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デアゴF1コレクション最終号はみんな大好きミナルディのPS01!初めて観たF1マシン

デアゴスティーニのF1マシンコレクションはixo製1/43のF1ミニカーが付属する小冊子。

2017年1月の創刊以来、歴史的な名車やなかなかモデル化されなかった迷車など、数多くのマシンが発売されてきました。

人気があったシリーズだけに何度かのシリーズ延長をしましたが、2022年9月発売の第150号で終焉を迎えました。

大のF1ファンでミニカー大好きの私も定期購読をしていて、第1号のマクラーレンMP4/4から毎号楽しみにしていただけに、終了が残念でなりません。

そんな最後のマシンはミナルディPS01。

ミナルディといえばF1ファンの多くに愛されたチームでしたが、このマシンは私個人としても非常に思い入れのあるマシンなんです。

今回はそんなデアゴスティーニF1マシンコレクションの最終号のミニカー、ミナルディPS01を詳しく見ていきたいと思います。

初めて走るマシンを観た時の感動

みなさんは走るF1マシンを観たことがありますか?

私が初めて走るF1マシンを観たのが2001年の日本グランプリ。

1990年から毎グランプリをテレビで視聴し、展示されたF1マシンも何度も観てきましたが、走るF1マシンを観たのがこの時が初めてでした。

そんな2001年の土曜午前のフリー走行で、鈴鹿のグランドスタンドと最終コーナースタンドの間から超甲高いV10エンジンを轟かせて私の前を走り去って行ったのがピカピカのブラック塗装を施した2台のミナルディPS01でした。

テレビでは知り得なかったマシンの圧倒的な爆音と、展示マシンでは感じ得なかったピカピカに磨かれたF1マシンの輝きに驚き、夢を見ているくらい感動をしたのを覚えて、それ以来毎年F1観戦に出かけることになったのでした。

そう、私にとってミナルディPS01は初めて観たF1マシン。

デアゴスティーニF1マシンコレクションの最終回は私にとって一番思い入れのあるF1マシンなのです。

ミナルディPS01とは?

さて、そんなミナルディの2001年マシン、ミナルディPS01を詳しく見ていきましょう。

DATA
  • マシン名:ミナルディPS01
  • デザイナー:グスタフ・ブルナー
  • エンジン:ヨーロピアンコスワースV10 NA
  • 燃料:エルフ
  • タイヤ:ミシュラン
  • ドライバー:タルソ・マルケス→アレックス・ユーン、フェルナンド・アロンソ

マシン名のPSとは消滅寸前だったミナルディをこの年買収したポール・ストッダートのイニシャルです。ちなみにそれ以前はジャンカルロ・ミナルディのMのイニシャルをマシン名に冠していましたね。

エンジンはフォードコスワースのゼテック-Rを搭載していましたが、ストッダートが経営するヨーロピアン航空にちなみヨーロピアンというバッジネームが付けられました。

このマシンをデザインしたのはグスタフ・ブルナー。

ミナルディの他にはフェラーリやトヨタ、レイトンハウスなどで活躍したデザイナーですね。

ミニカーで見るミナルディPS01

それではミナルディPS01のミニカーをじっくり見ていきましょう。

こちらがixo製のミナルディPS01。

前年からの明るいイエローのカラーから一転、ブラックとホワイトのモノトーンカラーになりました。

前後ウイングとサイドポッドには大きく『EUROPEAN』のロゴ。前述したとおりこの年からポール・ストッダートがミナルディを買収し、彼が経営するヨーロピアン航空のロゴが入ります。

PS01の特徴はモノコック前端付近からびろーんと横幅になるフロントセクション。

同年の他のマシンはノーズからモノコック前端にかけてスラーっと細長い形状をしていましたが、ミナルディのマシンは1990年代の旧態然とした形状を引きずっているようです。

またフロントサスペンションに珍しいプルロッド式を採用。

それ以外の特徴といえばギアボックス。

前年のM02で初めて採用されたチタン製鋳造キアボックスを引き続き採用し、マシンの軽量化に寄与しました。

通常下位チームはトップチームが採用したアイデアを翌年にコピーすることが多いのですが、ミナルディは界チームでありながらもしっかりと独自の技術を取り入れていました。

イタリアのチームだから多くのF1チームが本拠にするイギリスの情報が遅かっただけ?なんてことはないですよね・・・。

エンジンはヨーロピアンの名を冠したバッジネームでしたが、中身は3年落ちのフォードコスワースゼテックR。

開発凍結などないこの時代に3年落ちではまったく勝負になるはずもなく、この年は(も?)コンストラクターズ選手権で最下位になってしまいました。

ドライバーはタルソ・マルケス選手(第15戦からアレックス・ユーン選手)とルノー契約下ながらレンタルのフェルナンド・アロンソ選手。

そう、後の2度の王者、アロンソ選手のデビューマシンです。

ちなみにこの年デビューした新人は、

  • フェルナンド・アロンソ
  • ファン・パブロ・モントーヤ
  • キミ・ライコネン

まさに新人当たり年のシーズンでしたね。

アメリカでチャンピオンになり実績十分でF1に参戦したモントーヤ選手と、F3をもすっ飛ばしてF1に参戦したライコネン選手の影に隠れたアロンソ選手が一番地味でしたが、彼が一番結果を出しました。

それにしても2001年デビューでまだ現役・・・スゴすぎる!

ただアロンソ選手の腕を持ってしても、走らぬマシンでは実績が残せず最上位はドイツグランプリの10位(マルケス選手は棚ぼたの9位が2度あり)。

しかしながらチームメイトのF1経験者マルケス選手には予選でほぼ完勝と、19歳の新人は才能の片鱗を見せるのでした。

最後はちょっとアロンソ選手の話題となってしましましたが、ミナルディPS01のミニカーを見ながらマシンを振り返ってみました。

最後に

冒頭でも書いたとおりミナルディといえばF1関係者はもとより、多くのF1ファンに愛されたイタリアのチームでした。

生前のアイルトン・セナ選手がミナルディのモーターホームに足繁く通い、ご自慢のパスタを好んで食べていたのは有名な話です。

そんなミナルディは文中でも書いたとおり2001年にポール・ストッダートに買収されながらも厳しい台所事情の中でなんとかやりくりをしてきましたが、2005年にストッダートはチームを売却することになります。

その売却先がレッドブル。

レッドブルは前年にジャガーを買収してチームを立ち上げると、このミナルディをスクーデリアトロロッソと名前を変えレッドブルのジュニアチームとして存続させました。

トロロッソは2020年からアルファタウリの名称を変更。

そう、角田裕毅選手が所属するこのチームのルーツはファエンツァのミナルディなのです。

ということで今回は以上。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。