阪神(☆2対1★)中日 =リーグ戦8回戦(2021.05.13)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
00000011X2801
勝利投手:岩崎 優(1勝0敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝0敗10S))
敗戦投手:又吉 克樹(0勝1敗0S)

本塁打
【中日】木下 拓哉(4号・2回表ソロ)
【阪神】サンズ(9号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆接戦を制した阪神が3連勝。阪神は1点ビハインドの7回裏、近本の適時打で同点とする。続く8回にはサンズのソロが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・岩崎が今季初勝利。敗れた中日は、先発・ロドリゲスが好投するも、打線が援護できなかった。

◆今季の阪神はノーゲームを含め降雨中止の翌日が3勝0敗。中止翌日はジェフリー・マルテ内野手(29)と佐藤輝明内野手(22)が2本塁打を放ち、2人合わせて20打数9安打、4本塁打、13打点の打率4割5分。今日も2人のバットで白星なるか。

◆阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は久々に甲子園有観客試合を迎える。 ここまで月別の打率では5月は3割6分と断トツの成績を残している。4番でも5試合で打率3割3分3厘。前日12日は雨天中止だったが、チームは今季これまで雨天中止翌日は3戦全勝と吉兆なデータも活躍を後押しする。さらに、この日からは甲子園にも観客が戻り、「4番三塁」も地元ファンの前では初めてお披露目となる。 試合前のフリー打撃では45スイングで珍しく柵越えはなく、リラックスした打撃練習だった。三塁でノックを受け、バント練習にも取り組んだ。 有観客に向け、佐藤輝は「久しぶりに甲子園でお客さんが入るので、見に来て良かったと思ってもらえるようなプレーを見せたいです」と話していたように、地元ファンの前で活躍を目指す。

◆中日ジャリエル・ロドリゲス投手(24)が木下拓のミットを破壊した。2回先頭ロハスに1ストライクからインコースへ157キロ直球を投じると、ミットのウェブ部分の革紐が切れるアクシデント。木下拓は審判にミットの状態を見せて、ベンチでサブのミットに交換した。ロドリゲスは、昨季はシーズン途中に育成から支配下に昇格して、先発で3勝をマーク。今季初登板で現役キューバ代表のパワーを見せつけた。

◆阪神が2日前のVTRのような同点劇を見せた。 1点を追う7回2死、代打原口文仁捕手が四球で出塁すると、代走熊谷敬宥内野手が2度けん制後の1番近本光司外野手の初球に二盗を決めチャンス拡大。その近本が中前へしぶとく適時打を放ち同点に。ここまで苦しめられた中日先発ロドリゲスをKOした。 阪神は2日前の中日戦でも1点を追う7回2死から投手の打順で代打原口が出塁(遊撃内野安打)、代走熊谷が初球で二盗を決め、この時は1番近本も四球で続き、2番糸原が同点適時打を放っていた。 右の代打の切り札原口と代走の切り札熊谷コンビが2戦続けて2人で「二塁打級」のチャンスをつくってチームに貢献した。

◆首位阪神が、4位中日に逆転勝ち。序盤はロドリゲスと秋山の投手戦も終盤に阪神打線が少ないチャンスをものにした。

◆中日は2回、木下拓が左翼に2試合連続の4号ソロ本塁打を放ち、先制した。先発ロドリゲスも安定した投球で序盤3回を抑えた。 阪神先発秋山は丁寧な投球を見せ、3回以降、中盤も得点を許さなかった。打線はロドリゲスに苦戦し、5回の好機でも凡退した。 阪神は7回、近本の適時打で同点に追いつき、8回、サンズの9号ソロが決勝打になった。引き分けを挟んで3連勝になった。阪神岩崎が1勝、スアレス10セーブ。中日又吉は1敗。

◆阪神が粘って逆転勝ちした。 1点を追う7回2死走者なしから代打原口が四球で出塁し、代走熊谷が登場。けん制をかいくぐって二盗に成功した。その直後、近本が中前適時打を放って同点に追いついた。11日の同カードでも劣勢の7回に熊谷がピンチランナーで二盗を決め、同点のホームを踏んでいた。快足で同じ流れに持ち込んだ。8回にはサンズが左中間に9号決勝ソロ本塁打。引き分けを挟んで3連勝で、今季最多の貯金15に増やした。2位巨人と3・5ゲーム差に広げた。

◆阪神先発の秋山拓巳投手(30)が粘って7回1失点と好投した。 2回、木下拓に浮いたフォークをとらえられて左翼に先制弾を浴びた。だが、3回以降は丁寧な投球が光る。勝負どころは7回だ。無死一、二塁で木下拓を浅い右飛、阿部を一飛、根尾を左飛に封じ込めた。変化球で打ち気をそらす投球術を見せた。「先制点を与えることは避けたかったので、そこは反省点です。ただ、7回のピンチの場面を粘ることができましたし、そういった粘りの投球を続けることが信頼にもつながってくるので、今後も今日ぐらいの粘りの投球を続けていければと思います」。4月30日広島戦(甲子園)で今季3勝目を挙げて以来、中12日の先発マウンドだった。18年4月7日以来、3年ぶりの中日戦白星こそ逃したが、安定感を示した。

◆阪神先発の秋山拓巳投手(30)が意地の粘りを見せた。2回、木下拓に先制弾を浴びたが、その後は踏ん張る。7回無死一、二塁。打ち気にはやる3者を変化球でフライアウト3本に料理した。「あそこを1人で投げきることができた。こういう積み重ねが次につながる」。4月30日広島戦(甲子園)以来、中12日の先発だったが7回1失点の好投。矢野監督も「先取点は取られましたけど、その後、粘ってくれました。最後のピンチも乗り切ってくれた」と評した。

◆阪神が粘って逆転勝ちした。 ◆阪神矢野監督語録 -見事な逆転勝利でした すごくいい試合で興奮しています。 -7回2死から見事な攻撃 そうですね、四球をフミ(原口)の四球からでしたけど、タカヒロ(熊谷)もよく走ってくれましたし、チカもタイムリーを打って。(ロドリゲスの)調子も良かったんで崩せなかったですけど、いい形で取れました。 -サンズが勝負強い打撃 ホームラン打ってくれという願いでベンチも声出してくれましたし、そういう後押しもあって、最高のホームランになりました。 -秋山も粘り強く投げた 先取点は取られましたけど、その後、粘ってくれましたし、最後のピンチも乗り切ってくれたんで。アキに勝ち星はつかなかったですけど、ナイスピッチングでした。 -チームも引き分けを挟んで3連勝だ 思いきってチャレンジするとか、最後の拓夢(中野)のショートゴロも諦めないというかすごいプレーでしたし。スグル、スアちゃんといつもいってもらって、タイガースらしく全員で戦う試合ができています。 -新外国人ロハスは打席を重ねていくことが大事 もちろんね。早くいい結果を出してほしいし、ファームでもある程度の打席は立ってきたからね。ただ対戦するピッチャーは初めてだっていうところはあるんで、今日の練習なんかはちょっといい感じで、今まで見た中では一番いい感じで打ってた。慣れてくる中きら上がってきてくれたらなっていう、ちょっと兆しは見えつつあるかなと思う。 -右肩張りで出場選手登録を抹消されたガンケルが練習合流。患部の状態は悪くない まあ、もともと大きなものにはつながっていないという感じだった。開幕からずっと頑張ってくれていたんで、そういうところでは大事に至らなかったということも良かった。そんなに大きく休んで次の登板という風には思っていないです。 -明日からの巨人戦に向けて こういういい形で取れて東京ドームにいけるんでね。全員の気持ちを高めながら、タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやってきます。

◆阪神のセットアッパー岩崎優投手が薄氷の展開をしのいで今季初勝利を挙げた。 同点に追いついた直後の8回に救援。珍しく制球が乱れ、四球と暴投で無死二塁に。だが、2死にこぎ着け、ガーバーを146キロ速球で振り遅れの空振り三振とした。「起こったことは仕方ないので逆にプラスにとらえるくらいで。二塁打じゃなくて良かった」。お約束の広報コメントの「0点で抑えることができてよかったです」はSNSで人気だ。新人時から8年連続白星でリーグトップタイの14ホールドポイントになった。

◆首位阪神がジェリー・サンズ外野手(33)の決勝弾で引き分けをはさむ連勝を3に伸ばした。 1点ビハインドを追いついて迎えた8回、中日又吉から9号ソロ。開幕37試合での貯金15は、2リーグ分立後では球団最速記録となった。この日、甲子園で17日ぶりに有観客試合が復活し、ファンに届ける会心の逆転白星。14日から戦う2位巨人に3・5ゲーム差をつけ、東京ドーム決戦に臨む。試合を決めた助っ人は、虎党の拍手を全身に浴びた。お立ち台に立ったサンズはインタビューの最後、待ってましたと言わんばかりにニヤリとし、日本語で言った。 「タイガースファンズ、みんな大好きやで!」 一振りで試合を決められるから、ヒーローになれる。7回に追いつき迎えた8回2死走者なし。中日はこの回から、15試合連続無失点中の又吉を投入。勝ちパターンの好投手に1ストライクを奪われたが、動じない。2球目の内角147キロを左中間席へ運んだ。 「とにかくフェンスを越えてくれ、越えてくれ、と。ボールがフェンスを越えた瞬間うれしかった」 18日ぶりの甲子園での有観客試合で、勝ち越しの9号ソロ。アドレナリンと興奮が抑えられない。ベンチ前でのハッピーハンズは「いつも以上に興奮しました」と激しめ!? に披露。「甲子園で、タイガースファンのみなさんの前で打つホームランは本当にうれしい」とファンの前での会心弾をかみしめた。 新助っ人ロハスとは韓国プロ野球時代から家族ぐるみで付き合いがあった。1軍合流した初日から、キャッチボールを行い、意思疎通。「ロハスは1年目だし、何か言われたら助けたい。できる限りのことはしていきたい」。来日2年目。新助っ人を気遣う心の余裕が好結果につながっているのかもしれない。リーグ4位の9本塁打、同4位の25打点で重量打線の中、5番は不動だ。 矢野監督も「すごくいい試合で興奮しています」と高ぶっていた。「展開的にああいう1発が出てほしいなというところでね。打ってくれて、いやあ、盛り上がったね」と止まらなかった。 サンズの劇弾で、引き分けを挟んで3連勝。貯金は今季最多の15まで増えた。2位巨人に3・5差をつけ、14日からは東京ドームで直接対決する。15日には、通算2000試合のメモリアルカードとなる3連戦。指揮官は「タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやっていきます」と力強く言った。勢いそのまま、一気に宿敵を突き放す。【中野椋】

◆阪神新外国人メル・ロハス・ジュニア外野手(30)はデビューから12打席連続無安打になった。 4回2死一塁で、痛烈なピッチャー返しのゴロを放ち、ロドリゲスのグラブをはじいたが遊撃前に転がる不運もあった。4打数無安打だったが矢野監督は「今日の練習はちょっといい感じで、今まで見た中で一番いい感じで打っていた。慣れてくるなかで上がってきてくれたら。兆しは見えつつある」と期待した。

◆阪神近本光司外野手が千金の同点打を決めた。ロドリゲスの前に0行進が続いた7回2死で、熊谷の二盗成功を受けて快音。追い込まれながら128キロスライダーを中前へと運ぶと、一塁ベース上で力のこもったガッツポーズが出た。 「良い投手なので、そう簡単に打てる球じゃない。どうにかなれと思って打ちました」。無我夢中の一打が逆転勝ちにつながった。

◆阪神の守護神ロベルト・スアレス投手が盤石の投球で、リーグ単独トップの10セーブ目を挙げた。 「それだけチームが勝っている状況で自分の出番が来ているということ。その中で自分の仕事をできている。うれしいし、続けていきたい」。1点リードの9回に登板し、強打者のビシエド、高橋周、木下拓を3人で抑える安定ぶり。自己最長の16試合連続無失点で圧巻の防御率0・50だ。

◆阪神佐藤輝明内野手(22)が、甲子園のファンへの「4番三塁」のお披露目試合でHランプをともした。 4月25日以来の甲子園での有観客試合。阪神生え抜きの左打者では、88年掛布雅之以来の4番三塁を務めた。スタメン発表時には「4番サード佐藤輝明」とコールされると、大きな拍手。逆転満塁弾を放った5月2日の広島戦(甲子園)でプロ初初4番を務めたが、その日は無観客だった。「特に意識することなく、しっかり自分のバッティングだけを心がけて入りました」。平常心で竜投に対峙(たいじ)した。 打撃では、中日先発ロドリゲスに2打席凡退だったが、6回の第3打席では133キロのスライダーを中前に運んだ。これで4月22日の巨人戦から16試合連続出塁で自己最多を更新。「打つのが一番良いですけど、フォアボールとかどんな形でも出塁できているのは良いことだと思います」と納得だ。 恵みの雨となっているのか。雨天中止の翌日4試合の成績は、16打数5安打の打率3割1分3厘、2本塁打8打点と好相性を誇る。2位巨人との戦いに向け、「しっかり巨人に攻め勝って、もっと首位の座を固められたらいいかなと思います」ときっぱり。5月は打率3割4分5厘と好調な4番が首位固めを引っ張る。【林亮佑】

◆中日は接戦を落とし、首位阪神とのゲーム差が今季最大の「10」に広がった。 決勝点を奪われたのは8回。同点で登板した又吉がサンズに勝ち越し弾を許した。 2回に木下拓の4号ソロで先制。投げては今季初先発のロドリゲスが7回途中1失点と試合を作った。1点を争う展開となる中、7回無死一、二塁から得点できないなど、先頭打者が出塁した4イニングで無得点に終わった拙攻がひびいた。 与田監督は開口一番、「しょうがない。(又吉も)ずっと抑えられるわけじゃない」と、連続無失点が15試合で止まり、今季初黒星を喫したセットアッパーをかばった。相手のスキをつけなかった打線には「チャンスで1本が出ない。打てるようにするしかない。口で言うのは簡単だけど、結局得点能力が低いのでチャンスタイムで打てるようにするしかない」。首位阪神に今季2度目のカード負け越しを喫した。 【試合後コメント】 ▽木下拓(ロドリゲスの状態と盗塁2度阻止に)「今年、試合で受けたのは初めてなので、何とも言えない。次があると思うので今日の試合を反省し、参考にしてロドリゲスに勝ちをつけられるように頑張る。(盗塁阻止は)足を使ってくるチームとわかっていたので、しっかり準備した」 ▽ガーバー(4回に16打席ぶりのヒットも8回2死三塁で岩崎に空振り三振)「1本しか打てなかったが、少しずつ良くなってきていると思う。(8回)あの場面で打てなく悔しい。岩崎に対応することができなかった。次は打てるように頑張る」

◆まるで2日前のVTRを見ているかのような、7回の同点劇だった。この日も原口文仁捕手(29)、熊谷敬宥内野手(25)コンビで2死走者なしから得点圏に走者を生んだ。1点を追う7回2死、投手の打順で原口が登場し、四球で出塁すると、代走熊谷が1番近本光司外野手(26)の打席で2度けん制後の初球に二盗を成功。その近本が中前にしぶとくはじき返し熊谷が同点のホームを踏んだ。矢野監督は「1点で同点っていう形やけど、それ以上のいけるっていう気持ちにさせてくれたものだったんで」と、好投の中日先発ロドリゲスを降板させ、その後の勝ち越しにつながる攻撃だったとほめた。 熊谷が「前回と一緒で原口さんが出て、自分があの場面で自分がしっかりやれることをやるだけだと思っていた」と振り返るように2日前の11日の中日戦でも1点を追う7回2死から代打原口が出塁(遊撃内野安打)し、代走熊谷が初球で二盗を決め、この時は1番近本も四球で続き、2番糸原の適時打で同点のホームを踏んでいた。 どちらの盗塁も初球にスタート。矢野監督も「いい準備ができているのと、勇気もいるし」とほめた。今季5個目の盗塁は中野に並んでチーム2位タイ。成功率も100%だ。4年目の今季は2軍キャンプスタートから開幕1軍を勝ち取り、開幕2戦目の3月28日ヤクルト戦の8回から右翼の守備固めで今季初出場。1軍で初めて外野を守ったが、青木の大飛球を好捕。そこから内、外野の守備固めと代走としてベンチに欠かせない戦力となっている。 立大時代には仙台育英の同学年のソフトバンク上林とよく電話で話をした。プロアマもあり野球の話はできなくとも、先にプロの世界でもがく親友の話を聞き、自分もプロの舞台で輝きたいと背中を押してもらった。この日は午後1時からの2軍オリックス戦(オセアンBS)に7番右翼で出場してからの親子ゲーム。長い1日となったが、俊足イケメンがその存在価値を虎党にバッチリと見せつけた。【石橋隆雄】

◆決勝弾のサンズがMVPなら、逆転勝ちの隠れMVPは熊谷敬宥内野手(25)が見せた"神走塁"だろう。1点を追う7回2死から四球出塁した原口の代走で登場。「あの場面で、自分がしっかりやれることをやるだけだと思っていた」。1番近本の打席で2度けん制されたが、初球に二盗を決めた。今季初登板のロドリゲスだったが、癖が分かっていたのか。11日の中日戦でも代走で出場した7回、初球の二盗成功から執念ドローを演出。バッテリーも警戒していたはずだが、あっさり包囲網を破った。 そして近本の中前適時打で同点の生還。好投のロドリゲスを降板させ、矢野監督は「1点で同点っていう形やけど、それ以上のいけるっていう気持ちにさせてくれたものだったんで」と、サンズの決勝弾につながる攻撃だったと評価した。 2戦続けて試合が動く7回の代走で起用され、どちらも初球に盗塁を決めた。矢野監督も「いい準備ができているのと、勇気もいるし」とほめた。今季5個目の盗塁は中野に並ぶチーム2位。成功率100%だ。 4年目の今季は、2軍キャンプスタートから開幕1軍を勝ち取った。内野ならどこでも守れるのが売りだが、今季初出場は1軍では初体験の外野だった。開幕3戦目の3月28日ヤクルト戦の8回から右翼の守備固めで出場し、青木の大飛球を好捕。そこから内、外野の守備固め&代走のスペシャリストとして、首位を走るチームに欠かせない戦力となっている。 立大では4年次に主将を務め、春のリーグ戦では盗塁王を獲得し、大学日本一にも輝いた。仙台育英時代の同学年、ソフトバンク上林とよく電話で話をしたという。先にプロの世界でもがく親友の話を聞き、自分もプロの舞台で輝きたいと背中を押してもらった。 今季1軍では22試合で1打席しか立っていないこともあり、この日は午後1時から2軍オリックス戦(オセアンBS)に7番右翼で出場してからの親子ゲーム。長い1日となったが、俊足イケメンが存在価値を虎党にしっかり見せつけた。【石橋隆雄】

◆真昼に行われる2軍戦の取材はとにかく暑い。気温25度を超す大阪・舞洲のオセアンBSで1日取材をしていると、肌が真っ赤になり、お風呂に入るのも一苦労。現場に駆けつけた阪神津田広報も、虎番の記者から日焼け止めを借りていた。そうでもしないと、乗り越えられない日差しが照りつけていた。 そんな13日のウエスタン・リーグのオリックス戦に、甲子園でのナイターゲームを控える1軍選手たちも当然のように参加していた。「1番遊撃」に木浪、「3番中堅」には板山。同日1軍での中日戦(甲子園)の7回、代走で2試合連続で二盗を決め、同点のホームを踏んだ"陰のヒーロー"熊谷敬宥内野手(25)も「7番右翼」で先発出場していた。6回に左前打を放つと、7回の守備から退き、甲子園へ向かった。 この「親子ゲーム」を平田2軍監督は「打席機会が上では少ないから」と説明する。言葉では簡単だが、ハードワークなのは事実。昼の11時前には球場入りし、帰宅はナイター後のまさに、野球漬けの生活だ。近年の"働き方改革"とは逆をいくかもしれないが、この積み重ねが、土壇場で結果を残すことができる勝負強さにつながっているのだと思う。 熊谷は大仕事を果たしても「自分があの場面でしっかりやれることをやるだけだと思っていたので、それがいい形になったのは僕としても良かったです。これを継続していけるようにやっていきたい」と冷静だった。その顔は、昼の勲章とも言える"小麦色"にほんのり焼けていた。【阪神担当=中野椋】

◆阪神が引き分けをはさみ3連勝で、貯金を今季最多の「15」とした。 1リーグ時代は30試合以下での貯金15が5回あるが、37試合目は08年の40試合目を抜いて、2リーグ分立後最速。なお、セ・リーグ最速は50年中日の19試合目(17勝2敗)。阪神がセ・リーグで優勝した年に貯金15に到達したのは、62年=79試合目、64年=61試合目、85年=80試合目、03年=44試合目、05年=78試合目。過去の優勝時を上回るハイペースで、このまま貯金を積み重ねられるか。

◆首位阪神とのゲーム差が今季最大の「10」に広がった。 得点は2回、木下拓の4号ソロでの1点のみ。無死一、二塁とした7回や無死二塁と攻めた8回など、先頭打者が出塁した4イニングでいずれも無得点。8回から3番手登板した又吉が痛恨の勝ち越し弾を浴び、逃げ切られた。試合後の与田監督のコメントは以下の通り。 -サンズの1発にやられた 「これはしょうがない。(又吉も)ずっと抑えられるわけじゃない」 -7回無死一、二塁からも得点につなげられなかった。 「チャンスで1本が出ない。打てるようにするしかない。口で言うのは簡単だけど、結局は得点能力が低いので、チャンスタイムで打てるようにするしかない」 -7回無死一、二塁で打者木下拓にバントなどは 「それは結果論。結果が出ないと言われる。他の戦術で成功したかはわからない。結果的に今日の戦術では勝てなかった。いろんな見方はある」 -ガーバーも8回2死三塁のチャンスに打てなかった 「ワンチャンスで1本打たれ、ウチが打てずという展開。とにかく打てるように頑張るしかない」 -7回の守備では代走に走られたが 「警戒して走られた。走られないようにするしかない」 -木下拓は2度盗塁を刺したが、3回目を刺せなかった 「いろいろ言えばきりがない。走られない方がいいし、走られても投手が抑えればいいこと。すべて100%じゃないが、相手に攻められたら、みんなでカバーすることが今日はできなかった」 -ロドリゲスは試合を作った 「十分、十分。本当に良く投げてくれた」

◆首位阪神がジェリー・サンズ外野手(33)の決勝弾で引き分けをはさむ連勝を3に伸ばした。 1点ビハインドを追いついて迎えた8回、中日又吉から9号ソロ。開幕37試合での貯金15は、2リーグ分立後では球団最速記録となった。この日、甲子園で18日ぶりに有観客試合が復活し、ファンに届ける会心の逆転白星。14日から戦う2位巨人に3・5ゲーム差をつけ、東京ドーム決戦に臨む。試合を決めた助っ人は、虎党の拍手を全身に浴びた。お立ち台に立ったサンズはインタビューの最後、待ってましたと言わんばかりにニヤリとし、日本語で言った。 「タイガースファンズ、みんな大好きやで!」 一振りで試合を決められるから、ヒーローになれる。7回に追いつき迎えた8回2死走者なし。中日はこの回から、15試合連続無失点中の又吉を投入。勝ちパターンの好投手に1ストライクを奪われたが、動じない。2球目の内角147キロを左中間席へ運んだ。 「とにかくフェンスを越えてくれ、越えてくれ、と。ボールがフェンスを越えた瞬間うれしかった」 18日ぶりの甲子園での有観客試合で、勝ち越しの9号ソロ。アドレナリンと興奮が抑えられない。ベンチ前でのハッピーハンズは「いつも以上に興奮しました」と激しめ!? に披露。「甲子園で、タイガースファンのみなさんの前で打つホームランは本当にうれしい」とファンの前での会心弾をかみしめた。 新助っ人ロハスとは韓国プロ野球時代から家族ぐるみで付き合いがあった。1軍合流した初日から、キャッチボールを行い、意思疎通。「ロハスは1年目だし、何か言われたら助けたい。できる限りのことはしていきたい」。来日2年目。新助っ人を気遣う心の余裕が好結果につながっているのかもしれない。リーグ4位の9本塁打、同4位の25打点で重量打線の中、5番は不動だ。 矢野監督も「すごくいい試合で興奮しています」と高ぶっていた。「展開的にああいう1発が出てほしいなというところでね。打ってくれて、いやあ、盛り上がったね」と止まらなかった。 サンズの劇弾で、引き分けを挟んで3連勝。貯金は今季最多の15まで増えた。2位巨人に3・5差をつけ、14日からは東京ドームで直接対決する。15日には、通算2000試合のメモリアルカードとなる3連戦。指揮官は「タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやっていきます」と力強く言った。勢いそのまま、一気に宿敵を突き放す。【中野椋】 ▼阪神が引き分けをはさみ3連勝で、貯金を今季最多の「15」とした。1リーグ時代は30試合以下での貯金15が5回あるが、37試合目は08年の40試合目を抜いて、2リーグ分立後最速。なお、セ・リーグ最速は50年中日の19試合目(17勝2敗)。阪神がセ・リーグで優勝した年に貯金15に到達したのは、62年=79試合目、64年=61試合目、85年=80試合目、03年=44試合目、05年=78試合目。過去の優勝時を上回るハイペースで、このまま貯金を積み重ねられるか。

◆中日の木下拓が2試合連続で本塁打を放った。二回2死から先制4号ソロ。「3人では終わらないで何とか後ろの打者につなげる気持ちで打席に入った」と語った。  内角に抜けてきたフォークボールに反応。対応が簡単な球ではなかったが、うまく腕を畳んで振り抜くと打球は左翼フェンスを越えた。11日は「狙っていた」という初球を打ち、この日は追い込まれながら制球の良い秋山の投げ損じを逃さなかった。  捕手としては好送球で糸原と梅野の盗塁を阻止し「足を使ってくるチームということは分かっているので、しっかり準備していた」と振り返った。(甲子園)

◆阪神・熊谷敬宥内野手(25)が0-1の七回2死一塁で代走で出場。二盗をし、同点劇につなげた。この回2死で代打・原口が、四球で出塁。代走で出番を迎えた熊谷は近本の打席の初球でスタートし、二塁への盗塁を成功させた。すると近本が鋭いライナーで二遊間を破る中前打。熊谷は一気に三塁をけり、同点のホームを踏んだ。  今カード初戦の11日も3-4の七回2死から遊撃内野安打で出塁した原口の代走で出場し、二盗。その後に糸原が右前打で生還しており、そのシーンを再現するかのようなラッキーセブンの攻撃。有観客開催初日に甲子園に詰めかけた虎党の喝采を呼び起こした。

◆阪神・近本光司外野手(26)が七回2死二塁で中前への同点打を放った。  好投を続けるロドリゲスに対して2死からチャンスを作ると、カウント2-2からの6球目だ。高めに浮いた128キロの縦スライダーをとらえ、鋭いライナーで二遊間を破った。  「秋山さんが、すごくいい投球を続けていたので、何としても、ランナーをかえすという気持ちで打ちました」とコメント。五回も2死一塁で右翼線への二塁打を放っており、5日のヤクルト戦(神宮)以来、5試合ぶりのマルチ安打をマーク。好投を続けた先発の秋山の負けを消す貴重な一打が八回のサンズの決勝ソロの呼び水となった。

◆阪神が接戦をものにした。先発・秋山は二回に木下拓に先制ソロを浴びたが、その後は粘りの投球で追加点を許さず、味方の反撃を待った。右腕の好投に応えたい打線は1点ビハインドの七回に2死二塁のチャンスを作ると、1番・近本が中前打を放って同点。八回はサンズが左中間へ決勝の9号ソロを放った。  九回は守護神のスアレスが登板。わずか5球で1回を無失点に切り抜け、勝利をつかみとった。4月25日以来の有観客開催の甲子園に歓声が起こった。 近本の話 「秋山さんが、すごくいい投球を続けていたので、何としても、ランナーをかえすという気持ちで打ちました」

◆阪神はジェリー・サンズ外野手(33)の決勝ソロで中日に逆転勝ち。矢野耀大監督(52)の主な一問一答は以下の通り。  (テレビインタビューから)  --サンズが勝負強い打撃  「ホームラン打ってくれという願いでベンチも声出してくれましたし、後押しもあって、最高のホームランになりました」  ■いよいよ巨人3連戦  --14日からの巨人戦に向けて  「いい形で取れて東京ドームにいけるんでね。全員の気持ちを高めながら、タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやってきます」  (記者の取材に対して)  --サンズは素晴らしいホームランだった  「いやあ、まあね。展開的に、ああいう一発が出てほしいなというところでね。打ってくれて。うん。いやあ、盛り上がったね」  ■同点以上の価値ある攻撃  --七回の同点も、11日の試合に続いて熊谷の走塁が大きかった(2死一塁から代走で二盗成功。近本の適時打で生還)  「もちろん大きいし。フミ(原口)もね。また四球で出てくれて、タカヒロ(熊谷)も初球かな? そういうのって、いい準備できるのと、勇気もいるし。そういうのもありながらの近本のタイムリーだったんで。うちらしい点の取り方ができたし、チームとしても1点で同点っていう形やけど、それ以上のいけるっていう気持ちにね、さしてくれたものだったんで」  ■この2試合に満足感  --接戦で勝利   「大差で打って、ピッチャーが抑えてという勝ち方は一番いいけど。競った中で、どういうプレーができるかとか、どれだけ俺らの野球が貫けるかの方が、成長はできるかなと思うので。この2試合、負けているところから追いついて、今日もね。1点やったけど。相手ピッチャーも良かったんでね。少ないチャンスや、途中もけん制もたくさんさせたし。うちらしい野球ができた2試合だったかなと思います。  --熊谷は2軍戦に出場してからのナイター   「試合感覚っていうか、打席もね、こっちじゃ、なかなか立たせてやれないんで、打席も、もちろんあるし、守備もあるんで、そういうところで行きました」  ■爆発の予感...  --ロハスは打球もあった。打席を重ねていく。  「もちろんね、早くいい結果を出してほしいし、ファームでもある程度の打席は立ってきたからね、ただ対戦するピッチャーは初めてなんで。今日の練習は、今まで見た中では一番いい感じで打ってたし、兆しは見えつつあるかなと思うんやけど」  --ガンケルが練習合流  「もともと大きなものにはつながっていないという感じだったし、開幕からずっと頑張ってくれていたんで、大事に至ってないだろうなとは思っていたんだけど、そうなったんで。良かったなと思う。そんなに大きく休んで次の登板という風には思っていないです。  --14日から巨人3連戦。交流戦前のヤマ場  「まあ山は、いつでもどこでもあるんで、別に今日勝っていけるというところでは、まだまだ山はこれからあるんで。それよりも自分たちの野球が出来たことを続けていける方が大事かなと思います」

◆阪神の秋山が無四球で7回6安打1点に抑え、逆転勝ちを呼び込んだ。要所で粘り「こういう積み重ねが信頼にもつながる」と自信を深めた様子だった。  最大のピンチは七回。先頭から連打を許し、二回にソロを浴びた木下拓を迎えた。フォークボールで右飛に仕留め、後続も断った。直後の攻撃で追い付いた。雨天中止の影響で先発ローテーションが再編され、約2週間ぶりのマウンド。「1回飛んだ悔しい気持ちをぶつける」と強い気持ちを持ち、臨んだ試合で力を発揮した。

◆中日との試合は接戦になりがちで、小さなプレー、1つのプレーで勝敗が決まるケースが多い。ワンチャンスで同点にして、ひと振りで逆転。ベンチにとって会心の勝利だろう。特に最近は、試合後半に熊谷、植田の足のスペシャリストを投入して得点するという、矢野監督が目指してきた足を絡めた野球ができつつあるのは大きい。攻撃のバリエーションが一気に増えている。  もちろんサンズの一発も大きかったが、最大のヒーローに熊谷を挙げたい。2死一塁からの代走で、何球もけん制された中、後ろの打者のことも考えて初球から走って、しかも成功させる。簡単にできることではない。しっかり準備、研究している成果だし、他球団にとって相当な脅威だ。  14日からは東京ドームを舞台に巨人との戦いになる。今度は一転して、かなり点を取り合う野球になるだろう。ポイントはいかに失点を最小限で食い止めるか。投手陣が諦めず、我慢の投球をできるかどうか。今の阪神ならまた面白い試合を見せてくれるだろう。(本紙専属評論家)

◆新4番が甲子園のファンにお披露目だ。阪神のD1位・佐藤輝(近大)は4打数1安打。しっかりと存在感を残した。  「お客さんが入るか入らないかでモチベーション、気持ちの入り方も違う。来てくれた方が自分たちも集中できる」  六回1死からロドリゲスの133キロ変化球を中前へはじき返した。これで4月22日の巨人戦(東京ドーム)から16試合連続出塁。「打つのが一番ですが、四球やどんな形でも出塁できているのはいいこと」とうなずいた。  この日響かせた快音はこの1本のみだったが、ドラ1の名前がコールされるだけでスタンドは沸いた。打席に立てば、場内の空気を一変させることができる。後押ししてくれるファンの声援が戻ってきた。チームの顔として打線を引っ張る佐藤輝は、14日から始まる巨人との3連戦に向け、力を込めた。  「しっかり巨人に勝って、もっと首位の座を固められたらいいかなと思います」  虎の若き主砲が宿敵を撃つ。Vへの勢いをさらに加速させる。(原田遼太郎)

◆甘い球を逃さなかった。鋭い打球が中前へ抜けていき、甲子園は大きな拍手に包まれた。1点ビハインドのまま突入した七回に阪神・近本が起死回生の同点打。一塁上で白い歯を見せた。  「いいピッチャーなので、そう簡単に打てるボールがあるわけではないので。どうにかなれと思って、打ちにいきました」  2死から代打・原口が四球を選び、代走・熊谷が二盗を決める。ここまで苦しめられていたロドリゲスに対して、お膳立てはできた。カウント2-2から128キロスライダーを捉えた。はじき返した打球はロドリゲスの出したグラブの先を抜け、中前へ。流れをグッと引き寄せ、八回のサンズの決勝ソロを呼び込んだ。  「秋山さんがすごく良い投球を続けてくれていたので何としてもランナーをかえすという気持ちで打ちました」  得点には結びつかなかったが、五回2死一塁では右翼線への二塁打を放っており、今季11度目の複数安打を記録した。  4月は打率が1割台に沈む期間もあり、代打を送られることもあった。そこから、持ち直してきたのは自分の状態と常に向き合ってきたからだ。  「日々発見で反省して、どうするかと考えることだと思う」。春季キャンプで打撃についてそう語っていた。その日打てたからといって、次の日は体の状態が違う。つかんだと思っても次の日の自分には合わないかもしれない。タイミングの取り方など、オープン戦から打席の中で、そのときの感覚と状態に合うものを探してきた。  「(感覚と状態の)すり合わせだったり、シーズンでもそういうところは生きてくる」。開幕直後は不振も、そこから抜け出すことができるのが近本。5月はここまで打率・414(29打数12安打)で9戦連続出塁としっかり状態を上げてきた。  同点に追いついた七回の攻撃について矢野監督は「フミ(原口)の四球からでしたけど、敬宥(熊谷)もよく走ってくれた。そういうのもありながらの近本のタイムリーだったので。うちらしい点の取り方ができた」と目を細めた。頼もしさを取り戻したリードオフマンが、さらに虎を上昇させる。(菊地峻太朗)

◆3連勝の勢いでいざG戦!! 首位の阪神は中日に2-1で逆転勝利し、3連勝で今季最多の貯金15とした。八回にジェリー・サンズ外野手(33)が決勝の9号ソロを放った。14日からは敵地に乗り込んで2位の巨人と3連戦。3・5ゲーム差で追ってくる永遠のライバルを突き放し、優勝に向けて独走態勢を築く。  仲間の心をがっちりとつかみ、離さない。困っているなら差し伸べ、導く。そんなサンズの手だから"ハッピー"へと白球を運べる。一丸で追いついて迎えた八回。甲子園に帰ってきた6853人の観衆の願いにも押されて、値千金の決勝9号ソロを放り込んだ。  「フェンスを越えてくれという思いで走っていましたけど、うれしかった。投手陣が本当に粘ってくれているので負けるわけにはいかなかった。大きい1点になってよかったです」  1-1の八回2死走者なし。1ストライクから、この日まで防御率0・55の3番手・又吉の147キロを打ち砕いた。一塁ベンチを両手をヒラヒラでおなじみの「ハッピーハンズ」ポーズで狂喜の渦に巻き込んだ。  6試合ぶりの一発。四回の右前打も含め今季11度目のマルチ安打とし、開幕直後のようにまた調子を上げてきた。助っ人砲でありながら、ムードメーカーであり精神的支柱でもある。開幕当初は狙い球のアドバイスを送るなどD1位・佐藤輝(近大)を支えてきた。今度は新助っ人のロハスが3試合&12打席無安打と苦しむが、必ずや、サンズが手を握って引っ張り上げるはずだ。 その他の写真(2/3枚)  入団前からR砲に助言を惜しまなかったが、今も練習中からぴったりと寄り添い、会話を続ける。外国人枠を争いライバルでもあるが「武器という点ではいくらあってもいい。お互いを助け合って、ロハスは1年目だし、他の選手でも何か言われたら助けられることであれば助けたい」と誓う。来日2年目にして、サンズなくしてチームが回らないという正真正銘の主軸だ。  最高の一発を繰り出したS砲を、矢野監督も「なかなか展開的にああいう一発っていうのが出てほしいなというところでね、打ってくれて。いやぁ盛り上がったね」と激賞だ。このカードを迎えるまで、今季は六回終了時にビハインドだと0勝8敗だった。だが、11日は七回に追いついて引き分けに持ち込み、この日は七回と八回にひっくり返した。直近5勝のうち4勝が逆転勝ちだ。  貯金は今季最多を更新する「15」。巨人とのゲーム差も、ひとカードでは追いつけない3・5差に広げた。2戦目の15日には記念すべき「伝統の一戦」通算2000試合を迎える。  矢野監督は大事なカードに向けて「山はいつでもどこでもあるんで」と言いつつ「全員の気持ちを高めながら、タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやってきます」と固く誓った。  日々成長する4番・佐藤輝もいる。そして、サンズが頼もしい手で導く。その先へ続いていく新しいTGの歴史を、矢野虎が圧倒しながら刻んでいく。(長友孝輔)

◆阪神・矢野監督いや、矢野捕手(現役時代キャッチャー)が、盗塁阻止率1位の中日・木下拓とのタイマン勝ちやー!!  三回、糸原が盗塁アウト!! 五回には梅野がまたまた、二盗を阻止された! そして、1点ビハインドの七回2死で熊谷に再び盗塁のサインを出す矢野監督って...。「鬼やー!!」。よ~く、考えてください。この場面、代打で四球を選んだ原口の代走で出され、「絶対に成功させろや!!」の厳しい空気の中で走る若虎の気持ちって「どんだけ~?!」。それを考えたら、大プレッシャーの中で見事に二盗を成功させ、近本の同点打でホームインした熊谷は、本日の裏MVPや!!  決勝本塁打のサンズや中日打線を1点に抑えた先発の秋山、岩崎、スアレスの活躍もうれしいけど、それ以上に新人4番の佐藤輝や、今だ音なしのロハスへの批判が目立つことなく、キチンと今季最大の貯金「15」を積み重ねる、わが阪神タイガースは、ホントに強いチームになったのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
25102 0.714
(↑0.008)
-
(-)
106174
(+2)
113
(+1)
40
(+1)
32
(+1)
0.262
(↑0.001
2.890
(↑0.05)
2
(-)
巨人
20126 0.625
(-)
3.5
(↓0.5)
105163
(-)
131
(-)
48
(-)
26
(-)
0.261
(-)
3.240
(-)
3
(-)
ヤクルト
15146 0.517
(-)
7
(↓0.5)
108143
(-)
154
(-)
35
(-)
23
(-)
0.243
(-)
4.090
(-)
4
(-)
中日
14195 0.424
(↓0.014)
10
(↓1)
105108
(+1)
116
(+2)
17
(+1)
20
(-)
0.228
(↓0.001)
2.860
(↑0.02)
4
(1↑)
広島
14194 0.424
(-)
10
(↓0.5)
106107
(-)
133
(-)
25
(-)
16
(-)
0.252
(-)
3.300
(-)
6
(-)
DeNA
11255 0.306
(-)
14.5
(↓0.5)
102146
(-)
194
(-)
34
(-)
8
(-)
0.234
(-)
4.630
(-)