斎藤義龍を占う | 運命ハック

運命ハック

オリジナル占術を幾つか編み出しましたので、それを用いて不定期に占っていきます。
今後も独自の占術を産み出し、完成させていきます。

 

斎藤道三と義龍・龍興 (中世武士選書29)

 

さて、前回の「人生=(魂+運命体)×(肉体+生活環境)」と言う等式について考える時、思い出すのが斎藤義龍(よしたつ)です。

斎藤義龍とはマムシの斎藤道三の息子であり、親を殺し、かつ弟二人も殺した戦国時代で指折りの荒くれ者です。

彼がなぜそのような暴挙に至ったかと言えば、まず肉体における問題がありました。


>義龍はタンパク質異常の『マルファン症候群』という奇病の持ち主だった。
>タンパク質異常とは細胞の結合が弱く高身長だった。
>身長6尺5寸(195~200cm)、つまり、大谷翔平君か藤波晋太郎君並みだね。
>難病のために心臓や血管が弱く、父の道三も義龍は無能だと見て弟に家督を譲ろうとする。
>義龍は弟たちを呼び寄せて殺害。
>結局、道三と義龍は長良川で戦に至り息子が父を殺すのだが、義龍自体もわずか5年後に病死。

そして、生活環境においても、こんな裏事情がありました。


>美濃・斎藤道三の長子であるが、実のところ美濃守護・土岐頼芸側室であった母が、その子を宿して後道三に嫁ぎ産んだ子ともいわれる。
>父の正室から男子が生まれたことから、義龍廃嫡の意志もあって父と不和になった。
>その為、長井道利と謀って父や弟らを敗死させ、美濃を制圧した。

つまり人生の等式に事実とされる事柄を代入すると、「人生=(魂+運命体)×(マルファン症候群による父からの無能認定+母の托卵による廃嫡の危機)」となります。
これだけでも運命体に関係なく不穏な空気が流れてますね。


そこで肝心の運命体を見てみると、生まれは大永7年6月10日(1527年7月8日)。

太陽中心の星の運命体では、

(ホロスコープ削除)
図形星占だと、太陽~120~海王星キロン~60~冥王星~60~火星~120~太陽のカイト。

120度はアスペクトの支配星だと木星の拡大作用で、射手座的な野性味溢れる突進力が暴走気味です。
60度は水星で、男女二区分だと同じですが物心二区分だと異なり、双子座的な知性の高速回転とそれ故の分裂気味な苦悩を意味します。

この二つのアスペクトが組み合わさるカイトはまさに凧上げのようにグングンその身が上昇し、祭り上げられます。
そして、上り切った後は落下し、着陸を誤れば大怪我です。

斎藤義龍も親殺しの下克上と言う一大イベントの主役として檜舞台に登壇しましたが、結局は五年後に亡くなってますのでタコの糸が切れて墜落しました。

カイトの構成天体は攻撃の火星や妄想の海王星、傷のキロンであり、頂点が破壊の冥王星なので、それを加味してもド派手な血祭りが開催されたことに違和感はなく、必然とさえ言えます。


続いて度数星占のサビアン鏡像法で見ると、出生時間午前0時の60進法表記では、

太陽 蟹座14.08
月 蟹座2.13
火星 蠍座22.25
木星 蟹座5.35
土星 牡羊座29.42
パラス 水瓶座29.22

・太陽。
蟹座14度、「北東の大きな暗い空間に向いているとても年を取った男」、無感覚、無感動の虚無。
射手座15度、「自分の影を探すグランドホッグ」、自分の知り得た知識が世の中にとっては早すぎるので、身内にだけ打ち明ける。
獅子座15度、「山車」、祭りでの感情的興奮の頂点で自己表現を満足させる。

牡羊座15度、「毛布を編むインディアン」、腰を据えた地道な取り組み。
魚座14度、「キツネ皮をまとった女性」、自分の力を隠して裏で動き、人脈を上手くコントロール。
蠍座14度、「仕事をしている電話接続士」、必要な人脈を確保し、不要なら切る。

身内にだけ秘密を打ち明け、祭りで大はしゃぎした後、虚しさが残る。
裏で人を動かし、人脈を繋げ、地道に取り組む。

太陽は自分自身を表しますが、この祭りとはやはり親殺しのことでしょうし、その結末は虚無でした。
後段では地道な裏工作が示されてますが、斎藤義龍は早死にしてますのでその影響が親殺しの軍事作戦にどこまで波及したかは疑問です。
行動が粗っぽいのでそこまで地道さはないですね。


・木星。
蟹座5度、「列車に破壊された自動車」、戦闘的に突進してより強い力に淘汰される。
射手座24度、「家のドアに留まっている青い鳥」、自分の考えが確立された後も異なる意見に対して閉じない開かれた態度。
獅子座24度、「身だしなみの整っていない男」、核心に集中して他を無視。

牡羊座24度、「風が吹き込み豊穣の角コーヌコピアの形を取る開いた窓のネットのカーテン」、強すぎる意思で神秘の扉を開き、不思議な体験をする。強烈な生命力を引き出す。
魚座5度、「教会のバザー」、付加価値をつけるコピーライター。
蠍座5度、「大きな岩場の海岸」、動かない現実とぶつかり、変えてみたいと思う。

一度はオープンマインドで他人の意見に聞く耳を持つが、一旦集中すると他を無視し、強固な現実に突進するも壁にぶち当たる。
動かざる現実を変えようと言葉巧みに宣伝し、強烈な意志で神秘的な生命力を引き出す。

木星は人生の生き様です。
ここで示される壁は勿論父親である斎藤道三でしょう。
その壁は見事ぶち破りましたので、木星のミッションはクリアです。

他の天体は省略しますが、太陽と木星だけでも虚無と正面衝突なので、斎藤義龍がどのような人物なのかは見て取れます。
生まれついてのトラブルメーカーで、その行動の結果は何も得られず、ただただ無です。

無論、同じサビアンを持つ他の人だと肉体や生活環境が異なりますし、何より普通の魂の意志力では親殺しなんてあり得ない選択を下す可能性は低いでしょうから、大抵は同じ結末になりません。


続いて数量星占だと、

・太陽火星。
魚座6度、「正装して行進する将校たち」、国家や大きな組織に奉仕する。
牡羊座23度、「重く価値があるがベールに隠された荷を運ぶパステルカラーの服を着た女」、豊かな官能や欲望によって人間的に成長。
射手座23度、「移民が入国する」、新しい環境や生き方で自分の美点を再生する。

獅子座8度、「ボリシェビキ・プロパガンダを広める人」、世の中の気に食わない常識を破壊する。
蠍座21度、「職務を放棄した兵士」、自分の意思に忠実なあまり反逆的になる。
蟹座21度、「歌っているプリマドンナ」、競争に勝った上で強い説得力を持ち、仲間と楽しい関係を築く。

欲望のため、新しい生き方を選び、大きな組織に奉仕する。
競争を楽しみ、体制に反逆し、破壊する。

太陽火星は行動パターンです。
これは後段がまさに反逆者による破壊ですので、親殺しの下克上とも合致します。


・太陽木星。
天秤座19度、「隠れている泥棒集団」、マイナーに理解。
乙女座10度、「影の向こうを覗く二つの頭」、限界を越えた時、自己の抑圧された無意識を垣間見てビビる。
牡牛座10度、「赤十字の看護師」、人助け、貢献。

牡羊座8度、「風になびくリボンのついた大きな帽子、東に向いている」、敏感な感受性で世の中の法則を理解する。
魚座21度、「小さな白い羊と子供と中国人の召し使い」、開かれた感性で直感に従い自由に生きる。
蠍座21度、「職務を放棄した兵士」、自分の意思に忠実なあまり反逆的になる。

自分のシャドーにビビるも人助けをし、少数派に理解を示す。
直感に従い反逆し、敏感に感じすぎる。

太陽木星は度数の木星と同じく生き様です。
ここでも反逆が出てますが、それよりも神経過敏なビビリの性質が気になりますね。
それが親殺しの動機に結び付いたのかもしれません。

長くなるので他の数量は省略しますが、火星と木星で破壊や反逆が重複して出ており、度数のみならず数量でも凶意の強い運命体となっています。


まとめると図形星占では凧上げのカイトの血祭り、度数星占では虚無と正面衝突、数量星占では破壊と反逆ですので、斎藤義龍の太陽中心の星の運命体は突出してハードです。

ここに肉体のマルファン症候群、生活環境の母親の托卵による廃嫡の危機が掛け合わさりますので、魂による意思決定で余程強固に自制しなければ、親殺しなど凶悪犯罪に手を染める衝動を制御できなかったことでしょう。

残念ながら斎藤義龍は何でもありの戦国と言う時代背景もあってか、親殺しの凶行を実行してしまいましたので、転生主体である魂に善行テストのようなものがあの世から課されているならば、落第確実だったと思われます。