馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

いま世界はうなだれている(58)メルヘンの背なか

冷蔵庫から
よく冷えた頭突きを取り出した
氷で割って
言いわけなんて大嫌いよーって吞みほす

(わりい、な。こんなふうにしか横溢できん。

ななめに跳んでくらわす
かすかにひび割れた
よろしく、ね。
を欠伸に打ちつける

(じつのところやさしいヤギなんだ、やっぱり。

いとしく歪むから
はげしく痛むまで
なんでもがまん
想いがかなうところを強く思ういつもふたりで

(それにしても「はげしく痛む」語尾まで血は流れていないけど

メルヘンの
かたむいた背なかに
ヤギたちを
立たせてみたくて


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