すごく久しぶりに東京へ行った機会に南アフリカワイン専門のアフリカ―さんへ初めて行ってきました。あまりじっくり選んでいる時間はなかったので、ネットでよく見かけて評判も良さげだったモヤ・ミーカーのピノ・ノワールをゲットしてきました。早速いただいてみましょう。
モヤ・ミーカーはダーマシーン(Damascene)の別ブランド的な説明がされています。どういうことかというと、もともとカナダ出身のビジネスマンでボルドーのフロンサックにあるシャトー・ガビ―(Château Gaby)も所有していたというデビッド・カール(David Curl)さんが、南アフリカを代表するワイナリーのひとつ、ブーケンハーツクルーフ(Boekenhoutskloof)でチーフワインメーカーをしていたジーン・スミット(Jean Smit)さんとタッグを組んで2018年に立ち上げたのがダーマシーンで、ファーストヴィンテージから大評判。その後、デビッドさんは南アフリカ生まれのジュヌヴィエーヴ・ハミルトン・ブラウン(Genevieve Hamilton-Brown)さんと結婚、エルギン地区(Elgin)にハビビ(Habibi)という農場を手に入れてリンゴと一緒にピノ・ノワールの栽培を始めます。こうして出来たワインに、1959年にミス・南アフリカに選ばれたジュヌヴィエーヴさんの亡き母「モヤ・ミーカー」さんの名を冠したというわけです。ラベルのイラストはモヤ・ミーカーさんなんでしょうね。確かにお美しい。
公式ページはどうやらなさそうで、facebook だけは発見しました。
結局、ワイン詳細はネット情報に頼ることになります。ちなみにTwitterはこれです。
・ピノ・ノワール 100%
時系列がよくわからないですが、ブドウ自体は2010年に植えられているようです。畑は3.12haあり、裏ラベルにもありますが、たった20樽だけのごく少量生産です。ブドウは完全除梗で破砕はなし、過剰な抽出を避けて醸すそうです。円錐形のオーストリア産オークのフードル(2000L)と、新樽率25%のブルゴーニュ産オーク樽(300L)との併用で11ヶ月の熟成です。マロラクティック発酵は樽内で自然発生させているとあります。
さあ、モヤ・ミーカーを訪問しようと思いますが、公式ページもなく、Google Mapでもひっかからないので全く所在不明。エルギン地区にあることだけしか分かりません。
裏ラベルには、Habibi Farm, Valley Road, Elgin 7180と農場の名前と住所が書いてあるんですが、これまたGoogle Mapでひっかかりません。
困ったなと思っていると、先ほどのfacebookに地図が載っていました。
ここにGoogle Mapで行ってみるんですが、果樹園こそあれ、ワイナリー的なものは見当たりませんでした。まあ、この辺りには間違いないんでしょうが、なんともスッキリしませんね。
W.O. Western Cape を俯瞰してエルギン(Elgin)の位置を確認ください。
実はダーマシーン(Damascene)も所在がわかりません。こちらはウェスタン・ケープ中からブドウを探しているようでステレンボッシュ(Stellenbosch)ほか、フランシュフック(Franschhoek)やスワートランド(Swartland)もやっています。
この地図は、SAWIS(SA Wine Industry Information and Systems)のサイトに最新で正確な地図がありまして、そこから拝借しています。今日はこれ以上作り手を深掘りできないので、南アフリカの産地まとめをしておきましょう(笑)。
SAWIS(SA Wine Industry Information and Systems)のサイトの地図は、「Geographical Units」という大括りの南アフリカ全図から始まり、南アフリカの原産地呼称制度「W.O.(Wine of Origin)」が詳しくわかるような一連の地図が揃っています。
W.O. Western Cape は、いくつかの「Region(地域)」に分かれます。
「Coastal Region」と「Cape South Coast」は合わせて「Cape Coast」と呼ばれます。これは Overarching Region といって複数のリージョンにまたがるリージョンです。また、「Coastal Region」には「Cape West Coast」というサブリージョンがあるのがわかります。
(この地図のPDF版はここにあります。)
「Region」はさらに「District(地区)」に分類されます。
ここでお馴染みのステレンボッシュやパールなどが出てきます。これらはディストリクトということですね。今日のウェスタン・ケープの地図はこれをGoogle Mapに重ねています。
(この地図のPDF版はここにあります。)
「District」の下のレイヤーには「Ward(区画)」と呼ばれるエリアがあります。
ウォードはその域内産(100%)のワインなら、単独で W.O. が名乗れます。前に飲んだアタラクシアのシャルドネが、W.O.(Wine of Origin)ヘメル・アン・アールド・リッジ(Hemel-en-Aarde Ridge)とウォードを表示していました。
(この地図のPDF版はここにあります。)
「W.O. Western Cape」の「Region - District - Ward」の関係を表にまとめたのが以下になります。ディストリクト(District)に属さないウォード(Ward)も結構ありますね。
この情報は Wines of South Africa (WOSA) のサイトにあるPDFから拝借したもので、一応これが公式で最新の情報のようですね。変更点の例としては、Constantia が単独の District ではなくなり、Cape Town の中に含まれてしまったり、Cape Point(Cape Peninsula)が2017年に廃止されて、Cape Town と一体化したりしています。また、Tygerberg というのも同じく2017年に廃止されています。南アフリカに限らず、ワイン産地は生き物ですね。最新情報はどんどん変わっていきます。チェックを怠らないようにしないといけません(笑)。
ラベル平面化画像。
余白の多いラベルは撮影に難儀します。
インポーターマスダのシールはこの無神経さです。
南アフリカワイン専門をうたう割には…困ったもんです。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
コルクにもモヤ・ミーカーさんのご尊顔が。
Damascene
モヤ・ミーカーはダーマシーン(Damascene)の別ブランド的な説明がされています。どういうことかというと、もともとカナダ出身のビジネスマンでボルドーのフロンサックにあるシャトー・ガビ―(Château Gaby)も所有していたというデビッド・カール(David Curl)さんが、南アフリカを代表するワイナリーのひとつ、ブーケンハーツクルーフ(Boekenhoutskloof)でチーフワインメーカーをしていたジーン・スミット(Jean Smit)さんとタッグを組んで2018年に立ち上げたのがダーマシーンで、ファーストヴィンテージから大評判。その後、デビッドさんは南アフリカ生まれのジュヌヴィエーヴ・ハミルトン・ブラウン(Genevieve Hamilton-Brown)さんと結婚、エルギン地区(Elgin)にハビビ(Habibi)という農場を手に入れてリンゴと一緒にピノ・ノワールの栽培を始めます。こうして出来たワインに、1959年にミス・南アフリカに選ばれたジュヌヴィエーヴさんの亡き母「モヤ・ミーカー」さんの名を冠したというわけです。ラベルのイラストはモヤ・ミーカーさんなんでしょうね。確かにお美しい。
公式ページはどうやらなさそうで、facebook だけは発見しました。
結局、ワイン詳細はネット情報に頼ることになります。ちなみにTwitterはこれです。
・ピノ・ノワール 100%
時系列がよくわからないですが、ブドウ自体は2010年に植えられているようです。畑は3.12haあり、裏ラベルにもありますが、たった20樽だけのごく少量生産です。ブドウは完全除梗で破砕はなし、過剰な抽出を避けて醸すそうです。円錐形のオーストリア産オークのフードル(2000L)と、新樽率25%のブルゴーニュ産オーク樽(300L)との併用で11ヶ月の熟成です。マロラクティック発酵は樽内で自然発生させているとあります。
さあ、モヤ・ミーカーを訪問しようと思いますが、公式ページもなく、Google Mapでもひっかからないので全く所在不明。エルギン地区にあることだけしか分かりません。
裏ラベルには、Habibi Farm, Valley Road, Elgin 7180と農場の名前と住所が書いてあるんですが、これまたGoogle Mapでひっかかりません。
困ったなと思っていると、先ほどのfacebookに地図が載っていました。
ここにGoogle Mapで行ってみるんですが、果樹園こそあれ、ワイナリー的なものは見当たりませんでした。まあ、この辺りには間違いないんでしょうが、なんともスッキリしませんね。
W.O. Western Cape を俯瞰してエルギン(Elgin)の位置を確認ください。
実はダーマシーン(Damascene)も所在がわかりません。こちらはウェスタン・ケープ中からブドウを探しているようでステレンボッシュ(Stellenbosch)ほか、フランシュフック(Franschhoek)やスワートランド(Swartland)もやっています。
この地図は、SAWIS(SA Wine Industry Information and Systems)のサイトに最新で正確な地図がありまして、そこから拝借しています。今日はこれ以上作り手を深掘りできないので、南アフリカの産地まとめをしておきましょう(笑)。
SAWIS(SA Wine Industry Information and Systems)のサイトの地図は、「Geographical Units」という大括りの南アフリカ全図から始まり、南アフリカの原産地呼称制度「W.O.(Wine of Origin)」が詳しくわかるような一連の地図が揃っています。
「Geographical Units」では、お馴染み「Western Cape」の位置づけがわかりますね。
(この地図のPDF版はここにあります。)W.O. Western Cape は、いくつかの「Region(地域)」に分かれます。
「Coastal Region」と「Cape South Coast」は合わせて「Cape Coast」と呼ばれます。これは Overarching Region といって複数のリージョンにまたがるリージョンです。また、「Coastal Region」には「Cape West Coast」というサブリージョンがあるのがわかります。
(この地図のPDF版はここにあります。)
「Region」はさらに「District(地区)」に分類されます。
ここでお馴染みのステレンボッシュやパールなどが出てきます。これらはディストリクトということですね。今日のウェスタン・ケープの地図はこれをGoogle Mapに重ねています。
(この地図のPDF版はここにあります。)
「District」の下のレイヤーには「Ward(区画)」と呼ばれるエリアがあります。
ウォードはその域内産(100%)のワインなら、単独で W.O. が名乗れます。前に飲んだアタラクシアのシャルドネが、W.O.(Wine of Origin)ヘメル・アン・アールド・リッジ(Hemel-en-Aarde Ridge)とウォードを表示していました。
(この地図のPDF版はここにあります。)
「W.O. Western Cape」の「Region - District - Ward」の関係を表にまとめたのが以下になります。ディストリクト(District)に属さないウォード(Ward)も結構ありますね。
Region | Subregion | District | Ward |
Cape South | - | Cape Agulhas | Elim |
Coast | Elgin | - | |
Lower Duivenhoks River | - | ||
Overberg | Elandskloof/Kaaimansgat | ||
Greyton | |||
Klein River | |||
Theewater | |||
Plettenberg Bay | - | ||
Swellendam | Buffeljags | ||
Malgas | |||
Stormsvlei | |||
Walker Bay | Bot River | ||
Hemel-en-Aarde Ridge | |||
Hemel-en-Aarde Valley | |||
Sunday’s Glen | |||
Springfontein Rim | |||
Stanford Foothills | |||
Upper Hemel-en-Aarde Valley | |||
- | Herbertsdale | ||
Napier | |||
Still Bay East | |||
Coastal | - | Cape Town | Constantia |
Region | Durbanville | ||
Hout Bay | |||
Philadelphia | |||
Cape West Coast | Darling | Groenekloof | |
- | Franschhoek / Franschhoek Valley | - | |
Cape West Coast | Lutzville Valley | Koekenaap | |
- | Paarl | Agter-Paarl | |
Simonsberg-Paarl | |||
Voor-Paardeberg | |||
Stellenbosch | Banghoek | ||
Bottelary | |||
Devon Valley | |||
Jonkershoek Valley | |||
Papegaaiberg | |||
Polkadraai Hills | |||
Simonsberg-Stellenbosch | |||
Vlottenburg | |||
Swartland | Malmesbury | ||
Paardeberg/Perdeberg | |||
Paardeberg South | |||
Piket-Bo-Berg | |||
Porseleinberg | |||
Riebeekberg | |||
Riebeeksrivier | |||
Cape West Coast | St Helena Bay | ||
- | Tulbagh | - | |
Wellington | Blouvlei | ||
Bovlei | |||
Groenberg | |||
Limietberg | |||
Mid-Berg River | |||
Cape West Coast | - | Bamboes Bay | |
Lamberts Bay | |||
Breede River | - | Breedekloof | Goudini |
Valley | Slanghoek | ||
Robertson | Agterkliphoogte | ||
Ashton | |||
Boesmansrivier | |||
Bonnievale | |||
Eilandia | |||
Goedemoed | |||
Goree | |||
Goudmyn | |||
Hoopsrivier | |||
Klaasvoogds | |||
Le Chasseur | |||
McGregor | |||
Vinkrivier | |||
Zandrivier | |||
Worcester | Hex River Valley | ||
Nuy | |||
Scherpenheuvel | |||
Stettyn | |||
Klein Karoo | - | Calitzdorp | Groenfontein |
Langeberg-Garcia | - | ||
- | Cango Valley | ||
Koo Plateau | |||
Montagu | |||
Outeniqua | |||
Tradouw | |||
Tradouw Highlands | |||
Upper Langkloof | |||
Olifants River | - | Citrusdal Mountain | Piekenierskloof |
Citrusdal Valley | - | ||
- | Spruitdrift | ||
Vredendal | |||
- | - | Ceres Plateau | Ceres |
Prince Albert | Kweekvallei | ||
Prince Albert Valley | |||
Swartberg | |||
- | Nieuwoudtville | ||
Cederberg | |||
Leipoldtville-Sandveld |
ラベル平面化画像。
余白の多いラベルは撮影に難儀します。
インポーターマスダのシールはこの無神経さです。
南アフリカワイン専門をうたう割には…困ったもんです。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
コルクにもモヤ・ミーカーさんのご尊顔が。
Alc.13%。
綺麗なルビー。
ラズベリー、ブルーベリー。
佃煮香も。
辛口アタック。
ブルゴーニュ的な旨味はあり、
同系ながらクリアで軽めの印象。
充分楽しめるけど、深みがもう少し欲しいかな…
なんて思いながら2日目もう一度飲むと、
大化けしてて、むっちゃうまい。
これを皆さん言ってたのね(笑)。
大化けしてて、むっちゃうまい。
これを皆さん言ってたのね(笑)。
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Damascene
Moya Meaker
Elgin Pinot Noir 2021
Elgin Pinot Noir 2021
RRWポイント | 92点 |
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