五年物の味噌樽。
たまり醤油の浸みた内蓋を開ける。
毎回味噌を仕込むときには最後に酒粕で蓋をする。
完全に空気が遮断されてカビることがない。
まるでチョコレートのようになった酒粕。
真っ白だった酒粕もたっぷりとたまり醤油を吸っている。
この酒粕も食べられる。
でも酒粕の風味は無くなっているし、個人的にあんまり好きな味じゃない。
酒粕は大好きなんだけど。
たぶん栄養価も高いと思う。
なるべくお味噌がくっつかない様にそっと外して。
どんな味噌になっているのかな。
出た出たお味噌。
玄米麹で仕込んだ手前味噌。
大豆を煮てから厚手の大きなビニール袋に入れて足で踏んでつぶしたもの。
食べてみると塩気が丸くなってまろやかな味わい。
五年もたつと食養生では食べるお薬。
薬味噌と呼ばれる。
自分で作るから食べられる貴重な調味料。
必要な分容器に移して。
ヘラで真平に戻してまた内蓋と重石を掛けておいた。
この樽が空くころには又次の味噌を仕込む。
杉樽も風格を増して、さらにいい色合いになっていく。