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【刮目天の古代史】目からうろこの大発見?(その23)天皇即位の密教の儀式の正体?

2023-03-12 23:44:05 | 古代史
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7.記紀と日本人の信仰の謎
⑨天皇即位の密教の儀式の正体?(@_@)


刮目天
戦国武将に人気の毘沙門天は戦の神様ですが、弥勒菩薩と共に、実は日本のある神様の本地仏なのですよ。江戸時代までの多くの人は知っていたのですが、明治になって廃仏毀釈が行われ神仏習合のことが現代人はほとんど忘れてしまっています。日本の古代史は江戸時代までさかのぼると見えてきますから面白いですよ。なぜ空海が高野山を開いたかにも関係します。高野山は高野御子の鎮魂のために修業場としたのですが、高野御子って誰?ここが分かると日本の歴史がかなり理解できるようになります。日本の中世や近世までは密教と修験道の考え方が動かしていたのだと思います。深く知りたければ、【刮目天の古代史】にお越しください!卑弥呼の謎もすべて解けますよ。お待ちしています!お邪魔しました(#^.^#)

すでに「本当は怖い七福神の謎」で述べましたが、毘沙門天が大国主の本地仏だというのは、女王台与の本地仏の吉祥天が毘沙門天の妃だと分かって確信しました。そして、サルタヒコとアメノウズメ、アソツヒコとアソツヒメなどなどの男女ペアの神様がすべて大国主と台与の分身となっていることを発見しています。

そこで、羽賀ヒカルさんの横に居られるのが愛染明王です。一面六臂で弓と矢を持ち獅子の冠をかぶった憤怒相ですが、「恋愛・縁結び・家庭円満」などをつかさどる仏として古くから信仰されており、また「愛染=藍染」と解釈し、染物・織物職人の守護仏としても信仰されている。さらに愛欲を否定しない[7]ことから、古くは遊女、現在では水商売の女性の信仰対象にもなっている。とあり、「離愛金剛、つまり愛欲(煩悩)を離れ、大欲に変化せしむの意味」の密号を持つwiki「愛染明王」にあります。

動画で紹介されたように、鎌倉時代を終わらせた後醍醐天皇(第96代)が、真言密教の庇護者で阿闍梨(師僧)の位を持っていたそうですが、特に愛染明王を熱心に祀っていたようです。すでに天皇の即位に当たり密教の秘儀を導入されていました。即位灌頂(そくいかんじょう)と言われる儀式です。

古代以来、天皇が行ってきた神道儀式は中世以降衰退していった。例えば大嘗会の翌年に古くから行われてきた八十嶋祭は鎌倉初期以降行われなくなった。そして大嘗会自体や新嘗祭も、15世紀にはいったん中絶する。そのような中、天皇の宗教的権威を保つ新たな儀式として即位灌頂は生まれ、発展していったとみられる」とあり、その起源は平安時代後期の後三条天皇(第71代)からという説がありますが反論もあるようで、鎌倉時代の後深草天皇(第89代)からは行われたものと考えられています。

一般的には即位式の前に摂関家、主に二条家の人物から天皇に対して印相と真言が伝授される「印明伝授」と呼ばれる伝授行為と、即位式の中で天皇が伝授された印明を結び、真言を唱える実修行為を併せて即位灌頂と呼んでいる。」とあり、また「天皇が結ぶ印相は金剛界大日如来を表す智拳印とされる。大日如来を表す智拳印を結ぶ点については、本地垂迹において天照大神と同一視された大日如来の印相を結ぶことによって、即位する天皇が大日如来と同一化し、至高な存在となる意味があるとされる[6]。」とあります。

皇祖神天照大神の本地仏が密教における最高仏尊大日如来ということになりますので、神式の大嘗祭における「真床覆衾(まとこおふふすま)」という儀式の密教版だと思います。精選版 日本国語大辞典 によれば、金剛界というのは密教で説く大日如来の理の一面のことで、その「智徳は堅固ですべての煩悩(ぼんのう)を打ち破る力を持っているので金剛という」とあります。

そして驚くべきは「真言は、胎蔵界大日如来の真言ないし荼枳尼天の真言を唱えたとされる。」とあることです。真言とはサンスクリット語でマントラ(Mantra)と呼ばれる言葉で「真実の言葉、秘密の言葉」を意味します。真言を唱えることで、現世利益や功徳が得られるとされています。胎蔵界は大日如来のもう一面で、「胎児が母胎の中で成育してゆく不思議な力にたとえて、大日如来の菩提心があらゆる生成の可能性を蔵していることを示したもの」と解説されています。

胎蔵界大日如来の真言は「ナウマク・サンマンダ・ボダナン・アビラウンケン」ですが、荼枳尼天(だきにてん)の真言はいくつかあり代表的なものは「オン・ダキニ・ギャチ・ギャカニエイ・ソワカ」です。二つは異なるものですが、それでも同じ御利益ということなのですから、荼枳尼天、つまりお稲荷さんは胎蔵界大日如来の化身と考えられます。そして五穀をつかさどる御食津神・ウカノミタマと稲荷神が同一視されることから、総本宮の伏見稲荷大社を含め、多くの稲荷神社ではウカノミタマを主祭神としていますウカノミタマは伊勢神宮外宮の豊受大神のことなのです。すでに「伊勢神宮はいつ誰が創建した?(その1)(その2)」で説明したとおり、天照大神は大国主久々遅彦で、豊受大神は大国主の妃の女王台与のことなのです。ですから、二柱の皇祖神の霊魂と一体になる即位灌頂は神道の儀式よりも日本建国の歴史の真相に踏み込んだものだったのです。

この伏見稲荷大社の主祭神は、下社の宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)で女王台与ですが、中社になんと佐田彦大神(さたひこのおおかみ)、つまり大国主の分身である猿田彦大神が祀られていましたからビックリです。さらに下社の摂社で田中大神(たなかのおおかみ)が祀られていますが、「かつては大己貴神や猿田彦神、鴨建角身命などとも同一視された」とwiki「伏見稲荷大社」にありましたから、すべて大国主のことだと分かります。鴨建角身命(かもたけつぬみのみこと)は京都市賀茂御祖神社(下鴨神社)の祭神で、神武天皇を導いた八咫烏(ヤタガラス)ですから、ニニギノミコトの天孫降臨を案内したサルタヒコや、真の初代天皇である応神天皇を呪力によって即位させた大国主大神と同じ役目なのです。また、上社に大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)という聞きなれない女神が祀られていますが、台与のことでしょう 。

江戸時代の後期になると、国学が盛んになるなどの社会の動きに対応して、仏教と神道が結びついた神仏習合に批判的な意見が見られるようになった。そのような中、即位式の仏教儀礼である即位灌頂に非難が集まるようになった。」<中略>「1868年の明治天皇即位時には、即位式の神道儀礼化が追求された結果、仏教的な色彩は全て追放され、即位灌頂は廃止されることになった。」ということです(wiki「即位灌頂」)。

最初に登場した愛染明王は「吒枳王(だきおう)」という異名がありますので、荼枳尼天とペアだと直ぐに分かりますから、これも大国主と台与の分身でした。後醍醐天皇は大国主の本地仏として愛染明王を祀ったということです。

なお、ウカノミタマが中世以降、「宇賀神(うがじん)」として祀られていますが、面白いことにその姿は、中国(なかつくに)神話天皇伏羲人皇女媧と同じ、人面蛇体(人頭蛇身)でトグロを巻く形で表されています。老人の宇賀神は武内宿禰(大国主久々遅彦)であり、女神は神功皇后(台与)なのです。だから、二人から生まれた応神天皇が初代天皇ということなのです。



日本神話が、中世から近世にかけてこのような記紀神話と全く異なる姿に変わってしまったことについて、斎藤英喜「読み替えられた日本神話」(講談社現代新書 pp.6-7)で以下のように述べられています。

 近代の始まりとなる明治維新は「王政復古」「神武創業」の言説に象徴されるように、古代神話をベースにする。もちろんその「古代神話」は、近代日本によって読み替えられた虚構の古代神話であった。それは近代的な国民国家を支える、新しい「神話」なのだ。(中略)なによりも「作られた古代神話」という見方を導く近代的な価値観からは、「中世日本紀」「中世神道」の世界などは、荒唐無稽(こうとうむけい)牽強付会(けんきょうふかい)という一言で、一刀両断のもとに切り捨てられてしまうだろう。だがそれこそ、近代的なイデオロギーに限界づけられた、神話の理解以外の何物でもないのだ。
 その時、一見「トンデモ本」のように見える、中世の自由奔放な神話世界は、近代的な価値観や感性を揺るがす、手付かずな原石のような輝きをもって、立ち現れてくるのだ。中世日本紀を、それだけ切り離し、物珍しい世界として興味本位で見てはならない。中世の神話世界の可能性をきちんと評価することができたとき、閉塞した近代の思考様式を組み替え、これまでとは違う「歴史」の捉え方が可能となるだろう。そしてそれこそが、日本神話にまつわる数々の「不幸」を脱却する重要な手立てとなるに違いない。


日本神話を研究した学者のすばらしい見識・予見だと思います。しかし、明治政府は神仏分離令を出して神仏習合の日本文化を破壊してしまいました。おかげで、日本の古代史が闇の中に葬られたということなのです。でも、日本はやっぱり神の国ですのでヒントはいたるところに転がっていましたよ(^_-)-☆

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