ほのぼの街のほんわか通りに、ふわっと風がふく

ほのぼの街のほんわか通りに、ふわっと風がふく

笑顔がにじみ出る(はずの)
「ゆるイラスト」とともに、
なんてことはない日常をつづったエッセイ

 

2月の終わり、アメリカに住む息子が訪ねて来てくれました。

 

来る時の飛行機は、嬉しいかな、並び3席の残りの2席は空いていたものの、悲しいかな、高身長の息子は横にはなれなかったらしいのですが、それでも快適だったよう。

 

滞在中、外タレ(古っ)のコンサート(Jack Johnsonさん、私は知らなかったのですが、息子が大ファン)へ行ったり、ニセコへスキー旅行へ行ったり、一緒に楽しみました。

 

そして、最終日の朝は、まだニセコでした。7:50 発の空港バスに乗り新千歳空港へ、12:30 発の飛行機で羽田空港へ、16:25 発の飛行機でニュージャージーへ戻るという、ハラハラ綱渡りプラン。

 

特に、ニセコから新千歳空港への2時間半のバスが、雪で、キャンセルになったり、遅延したりしないかと心配しましたが、定刻に発車。さすが雪国、ちょっとぐらいの雪では、ひるまず、バスは、順調に走行していました。

 

が、よりによって、私たちのバスの前を走っていた乗用車が、雪で滑ったのか、ガードレールにぶつかって、走行不能に! 1車線で中央分離帯がガードレールだったので、よけて、通り越すことができない。

 

でっかいたくましい外国人スキーヤー満載の空港バスでしたので、「広いところまで、押したらどうだ?」という声が上がっていましたが、なんでも、前輪が大破しているので、それは無理らしい。

 

ようやくレッカー車が来てくれ、新千歳空港に到着するも、飛行機出発まで50分ぐらいしかない。

 

国際線乗り継ぎチェックインカウンターは、長蛇の列。スキーまで持ってきている大荷物の家族も多いので、1組1組のチェックインの時間がかかること、かかること。

 

ようやく1組進むかと思えど、後からきた、エグゼクティブクラスの人に、抜かされる。

 

我々平民の列は、全く、進まない。

 

「もう、国際線、乗り遅れる」と、真っ青になる息子。

 

「だめ! あきらめたらだめ! “The squeaky wheel gets the grease”(きしむ車輪は、油が差される)っていうでしょ! 油をもらえるまで、キーキー言わなきゃだめなの!」と、恥ずかしがる息子をよそに、カウンターへスリスリと近づき、12時半の飛行機に乗らないといけないんですが、と訴える母。「もう少し、しましたら、お呼びしますから、列で、お待ちください」とのこと。

 

お言葉通り、「12時半の羽田行きの飛行機にご搭乗のお客さま~」と、呼んでくださり、優先チェックイン。

 

空港バス走行中に足止めにあったけれど、空港に予定通り着いていたら、チェックインカウンターの列にずっと並んでいないといけなかったわけですから、その間、バスの中で座って過ごせて、結局はよかったね、と、ほっとしたのも束の間、セキュリティチェックにも長蛇の列が、、、便が違う私は、息子と一緒に並ばなかったので、日本語が得意でない息子に、あのブルーの服のお兄さんが、出発時間が迫った人を優先させてくれる担当みたいだから、あのお兄さんが、何か言ったら、とにかく手をあげるのよ!と指示し、優先させてもらい、羽田行きの飛行機に搭乗しました。

 

息子が無事に飛行機に乗るのを見届けられるよう、私の伊丹空港行きの便は、少し遅いめにしたので、新千歳空港で時間がありました。ランチを食べたり、母にお土産でも買おうかと、お店に行ったりしました。定番の「六花亭」や「白い恋人」にしておこうかな、と思いながら、ふと見ると、「スノーサンド」なるものが、店頭に積み上げられている。あれ? これ、この前、難波の高島屋の1階に一大特設会場が設置され長い列ができていて、大盛況、何事かと思った、あの「スノーサンド」? しかし、新千歳空港では、人知れずしれ~と、ただ積み上げられている。まあ、なんでもいいや、と、その「スノーサンド」を買ったのですが、飛行機の後ろの席の人が興奮して、「スノーサンド、並ばずに買えた!」と言っていたので、正解だった模様。

 

息子が借りていたモバイルWi-Fi、ポストへ入れて返却しないといけなかったのですが、空港内で探すのを忘れたな~、と、伊丹空港で空港バスに並んでいると、真後ろにポストがあり、笑いました。

 

私は、奈良に戻り、母が買っておいてくれた雛祭りのちらし寿司を見て喜んでいた時、息子の帰途の旅は、そこから、筋書きのない第2章が始まっていたのです。

 

羽田からニュージャージーへの飛行機にメカニカルトラブルが発覚。3時間遅れで飛ぶことになったものの、そのまま東海岸へ飛ぶと、乗務員の方々の労働時間超過になるので、西海岸のサンフランシスコまでしか飛べないことに。サンフランシスコで入国審査をすませ、その飛行機に戻ったものの、2時間ぐらい飛行機内で待たされたあげく、やはりメカニカルトラブルが解決されないので、全員、また降ろされたそう。

 

それから、別の飛行機へ乗客を振り分けるのにも時間がかかり、結局、当初の予定より10時間後に、ニュージャージーに到着となりました。ニセコからは、30時間以上かかった帰宅となったわけです。

 

終わりよければ、全てよし、と言いますが、旅に行くと、悪いことも起こるけど、最中は楽しかったから、それが起こったのが終わりでよかった、というのが息子の感想でした。