6月1日に新規アトピー性皮膚炎治療薬(外用薬)のモイゼルト軟膏が発売されました。
以前はステロイド軟膏や免疫抑制薬のプロトピック軟膏が治療の中心でした。
最近では、JAKキナーゼ阻害薬のコレクチム軟膏も発売されています。
今回のモイゼルト軟膏は、国内初のホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬です。
では、上のリンク先から、PDE4阻害の部分について抜粋させていただきます。
「ADの末梢血白血球ではPDE4様活性が亢進し、細胞内環状アデノシン一リン酸(cAMP)濃度が低下していることが認められており、このPDE4は多くの免疫細胞に存在し、cAMPを特異的に分解する作用を有している。ジファミラストは、PDE4阻害作用により、炎症細胞の細胞内cAMP濃度を高め種々のサイトカインおよびケモカインの産生を制御することにより、ADの皮膚炎症を抑制する。既存のPDE4阻害薬としては、2017年3月より経口薬のアプレミラスト(オテズラ)が乾癬やベーチェット病による口腔潰瘍の適応で臨床使用されている 」
では、薬剤情報です。
○モイゼルト軟膏0.3%、1%
【効能・効果】
アトピー性皮膚炎
【用法・用量】
通常、成人には1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布する。
通常、小児には0.3%製剤を1日2回、適量を患部に塗布する。症状に応じて、1%製剤を1日2回、適量を患部に塗布することができる。
【用法・用量に関連する注意】(抜粋)
・ 塗布量は、皮疹の面積0.1m2あたり1gを目安とすること。
※0.1m2=100cm×10cm→1m×10cmの大きさに1g…面積が広すぎて想像しにくいです(苦笑)。
使用説明書に目安のFTUが掲載されています。
(加筆)
30cm×30cm→0.3m×0.3m=0.09m2→ほぼ0.1m2→こっちのほうがイメージしやすい(苦笑)。
・ 小児に1%製剤を使用し、症状が改善した場合は、0.3%製剤への変更を検討すること。
【特定の背景を有する患者に関する注意】(抜粋)
・生殖能を有する患者
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間(最低2週間)は適切な避妊を行うよう指導すること。
「服薬指導のエッセンス第4版」には避妊すべき薬剤を掲載しています。追加して下さい。
・小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
【取り扱い上の注意】
光を避けて保存すること。
R4.9.25加筆
(参考~インタビューフォームより)
○他剤との配合変化
本剤は基剤中に微細な液滴として分散した液滴分散系軟膏であり、他剤と混合することにより液滴が合一して大きくなるため、混合することは好ましくない。
※使用説明書
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「服薬指導のエッセンス改訂第4版」が
昨年8月26日に発売されました。
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