【隠岐 海士町】冬の生活。船は止まる。雪がたまに積もる。

2021年1月・2月は雪が20cmばかり積もった隠岐・海士町。3年ぶりの大雪。大雪と言ってもこの程度なんだけど。

この記事のもくじ

冬は船が止まることが多すぎ…

隠岐諸島という島根県沖、日本海の離島に住んでいる。隠岐汽船というフェリーと高速艇が本土との足になる。そして冬は確実に欠航する日が多い。

まず、その隠岐汽船の欠航条件。

フェリー欠航 波5~6mぐらい 
高速艇欠航 波3mぐらい

と言われている。あくまでも言われているのあって、公式サイトにはどこにも書かれていないという。

島の人がそう言っていて、もう島じゃ常識となっている。

あらためて書いてみたら「一瞬、えっ、これ島伝説!」と思ってしまったが、それにしても信憑性が高く、島の人の経験則といえる。

欠航については、波の状態とプラス風の状態もあるので、波が4mでも風が強すぎるとフェリーが欠航することもある。

そして、まことしやかに噂されているのは、船長次第らしいと。

簡単な波予報なら、Yahoo!の波予報を見てます。3日後しか見れないのですが…。

本気の波予報はこちらです。沿岸波浪予報

これもプロッぽい。使っている人は多い。Windy

Windyの画面。こんな画面になったら確実に欠航。

フェリー欠航は、長く住んでいる人も読み違えることがあるぐらい難しいときがある。

確実に欠航というのはある意味潔いけれど、出るかもしれないというときがくせもの。

当日にならないとわからない(わからなかった)。

朝も動いたし、「昼便もこの波だとたぶん動く」と、漁師さんたちが予測していたのにかかわらず、欠航という肩すかしをくらったこともある。

最近の画期的なことは、全便欠航が確実の日は前日に欠航というアナウンスが流れたことだ。7年住んでいて初めてだ。

2022.6.20追記

更に気をつけなければいけないのは、船の配置。午前便は運航したけれど午後便は欠航となったときだ。

翌日は波が大丈夫ってときなら、早朝に船を動かすらしい。動かす予定という情報がはいれば、翌日は朝から時刻通り動いてくれるのだけど、動かしてなければ、翌日朝は動かないかもしれない…。

2022年のゴールデンウイークは1日目からまさかの午後便からの欠航だった。GWに欠航は珍しい。

私は2日目朝の高速艇に乗る予定だったので、「高速艇は欠航だな。フェリーは動くのか!」とやきもきしていたら、朝にフェリーを動かすという情報がもらえたので、安心して用意ができた。

生活への支障は?

時化だ。風が強い。欠航だ!は、住んでいると慣れてくる。

冬は、欠航の町内放送が風物詩。だれも風物詩だと思っていないけれど、ひそかに思っている。

それぐらいよく止まる。止まってなにが困るのか。実際、島外に行く予定がなければなにも困らない。欠航ということにも興味がなくなる。

特に冬は欠航が多いし、乗っても揺れて気持ち悪いし、高速艇は休業だし、フェリーだって3隻動いているところが、冬は2隻しか動かず、とても不便なダイヤなので、外に行こうと思わない。

しかし、島外に行く予定があると困る。スケジュールが大幅にずれて、早めに島を出ることや、いつになっても島に帰れないことが多くある。予定外の本土の前後1泊が普通。

もっと悪いときには前後2泊になる恐れもある。

そして、隠岐汽船が欠航するときは、だいたい内航船、島から島へ動く船も欠航になる。

それはどういうことかというと、予定していた隣の島に通院ができないとか、通勤ができないから、お仕事が休みとかだ。

欠航で仕事休み…、よくそれで回っているなと東京で仕事した頃なら思っただろうけれど、それを前提で回しているのでしょうね。ほんとすごい。

島の内航船が欠航になると、島前三島から通う高校生がいる島前高校も休みになるという。驚きだ。

島内の商店から、商品がなくなっていくけれど、欠航はだいたい最大でも2日程度などでなんとか大丈夫。

そういえば、欠航の日に島のお魚屋さんに行ったら魚が全くなかった。あたりまえなんだけどつい忘れてしまう。漁もお休みだ。

欠航のとき、お金に有無をいわせる方法がある

船が出ない!これはもうどうしようもないのか!島から出られない、島に帰って来れないのか!

お金に有無をいわせれるなら、「たてぶね」というのがある。チャーター便だ。

1回10万と言われいる。10人集まれば1万円で本土に1時間ぐらいで行けるらしい。

しかし、フェリーが止まるような時化だ。乗り心地は…。

ときどき誰か個人だったり、団体が出すことがある。この情報をキャッチするにはどれだけ人とつながっていて情報をキャッチできるかにかかっている。

私が海士に来たころは、出張が多い人が多く、たてぶね情報がFacebookに上がったりしていた。

という訳で、自然の猛威を感じる島暮らし。

島の外に出る予定がなければ、天気もころころかわるけど、天気予報もころころかわるので、天気予報も見なかったりする。欠航も気にならない。

けれど、天気に関係する仕事や、島を出ることがあるとき(年末年始とか)3週間前ぐらいから天気のチェックをしていた。

この年末、四国の実家に帰ったとき、2・3日前にのんきに「30日大雪だって〜」と両親が言っていた。そんなことは3週間前から知ってるよ。それだから早く帰ったんだから。

もちろん、そのときは四国では全く雪が降らず、隠岐・山陰、イヤ日本海側は大雪でした。

大雪がたまに来る

2018年の1月・2月の大雪が30年ぶりぐらいだと騒がれた。50センチぐらい積もった。日本全国でも大雪の年だった。

その30年ぶりと言われた大雪に続き、それから3年ぶり2021年も大雪。20センチぐらい積もった。3年前の比ではないけど。

降らない年は本当に降らず、積もっても1・2センチ程度。風ですぐ雪がなくなってしまう。そんな雪は雪遊びもできないので非常に残念な感じ。

日本海の離島なので、新潟や富山や島根が大雪ってときは、島も大雪。もちろん新潟や富山の比ではない。少ない方だ。

しかし、積もる。運転など雪に慣れてなければやっぱりおどおどしてしまう。

タイヤだって雪専用のスタッドレスタイヤが必要だ。太陽の国(四国や大阪、東京)に住んでいたので、37年間スタッドレスタイヤなんて聞いたこともなかった。

特に島でも山越えがある地域は、冬になるとスタッドレスタイヤに変えるのが普通だ。

とうとう私も今年、大家さんに聞きながらタイヤを自分で変えられるようになった。

雪道だって一回調子に乗ってスピードをだしてしまい、車を田んぼに落としたけれど慣れたものだ。滑らず運転できるスタッドレスタイヤってすばらしいと思った。

ちなみに、雪が積もるたびに田んぼに落としたことを言われるので、なかなか人の記憶とは消去してくれないものだ。

島の住んでいる場所によりけりで、スタッドレスタイヤにしても二駆では上れない山道や坂がある。四駆がまちがいない。

しかし、わたしは山越えがあるのにかかわらず、年に数回降るか降らない雪だからと渋って二駆を買ってしまった。最近の車は二駆と四駆が切り替えがあるのを知らなかったのだけど。

50センチの大雪が降ったときはさすがに除雪も間に合わず、本当に家から出れなくなった。本道は除雪をしてくれて行けそうだったけど、本道までいく小さな道を除雪していなかったら、もののみごとに1mで止まった。除雪大事。

それでも二駆チェーンをつけて山越えをしている車を見て、とうとうチェーンを車載した。今年の20センチ雪では、峠で止まったらチェーンつけようと思っていたので、なんだか気持ち楽だった。

ちなみに、雪が積もっている場所と積もってない場所の差が大きいので、チェーンをつけている車は見たことがない。みんなたぶん四駆。

それでも、子どもたちは、ソリで遊んだり、カマクラを作ったり、それなりに楽しんでいて、雪は楽しいと思う。

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