今日はお陽さまが
雲の間を出たり入ったりのお天気ですが、
まだ雨は降っていません。
根津美術館へ
今回の東京滞在中に絶対行きたいと思っていたのが、
根津美術館で開催中の
「国宝・燕子花図屏風〜デザインの日本美術」展。
ここへ来るとまずこの光景が迎えられます。
根津美術館に来たことを実感し、
今から魅惑の世界に入っていける、
という気持ちになります。
この展覧会は、日本美術の中でも
多くの人が一度は何かで目にしたことがある
「燕子花図屏風」の展示が一番の目的です。
今までも国宝展などで何度か観ていますが、
やはり公開される度に会いたくなる、
という気持ちになります。
江戸時代の絵師、尾形光琳によるこの作品は、
金地に群青と緑青のみで描かれています。
ダイナミックな色とリズミカルな構図からの
圧倒的な存在感は、
誰にも伝わると思います。
色彩でいうと、群青と緑青、
そして、金という配色から
ゴッホを感じますが、
きっとゴッホが影響を受けたのでしょう。
私自身は、色彩をメインに見ると、
現実と非現実の境界に佇んでいるように感じます。
人物が描かれてはいませんが、
『伊勢物語』の第九段、カキツバタの名所である
「八橋」の場面を想起させると。
尾形光琳のこの感性は、
京都の呉服商で生まれ育ち、
常に華麗な衣装紋様に自然に親しんできて、
自然に身につけていたと思われるようです。
また、光琳の弟である尾形乾山の作品も
展示されていました。
乾山は自ら作品を作るだけでなく、
絵画、陶芸、蒔絵などの
デザイナーであったと言われています。
（図録より）
他にも素晴らしい作品を鑑賞できました。
中でも「四季草花図屏風」は「伊年印」と記されたのは、
俵屋宗達工房の作品。
当時、人気があったようですよ。
和歌と物語のデザインとして、
尾形切と言われるもので、
「伝 藤原公任」の書はやさしくて。
大河ドラマの「光る君へ」の
藤原公任を思い出しながら見ていました。
それにしても江戸時代の日本美術は
本当に興味深いです。
それまでの絵の技法、表現、構図、色彩など
シンプルでありながらも深みを感じます。
デザインと呼ぶことがピッタリだと。
根津美術館は庭園も楽しめます。
このカキツバタが咲いていたら、
もっと嬉しかったな、と思いながら。
すっかり新緑の季節になり、
都会にいるとは思えない静寂と自然を感じました。
ちょっと美術に触れてみたいなと思う方、
あまり興味ないけど、と思う方も
ぜひ、足を運ばれてはいかがでしょうか？
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