映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』を観ました。
坂口健太郎主演、市川実日子、齋藤飛鳥、浅香航大、磯村アメリ、他


【あらすじ】

省略


【感想】

映画の始まりが面白そうだったので観てみました。(ホラーはキライだけど金田一的なサスペンスは好き)原作があるのかわからないけど読んでません。

映画を見終えて感じるのは、映像に対する観客側の先入観や感性を試しているのかなぁ。

長野・山梨を思わせる、山間部の景色がとても美しかったです。湿原(亜寒帯湿潤気候か?)の3本の木、そこに立つ白い服の未山(坂口健太郎)は黄泉の国にでもいるかのようでした。

看護師で未山の恋人である詩織(市川実日子)の家は新しく、インテリアや小物が目をひきます。ただ、看護師という職業は夜勤があったり病人や人の死を目の当たりにする職業だから、未山が家の中を掃除して整頓するシンプルな暮らしならまだしも、小さな娘(磯村アメリ)を抱えた彼女がインテリアを可愛らしく飾る余裕があるのかは疑問。家事の役割や子育てがなくなれば、あの部屋のような明るさやあたたかさは醸し出せるものなのだろうか。そうした意味で詩織にとって未山は都合がいい。(未山にとっても??)

新しい家はどうやって手に入れたのか?

夫とは死別したのだろうか?

牛が迷子になるような場所にオシャレな照明機材を売る店があるのだろうか?

大概、付き合う男女は職業や興味・関心から出会う場所や時間が同じになるはずだけど、未山と彼女はどこで接点を持ったのだろう?等々

カーテンの色の組み合わせやラストに手に入れた照明器具を見てると詩織の暮らしや人柄にはセンスを感じるけど、看護師というよりは独身のアーティストみたいな印象。

個人的には白・黄色・グレープ色の配色は、白・黄色・ミント色の方が子どもを持つ看護師の家庭的な雰囲気や病人を介護する感じがするけど、グレープ色のない部屋だと後から登場する莉子(齋藤飛鳥)の居心地が悪くなるかもしれない…とも思いました。私の感覚です、感覚。

未山は人の思い(念)を感じることが出来て、その能力によって相手の体調を癒すことも出来る。最初は“あぁ、南方で戦死したお父さんか”とか“外国で、頑張っている労働者の息子を心配している東南アジアのお父さんかな?死んだのかな?”と思うのですが新婚の夫婦が未山の目の前でイチャイチャするのは“思い”が具現化しただけだったのか、ただの見境ない変態夫婦なのか。。(日本人は特に人前で愛情表現しないので)

未山の元カノである莉子のお腹の子どもは誰なのか?後輩のミュージシャン(浅香航大)?私は見逃したのだろうか。

能力の有る無しにこだわらず、職業の在り方にこただわらず、死んでる死んでないにこだわらず、田舎なのか都会なのかにこだわらず、結婚・未婚にこだわらず、男女の区別にこだわず、手拭きタオルにこだわず、相手の過去にこだわらず、2人だけの未来にこだわらず、住む場所にこだわらず、掛ける毛布にこだわらず・オーダーメイドの遮光カーテンにこだわらない…横に来た人に『任せる』、用がなければ・居たくなければ『去る』。

愛といえるような寛大さと混沌。誰かを愛し子どもが生まれ、人が増えると仕事へ向かい、そのために最も愛しくて大切な誰かに背を向ける、どこか薄情な矛盾。


あの湿地帯の3本の木は

人間の関係性や心象風景?


莉子と付き合っていた時の未山。

エスカレーターのシーン。

未山に思いをぶつける莉子。

その時の未山は何を知ってた?感じてた?

作り手の個人的な記憶のような気もするし、

とても感覚的な映画でした。




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