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お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ミクロの決死圏

2023-01-26 | 映画(ま行)

◼️「ミクロの決死圏/Fantastic Voyage」(1966年・アメリカ)

監督=リチャード・フライシャー
主演=スティーブン・ボイド ラクウェル・ウェルチ ドナルド・プレゼンス アーサー・ケネディ

少年だった頃、児童書でこの映画が紹介されているのを見た。多分小学館の「なぜなに学習図鑑」じゃないかと思う。潜水艇で人体に入っていくお話がカラー写真付きで紹介されていて、すげえ映画に違いないと心に焼き付けられた。中学生の時分に伯父の家を訪れたら、書斎の本棚にハヤカワ文庫、名だたるSF小説がずらりと並んでいて歓喜。何冊か持って行けと言うので、迷わず選んだのはアイザック・アシモフによる小説版「ミクロの決死圏」だった。映画を初めて観たのもその頃だったかな。

新たに開発された物質をミクロ化する技術。これをさらに発展させる方法を知る科学者を東側から迎えた。ところが到着後襲撃に遭い、脳内に怪我をしてしまう。潜水艇をミクロ化して血管から患部に近づき、レーザーで治療する作戦を実行することになる。ところが5人の乗組員の中にスパイが?

困難な任務というスリルに疑心暗鬼を誘うスリルの相乗効果。危機また危機。そして何よりも誰もが見たことのないミクロサイズから見る人体。SFX技術やCGのない時代に工夫を凝らした映像が面白い。リチャード・フライシャー監督は、常に挑戦的で誰も手がけないような題材にも挑んできた人。

現代医学なら血管内視鏡の技術である程度やれちゃうのでは?と考えてしまう自分がいる。その考え傍に置いとけw。







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2 コメント

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「ミクロの決死圏」について (風早真希)
2023-05-14 10:34:49
かつて、ワクワクしながら観た、懐かしい映画「ミクロの決死圏」のレビューをされていますので、コメントしたいと思います。

東西冷戦時代に、その両陣営で研究を競う、物質ミクロ化技術の秘密を握るチェコの科学者が、鉄のカーテンから亡命するが、途中で撃たれ、脳に重傷を負ってしまう。

そこで、西側陣営の軍部は、治療のために情報部員や医師たちを、原子力潜水艇プロテウスに乗り込ませ、この潜航艇ごとミクロ化し、血管注射で科学者の体内へ送り込むことに-------。

この映画「ミクロの決死圏」の監督は、1950年代から1980年代までの長きに渡り、ディズニー製作の傑作SF「海底二万哩」、実験的な映像表現を試みた「絞殺魔」、戦争大作「トラ・トラ・トラ!」のアメリカ側監督、南部の人種差別を描いた問題作「マンディンゴ」など多種多様な作品を発表した、稀代の職人監督・リチャード・フライシャー。

この映画のミクロ化した人間が、人体に潜入し治療を行なうというアイディアは、わが日本の手塚治虫の漫画作品「吸血魔団」をベースにしていると思われますが、タイム・リミットを生かしたサスペンスやスパイとの攻防戦など、手に汗握る展開も見事ですが、何より素晴らしいのは、L・B・アボットによる特殊効果ですね。

「眼下の敵」での海上砲撃戦から、「タワーリング・インフェルノ」の高層ビル火災まで、ミニチュア模型や光学合成を駆使したL・B・アボットの特殊撮影は、現在の水準から見れば、ローテクニックではあるものの、その豊かなイマジネーションは普遍性があり、実に見事な出来栄えだと思います。

とにかく、一時間たつと縮小効果が薄れ、元のサイズに戻ってしまうという、緊迫したスリリングな状況の中、心臓を通過したりとか、異物排除のために白血球が襲い掛かり、心拍の衝撃で潜水艇が大揺れしたりする、体内のスペクタクル・シークエンスは、ほとんど前衛的とも思える程の強烈な美術イメージに貫かれていて、見事としか言いようがありません。

そして、クルーの一人が敵のスパイで、妨害工作をするなどのエピソードも盛り込まれ、観ていて全く飽きさせませんね。

美術監督のデール・ヘネシーによる白血球や血管、巨大な模型で作られた心臓などのセットも実によく出来ていて、非常に印象的だ。

そして、何と言ってもラクウェル・ウェルチの身体にぴったりあったウェット・スーツ姿は、私を含めた男性映画ファンを大いに喜ばせてくれたと思います。

なお、この映画は1966年度の第39回アカデミー賞の美術監督賞・装置賞(カラー)と特殊視覚効果賞を受賞していますね。
Unknown (tak)
2023-05-16 12:35:59
風早真希さん、コメントありがとうございます😊
ビジュアルの面白さと緊張感のあるストーリーで飽きさせない作品ですね。製作当時にここまで映像化したことは純粋にすごい。技術は時代と共にあるので、比較しないで受け入れてこそ映画ファンだと思います。

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