米テスラが電気自動車(EV)市場で独走を続けている。1/25に発表した2022年12月通期決算は売上高と純利益がそろって過去最高を更新した。電池の内製化などで磨いたコスト競争力を生かし、米国では23年1月中旬に全車種の一斉値下げに踏み切った。
経済状況を考慮すると逆張りといわれる「値下げ」対応で、インフレ下で値上げを余儀なくされているライバルを突き放す構えだ。しかし、クルマの安全、先進技術、特に自動運転「Full Self-Driving」機能には、残念ながら懸念や疑義もあるようだ。
◆高速道路での多重事故発生の原因は、ファントムブレーキか?
2022年11月24日、米サン・フランシスコの高速道路ベイブジッジで、1台の「Tesla Model S」が走行中に突如、車線を変更し減速、ブレーキをかけて停止してしまった。そして、後続の車8台が連鎖反応で急減速、追突事故が発生しました。
この事故に関する報告書が新たに公開されるとして、海外メディアの「The Intercept」がいち早く担当警察署からの事故報告書を入手した。
それによると、事故を起こしたテスラ・モデルSは事故当時、5車線道路の左から2つ目の車線を時速50マイル(約80km)で自動運転走行していたという。しかし、走行中に突然左ウインカーを点灯させて左端の車線に移行、路肩方向へ車両を寄せ、そのまま減速・停車した。そのため、後続の車はこれをよけきれずに次々と追突。計8台の車両が損傷を受け、わずか2歳の子供を含む9人が負傷したという。
突如停止した「Tesla Model S」の運転手は警察に、Teslaから提供された新しい「Full Self-Driving」機能を使用したと語っているという。
イーロン・マスク氏率いるテスラの「自動運転」(Full Self-Driving)のベータ版が提供されてから数時間後にテスラ車がクラッシュしたことになる。
事故の様子を捉えた監視映像からもわかるように、 Tesla Model S は特に理由もなく突然停止した。停止する直前の様子では左端の車線から車両を若干右に動かし停止します。そして後続の直近車両はなんとか衝突を回避しましたが、Teslaの予期しない動作により、その後8台の車両が衝突するという多重事故が発生したものです。
この事故の調査はまだ進行中ですが、Teslaの「ファントムブレーキ」(自動緊急ブレーキが予期せずに作動してしまう不具合のこと)の疑いや関連するソフト不具合問題は、NTSA(National Transport and Safety Authority)の把握する苦情が3か月で100件以上発生しているそうだ。
そして「Bay Bridge事故」の前に、アメリカのマスコミの注目は別の事件にも注目していました。11月18日、オハイオ州(Ohio)で、Tesla Model 3 がブレーキなしに消防の緊急車両に追突した事故です。NTSAは、車両が自動運転モードであると判断し、このケースを調査リストに追加しています。
いま、テスラの「イメージセンサー」に頼る自動運転車両に疑念の目が向けられています。コストアップが避けられないセンサー多重化は、メーカーとしてのテスラが二の足を踏んでいるからだという辛辣な意見もあります。
「コストアップ」イコール「車両価格の上昇を招く」というジレンマはあるが、手を抜くことで絶対に犠牲者を出してはいけない。安全性に向き合うことは必須で、どこまでユーザーが信頼を許容できるかをしっかり検証し考察して、自動運転車両を提供してほしいものです。
なお今般、米ブルームバーグ通信は、テスラのイーロン・マスクCEOが、テスラ車の自動運転に関する取り組み説明に、虚偽の報告をした可能性があるとして、米証券取引委員会(SEC)が調査に着手したと報じた。テスラ車の「自動運転を巡っては、性能を誇張する表現」があるとし、マスク氏に罰金などの処分が科される可能性があるという。
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【 Self-driving Tesla abruptly stops on San Francisco Bay Bridge(The Viral Post) の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=0LTecQHRtXw
【 Surveillance Video Shows Self-Driving Tesla Crash on Bay Bridge(NewsClick) の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=JQGi8f21kgM
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