バンクーバーでは珍しい大雪が昨日から続いています。案の定、公共交通機関は朝から大混乱。バスと電車を使って出勤しているシンペー君に悪魔のシンペーが「もういっそのこと休んじゃえば?」っと囁きます。「そうしよう、そうしよう!Let’s病欠しちゃえ!」と天使のシンペーも喜んで同意します。そうと決まれば職場に連絡しなきゃね、とためらわず私は携帯に手をかけたのですが、ふと見ると同僚のRさんからメッセージが来ています。「体調が悪いから今日は休みます、ゴメンね」。や、やられた! やるなRさん、私に先んじて病欠を取るとは!これでは私も一緒に仮病で休むわけにはいきません(ってRさんは仮病じゃないのにね、多分・・・笑)、だってこんな日は患者さんも交通機関の混乱に巻き込まれて透析治療に来れなかったり、また職員も職場に来れなかったりで絶対いろいろ問題が起きるからです。はぁ~とため息をつくと、ユニクロのヒートテックのシャツとタイツを履いて寒さ対策を準備万端整えて家を出ました。道にも雪がたんまり積もっているので一歩一歩ゆっくり踏みしめながらバス停まで向かいます。信州出身の私としては、ちょっと懐かしい感じで、この粉雪を踏みしめたときの「キュ」ってなる感触がいいんだよな~と感慨に浸っていたのですが、バス停で人がわんさかいるのを見て現実に戻ります。やっべ~やっぱりバス来てないじゃん!

 

 

恐れていた通り、バスは大幅な遅延。本数も減らされてるみたいです。ここで約20分バスを待ちました。寒い!やっぱりマイナス8度は寒いです。松本の冬みたいだ・・・とこれまた懐かしく思ったのですが、感慨には浸れません。だって寒いの嫌いだもん。さて、やっと来たバスにのって最寄り駅まで着いたのですが、今度は電車の遅延。普段は5分くらいおきに電車が来るのに次の電車は・・・18分後(涙)。しかもやっと残り1分になって、あ~やっと電車にのれる!と思ったのに、また5分後に振り戻ったりして、絶対30分くらい待ったはず。それでもどうにか電車に乗れたのでもう安心。あとはこの暖かい電車で職場まで一直線!

 

 

なんて訳に行くわけがないのです、こんな日は。それも雪慣れしてないバンクーバーで。案の定、私たち乗客全員なんの前触れもなく僻地の駅で一斉に降車させられてしまいました。理由は「回送電車に変更になったため」(勝手に回送にするな!いや回送でもいいから乗せてくれ~!)。吹き曝しのプラットフォームに残された私たちを迎えにくる次の電車は15分後の予定。さ、寒い・・・ダウンタウンよりもさらにマイナス3度くらい寒い気がするこの僻地の駅。降ろされてから最初の3分でもう体がゾクゾクしてきます。前に立ってるオジさんなんてブルブル震えてますよ。大丈夫か?まだあと17分もあるのに・・・でも私ももしヒートテックのシャツとタイツを履いていなかったら今頃はきっとオジさんみたいに凍死してたかも・・・そんな恐ろしい考えと寒さに震えて待つこと20分やっと電車がやってきました。あ~助かった~、震えてるオジさんを押すように電車に入るとそこは極楽。暖房って最高!とリラックスしていたのも束の間、電車内はすぐに寒くなっていきます。なぜならいつまでたってもドアが閉まらないからです。冷気がビュービューと吹き込んでくるのに電車は一向に発車しないどころかドアさえも閉まらないのです。後ろに座っているはずのオジさんがついに凍死しちゃったんじゃないかと気が気じゃありません。さらに待つこと10分、やっと電車は出発。いつもより減速気味にゆっくり走りながらもなんとか職場駅に到着し、私もやっと出頭。普段は1時間かかるところを2時間半かけて出勤です。「みんな~バスと電車が遅れてさ~やっと着いたよ~!」と遅刻を誤魔化すために明るく叫びながらオフィスに入ったらなんと真っ暗!誰もいません。や、やられた!!!再び叫ぶ私。なんとソーシャルワーカーの同僚および看護師Kさん全員病欠(仮病じゃなくて!?)。結局このオフィスで出社したのは私だけだったのでした。一番怠け者なはずなのにふたを開けてみたらまるで勤勉労働者みたいなシンペーTHEソーシャルワーカー・・・医療職員の鏡です。

 

 

ブログをご覧の皆さんはご存じの通り、コロナ禍が猛威を振るった昨年は在宅勤務が奨励されてソーシャルワーカーも週2~3日の半在宅、半職場勤務をしていました。しかし、それも今年の3月から「職場復帰命令」が出されて以来みんな強制的(!?)に職場に戻されてしまったのです。在宅でもソーシャルワークが出来ることを証明したのになぜ?と私たちは抗議もしてみたのですが、トップダウン社会の病院においてはソーシャルワーカーの叫び声などしょせん虫以下、響くはずもなく、問答無用に職場勤務復帰(涙)。でもさ、せめてこんな天候の時ぐらい在宅させてよ!と愚痴の一つも言いたくなります。だって在宅からの勤務だったら、今日みたいに2時間半も無駄な通勤時間を費やさなくても済むんだし、効率よく朝から問題対処も出来、なにより公共交通に負担をかけずに済むのにさ。そんな沸々と湧き上がるフラストレーション&怒りを私は誰もいないオフィスでリンリンと鳴り続ける電話音を聞きながら感じるのでした・・・いやむしろ誰もいないから怒りが湧き上がるのかも(笑)。次回は絶対仮病を使ってやる!と決意を新たにする医療職員の鏡シンペーなのでした。

 

 

おわり