワイドに入った時は割とドハーティのオーバーラップを上手に生かしていた。つまり多少の意識の改善でもっとエメルソンも生きるはず。それが出来るのはおそらくベルフワインのほう。もしくはロチェルソを置いて中央寄りにプレーさせて右を開ける、エリクセンとウォーカーのような関係にするかどちらか。残念ながらモウラには期待できない。

 サントの起用法を見ると、ロチェルソはトップ下だろうから、ベルフワインの状態が上がってくるのを待つしかないかもしれないが、今やレギロンが頑張ってくれるか唐突に裏に一発抜け出すかしか見えない攻撃の選択肢を増やすべく、右の攻撃の改善に期待したい。

2021-2022シーズン 試合結果一覧

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