朝5時少し前、伯母子峠の避難小屋。この時期の標高1200mの夜中は氷点下だった様で、皆、口々に寒かった…と。
同宿者達が、朝食を調理してたり、伯母子岳の朝日を拝みに行ったりなど三々五々の中、出発です。
この日は何と十津川温泉の宿予約が取れており、そこまで辿り着く事必須な訳ですが、依然本調子とは言えない体調に付き、途中でのペースダウン・停滞が有り得る事を念頭に、お先に出立させて頂きます…、なのであります。
しかもこの先の道中の西中というバス停がその十津川方面で要所に止まってくれるため、保険として活用する選択肢が有り、その停留所の発車時刻14時に余裕を持って到着しておきたい。
そうした点も考えると、昨日のうちに脚を延ばし伯母子岳頂上に行けたのは、時間セーブに寄与している訳です。
 
序盤は道崩落個所が有り、迂回しなさい! 的な注意書きも小屋滞在時に見掛けたのですが、普通に通過できました。
ただ、ザックの肩掛けベルトが肩に食い込んで、ちょくちょく態勢を変えてみるのだけれど、嫌な感触がが付き纏ってくる、というループに悩まされる状況が続きます(涙)。
時折出くわすスポットは、その昔集落だの旅籠だのが有った跡地で、ここは上西家跡。往時の生活ぶりは想像し切れないが、先人と現代人が繋がれる場所の数々、と思っています。
伯母子岳登山口(下ってきた身からすると下山口)に出れました。左折して橋を渡ります。
その先の分岐路で右に行っちまった…(左折でトンネルをくぐる、が正解)
程なくして三浦口バス停があるが、ここ通っていいの? って民家の敷地めいたところに、案内に従って入ります。
程なくして神納川に架かる船渡橋を越えます。この橋のたもとに水場が有りました。
 
こちらはその先をしばらく歩いた三十丁の水。水場には恵まれてる道と言えましょう。
高度が上がって景色も良くなってきました。
標高1080mの三浦峠に到着です。
そういえばこの小辺路は4つの1000m級の峠を越える、というのが中辺路歩きには無かった醍醐味?ですが、前日のうちに二つ済ませて本日のこれは三つ目。しかも朝九時台に消化となったので気分的に楽になるモンですね。
 

時々出会う平坦な道も清々しい。

下りが続き、12時過ぎにこの矢倉観音堂を過ぎると、あと30分ほどで西中バス停に着く…と手元の街道マップに記載があり安堵します。

バス停まであと1.2㎞の表示。この時12:37なので、14時発のバス便に対してはもう楽勝だろうと…
そして気分的には、もう歩かず、バスを使ってしまえー になっておりました。
西中から十津川温泉までの約10㎞の舗装道路は、まあ徒歩なら2時間強。しかしネットで見ると、そこを登山靴で歩いたらとても痛かったとか、下手なプライドを捨ててバス乗っちゃったという様な行動記が結構あったもので、この時の自分の体調不安やら、折角ダイヤに間に合う行程で来れたのだから、利用しなさいというのが神のお告げであろう、と判断してしまった訳であります(笑)。
 
ところが…
そこから先、舗装道路に一旦出てから進むべき山道には通行止め看板が立っていて、ならばその迂回路は…、というのがイマイチ把握できず、右往左往する羽目に。
 
一名、同じ様に彷徨い歩いていた人に声を掛けて、あっちじゃないか・こっちじゃないかやり取りしていくうちに、一人、二人加わり集団になって流浪?していく状況になってしまいました(笑)。
 
結局舗装道路を忠実に下っていくのが正解だという、一名のご見解に従い、13時23分、ようやく付きました。真ん中の建物が商店(酒屋さん)で、手前にバス停が有ります。
結局余裕をもって到着できましたね(彷徨ったときは焦りかけたけど)。缶ビールの自販機が有ったので、何人かでカンパーイ! 脇に有るのは前々日宿泊した九度山・中川旅館で入手しためはり寿司。非常食としていたものをここで頂きました。
停留所前で合流した人の中には、自分は引き続き歩く、という猛者?も二名いらしたのですが、このバスに、やっぱりしんどくなったと途中から乗車してきた別の山人達もいました。よく見れば山小屋で一緒だった人。やはりどこかで抜かされていたんですなー
よくよく考えるとこのバスは、一日三便の、3か月前の中辺路歩きの帰路として乗った日本一長い長距離バス( 八木新宮特急バス)だったのですね。
 
かくして十津川温泉に着いたー
まずは観光案内所に併設されている足湯でじっくり癒します。この時ほど足湯が貴重だと思った事が、今まで有っただろうか?
過去数回、車で来て立ち寄り湯をする程度しかなかった十津川温泉街を此度はじっくり徒歩で徘徊。翌朝以降の食事も地元商店で調達できました。
こんな十津川温泉は嫌だ、と思ったのは川の色がドロドロたった事。三日前(自分が金剛山を歩いていた時)の豪雨が、この辺りでも余程ひどかったのでしょう。何度か訪れた時、こうしたダム地形のフェンスから見下ろしてもコイさんが泳ぐ雄姿なんぞも嗜めた(風流な)印象が強かった処なのですが。
 
 
宿泊先は民宿やまとや。お昼時は釜めし屋さんとして営業している処です。
十津川温泉で一人宿泊できる宿など無いと思ってたが、1か月ほど前に電話予約ができていたのです。GW中であるが5月2日(月)という平日だったからなのでしょうか。
一昨日の九度山・中川旅館のお風呂は暖かいお湯が中々出ず、イマイチだったし、その他二日は野宿/山小屋泊で風呂とは無縁だった…のでこの湯舟に浸かれる待望感のバイアスっぷりと言ったらこの上なし。しかも天下の十津川温泉様ですぜ!
登山客も何人か宿泊していた筈だが、意外にも数回入浴した中でバッティングすることは無かった。
 
依然も味わっていて解ってた事だが、この上品なタマゴ味の硫黄泉は格別ですね。
翌日の携行飲料としてペットボトルでキープもさせて頂いております。
 
夕食は当然の如く、名物の釜めしが提供されました。
やはり、前日の避難小屋同宿者の人がいて、ここでも軽く山談義。
九州在住の百名山達成を目指している人として、アクセス難易度の殊更高い幌尻岳(北海道日高地方)の情報をしきりに尋ねてきてくれたものです。

 

<当日の行程>
伯母子峠(避難小屋)4:57→5:36上西家跡→6:34水ヶ元茶屋跡→7:08待平屋敷跡→7:32伯母子岳登山口→7:49腰抜田石碑→7:56三浦口バス停→8:38吉村家跡跡防風林→9:20三十丁の水→10:19三浦峠10:33→10:55古矢倉跡→11:16出店跡→12:19矢倉観音堂→(少々、道迷い発生)→13:23西中バス停14:00頃→(路線バス乗車)→14:30頃十津川温泉バス停着

 

 

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