リカマンの店頭で目について、ランゲのシャルドネも飲まなきゃなと買い入れた1本。確かガヤのシャルドネを試したことはあったよな…という記憶はあるんですが、ブログをさかのぼると、全く同じテヌータ・クッコのシャルドネも前に試してました。前は2017で、今日のこれは2019ですからヴィンテージが2つ進んでるのはせめてもの救い。自分の記憶力の衰えに愕然としつつ、抜栓と行きましょう(笑)。

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バローロDOCGの構成エリアであるセッラルンガ・ダルバの丘の上の集落のてっぺんにセッラルンガ・ダルバ城が立っていますが、この14世紀に建てられた城(要塞)の傍らに「San Sebastiano nel Borgo」というこれまた歴史のある教会があります。この教会自体がテヌータ・クッコの一部になっていますから、セッラルンガダルバの中心にテヌータ・クッコがあると言っても過言ではない感じです。
このエステートは過去所有者がよく変わっていますが、1966年にカッペラーノ家からストロッピアーナ家に売却された際に、ストロッピアーナ家が現在のワイナリーを整備したようです。しかしながら、2015年にテニメンティ・ロッシ・カイロ(Tenimenti Rossi Cairo)という農業系の持ち株会社が取得し現在に至っています。この会社はノヴィ・リーグレ(Novi Ligure)にあるラ・ライヤ(La Raia)というワイナリーが主体になっており、ここのスタッフがテヌータ・クッコの運営にも参画しているようです。

公式ページはさすが大手傘下という感じです。情報は十分。

ワイン紹介もしっかりしています。最新のもの(2020)でしたがデータシートもあります。

・シャルドネ 100%

発酵段階からオーク樽とステンレスタンクに分けられます。熟成もそのまま樽とステンレスタンクで12ヶ月となります。マロラクティック発酵はありません。

作り手訪問ですが、過去にバローロを試したときの画像を再掲します。
CuccoH
セッラルンガ・ダルバ集落の大部分がワイナリーで、周辺の畑もがっつり所有してますね。

シャルドネの畑はどこか不明ですが、ランゲDOCの範囲はこんなに広範囲です。
Langhe_DOC_元
テヌータ・クッコの場所も示しておきました。セッラルンガ・ダルバもバローロDOCGの東側の縁とわかりますね。

ランゲDOCは1994年にDOCになっています。これだけの広大なエリアで、国際品種含め多様な種類が許されています。今日のワインのように「シャルドネ」を表示するには85%以上使っている必要があります。Langhe DOC で認められている品種を挙げておきます。

<黒品種>
・Cabernet Sauvignon
・Merlot
・Nebbiolo
・Barbera
・Dolcetto
・Pinot Nero(Pinot Noir)
・Freisa

<白品種>
・Chardonnay
・Riesling
・Sauvignon Blanc
・Arneis
・Favorita
・Nascetta
・Rossese Bianco

※いずれも、85%以上で品種名が付記できます。

過去触れていない品種の説明をしておくと、まず Rossese Bianco はピエモンテ州では1haしか栽培されておらず、残りも4haがリグーリア州にあるのみです。よってブレンド用ですし、モノセパージュに出会うことはまずないと思います。
Rossese-Bianco

Favorita はロエロに多い土着品種ですが、近年はもっぱらアルネイスに取って代わられているようです。これもリグーリア州にあるピガート(Pigato)と呼ばれる品種と同じとされており、すなわち Vermentino(のシノニム)です。(この3種は同一というDNA分析があります。)ランゲの他は、Piemonte DOC、Colli Tortonesi DOC で使用可です。
Favorita

Nascetta(シノニム:Anascetta、Nas-Cëtta) は、1990年代から復活してきた土着品種で、ランゲDOCのみで使用されますが、現在でも20haほどしか栽培されていません。にもかかわらず、ランゲDOCのサブゾーンに「Nascetta del Comune di Novello」というのがあり、ナシェッタ100%で作らないといけません。(このサブリージョンは5ヶ月の熟成規定あり。Passito の場合は10ヶ月。)もっぱらノヴェッロにしかないことは名前からわかりますね。
Nascetta2
エルヴィオ・コーニョから出ていて日本でも入手可能ですね。(Elvio Cogno Langhe Nascetta del Comune di Novello Anas-Cëtta)


ラベル平面化画像。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.13%。
イエロー。
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リンゴ、バター。
コクは感じますが少し期待したより軽めかな。
後から確認できる酸がバックグラウンドで爽快さを演出。
これはステンレスタンク分が効いてるんでしょうか。
最後まで軽めの印象は拭えないですが十分楽しめました。


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Tenuta Cucco
Langhe Chardonnay 2019
WWWポイント78点



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