そうだったのか、胡桃沢家7

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「そんなんなのに、外に出たら上品ぶりやがって。女って本当に怖いんだ」


 どうやら有夏のコミュ障の原因はそのあたりにあるようだ。


 ついでに彼女じゃなくて彼氏がいるのも、恐ろしい姉たちの存在が大きく理由を占めているように思われる。


「……だから、幾ヶ瀬に初めてチューされた時、やさしくて死ぬと思った」


「有夏……」


 どちらともなく指を絡めて互いの唇をついばむ。


「いく、せぇ……」


「ん……駄目だよ、有夏」


「いくせ、舌いれて」


 鼻が触れ合うくらいの間近に有夏の弛緩しきった顔を見て、幾ヶ瀬は狼狽えたように視線を逸らせた。


「だ、駄目だよ、有夏。掃除しなきゃだろ? あれほどのゴミ屋敷、けっこう時間かかるよ? それに明日、俺早番だし……あひゃ」


 有夏が幾ヶ瀬の唇を舐める。


「だ、駄目だって。俺、風呂入ってない……じゃなくて! 遅番の次の日が早番ってどんなシフトだよ……じゃなくて……有夏ぁ」


 幾ヶ瀬の制止を完全に無視して、頬に舌を這わせ耳たぶを噛む。


 尻の下で幾ヶ瀬のモノが固くなる感触に、有夏は笑みをこぼした。

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