こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
頭皮と皮脂と髪の関係は過去記事『シャンプー』でも書きましたが、やはり頭皮と髪の健康的な成長にとって皮脂は必要なものであると思っています。本日は更に突っ込んで毛と脂の関係性、さらにはメラニン色素について思う事を書いてみたいと思います。
突然ですが生まれたての新生児は意外と毛が濃い事が多いのです。髪に限らず体毛全般の毛が濃い。
そして新生児に生えている毛を『胎毛(たいもう)』と呼びます。そして生まれた後に胎毛は徐々に抜けていきます。
どうして新生児に毛が多いのか。これは母親の子宮内にいる際にまだ脆弱な皮膚を守る為、胎児は全身が脂で包まれています。この脂を胎脂(たいし)と呼びます。胎毛はこの胎脂が皮膚から剥がれ落ちないようにしっかりと固定するスパイクのような役目を果たしていると考えられています。
一方でヒトの毛穴には皮脂腺と呼ばれる皮脂を分泌する器官が付属しています。
胎脂と胎毛、そして毛穴と皮脂腺。
こうした現象を鑑みると毛は脂と常にペアを組んでいます。非常に親和性が高いともいえる。というよりも寧ろ相互依存しているかのような蜜月の関係性を思います。
もし、皮脂が毛に対して抑制するような役割があるのであればこの様に最初からペアに成るような現象は起こり得るのでしょうか。
話を新生児の胎毛に戻します。
まず胎毛が固定していると見受けられる胎脂なのですが、出生時もまだ身体に付着している事があります。そのうちに胎脂が剥がれ落ちて行くのですが、胎毛も後追いをするかのように徐々に抜け落ちます。
この現象は胎脂の必要性が無くなったので胎毛の必要性もなくなって抜けたとも考えられます。
様々な身体の話の中では「~~の為に」だとか「◇◇の必要性が有って」の様な言い回しが多いです。このブログでもどこかに結構多く書いていたかと思います。この表現について今の私の考えを言えば細胞を擬人化しているといえます。何故かと言えば必要性という時点で脳の様な必要性の判断を下す存在が必要に成るのです。そんな必要性の判断のデドコロはどこなのか。科学的なようで非科学的です。
そこで私はこのような『~~の為に△△がある』的な考え方も必要だとは思いますが一方でこれでは正しい世界観は掴めないように考えるように成ってきました。「~~の為に……」というのはあくまでも人間が後付けでこさえた理由であり、想像の域を出ない仮定であります。真相はもっと深く、且つシンプルなモノなのではないかと夢想しています。この毛と脂の関係性も同様です。
ではその夢想とは何か。
それは東洋医学の根底を流れる陰陽論の視点から見た現象です。
ご存知の通り東洋医学の根底にある東洋思想は「易(えき)」であり「陰陽」論です。森羅万象、陰と陽の変化から成り立つという考え方です。陰と陰、陽と陽ではバランスが悪く安定しません。陰があれば対極の陽があり、正と反の相反する2つの要素が合わさって世界が存在すると云うものです。
この考え方を毛と脂の関係を考える事に応用してみたいと思います。
記事の前半でも書きましたが毛と脂はセットに成って一つの役割をこなせています。そうみると毛と脂は陰と陽の関係性なのではないか。つまりは皮膚を保護する為に胎脂があり、胎毛は胎脂を保持する為にある云々では無くて、もっとシンプルに毛が有ればそこに脂がある。脂が有ればそこに毛がある。2つの内のどちらかが有ればもう片方は自動発生する仕組みが存在するように世界はできている。
しかし毛が有るはずのところの毛に異常が出るのですから陰陽の変調がおきている。即ちこれが病なのです。
「何かの為」との考え方でなく、この様な見方もアリかもしれませんよ。
例外もあるかとは思いますが、人の手のひら・足の裏・唇・口腔・眼球・爪・歯には毛がありません。それ以外には濃い薄いはあるものの毛が存在します。口髭、顎鬚、眉毛、睫毛、鼻腔には鼻毛、耳には耳毛、手足や胴には体毛があり、当然頭には髪があります。毛のある部位と毛が無い部位との違いは何かと云えば皮脂腺の有無なのです(手のひらには皮脂腺が有るが数が非常に少ない)。
やはり脂のある部位には毛があるのです。まぁ皮脂腺が毛穴にあるのですから当然と言えば当然なのですが、冒頭の新生児の胎脂の様な事もあります。
胎脂が無くなり、胎毛も無くなった。陰陽のどちらかが無くなると自動的にもう片方も減少して最後には無くなってしまう関係が脂と毛なのではないかと思います。
更に踏み込んでヒトの身体は毛のない部分、脂のない部分の体色は薄いのです。手の平、足裏、眼球(白目部分)口腔内・爪・歯に至るまで周囲と体色が異なります。分かりやすい意味で黒人の身体を見てもそうだと思いますし一般的なアジア人の身体も同様です。
この様に考えると如何に頭皮の皮脂を良い塩梅で保つかが発毛に関して、同時に抜け毛防止に関してとても大切だという予想がつきます。
ちなみに、胎脂の成分は何かと云うと「分岐脂肪酸コレステロールエステル※」なのだそうです。
(※色々読んで勉強したのですがご説明できるほど未だ理解できませんでした恥)
この分岐脂肪酸……は調べてみると高級化粧品に使われているようですね。化粧品に全く詳しくない私の印象なのですがアンチエイジング系の化粧品に使われているように思えます。
アンチエイジングとは老化防止を目指す意味ですが、言い換えると細胞が各々の働きをシッカリとこなす事に繋がるのだろうと思います。
ここで思い出したいのがステロイドについてです。過去記事においてもステロイドの円形脱毛症に果たす役割としては免疫抑制と云うよりも「蛋白異化作用(筋肉を分解してエネルギーである糖を作り出す)」がメインなのではないかと私の考えを書いてきました。そしてこのステロイドの特徴としてコレステロールが化学的な骨格となっています(参考ウェブサイト:コレステロールの合成)。先ほどの「分岐脂肪酸コレステロールエステル」も名称の真ん中に「コレステロール」が入っています。
ステロイドの副作用として「多毛」があるのをご存知でしょうか。以前私は免疫抑制をすると毛が増える為に副作用が多毛とされているのかと思っていた時もありましたが、よくよく考えてみると免疫力が下がる病気で毛が増えると云うも話はあまり聞きません。副作用の多毛はステロイドの持つ蛋白異化作用によるところなのだと思います。
これぞ胎脂と胎毛、皮脂腺と毛の関係性を保つ秘訣がコレステロール的な物質にあるのではないか……。
ステロイド、ひいてはコレステロール、ひいては脂。
これらは毛の生成に必要不可欠なものなのだと思います。
陰陽論では陰主陽従(いんしゅようじゅう)と呼ばれる法則があります。陰が主体となって作用し、陽は陰に従いながら作用するのがよろしいという意味です。この言葉を毛と脂に当てはめてみましょう。陰陽の分類方法としては「柔らかい」は陰として、「硬い」は陽とされます。毛と脂の事で言えば毛は硬いので陽。脂は柔らかいので陰と成ります。陰である脂がある事、それは陽である毛をシッカリとしたものに成長させる意味合いもありそうです。そして先ほどの体色の件でもそうなのですが、脂のある部分はメラニン色素を作るメラノサイトが多く存在します。円形脱毛症は拔ける時も生える時も髪の変色が症状に伴い変化します。この事を思えば毛と脂とメラニンには三位一体にして円形脱毛症にまつわる何かしらの秘密があるのではないかと予想しています。
良ければ参考にしてみてください!
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