▼ 1975年当時の医療費は、ひとりあたり月額1200円ぐらい
1975年、潰瘍性大腸炎の患者が965人だったころ、治療薬はサラゾピリン®やステロイドぐらいしかありませんでした。ということは、治療費は、月額現在の価格だと1200円ぐらい。
▼ 2022年 生物学的製剤は、月額だと一人当たり6万円から38万円
2022年、治療費は、患者が全額負担すると、月額アサコール®だと4400円、生物学的製剤だと6万円から38万円でした。
高額な生物学的製剤を使っている患者数は、不明です。
▼ 2022年の生物学的製剤の市場価格 480億円
予測1)
2022年の医療受給者証の交付件数は、14万件。中症、重症患者が多い。
5万人が毎月、生物学的製剤(平均8万円)を使っているとします。これだと年間いくら?
5万人×平均値8万円×12か月=480億円
株投資会社が意気込んで株投資家に製薬会社への投資アピールしているわりには、ちょっと低いような気がして不安。
予測2)
2007年、厚労省の発表では、潰瘍性大腸炎の軽症者は63%、中症者は28%、重症は3%、劇症0.3%、不明0.6%でした。
◎図 潰瘍性大腸炎の症状度と医療受給者証
軽症の患者は、医療受給者証の交付の条件に当てはまらず、対象外になります。ただし、医療費が高額になると交付を受けられます。
中症と重症は、助成を受けられます。
これを2022年に当てはめてみます。
全患者数は28万人。
中症と重症者は31%で8万人。
医療受給者証の保持者は14万人。
生物学的製剤の利用者は20%で、その他を11%と推計。
5万6千人×平均治療費8万円x12か月=537億6千万円=約540億円
予測3)
2020年の国内の薬の売上高です。
ヒュミラ® 主にリウマチ用 520億円
レミケード® 主にリウマチ用 454億円
シンポニー@ 主にリウマチ用 423億円
プログラフ 免疫抑制剤 407億円
ステラーラ® 乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎 515億円 (2021年)
エンタイビオ® 潰瘍性大腸炎/クローン病 売上高トップ20に入っておらず不明。
ヒュミラ®、レミケード®、シンポニー@は、リウマチの患者が多用しています。
2022年のリウマチの患者は70万人。リウマチの患者の20%~30%が、生物学的製剤を使用。
つまり14万から21万人。
潰瘍性大腸炎/クローン病で3製剤を使っているのは4万人とすると、3製剤の売上高のうち潰瘍性大腸炎が20%。(ざる計算)
プログラフは10%
ステラーラ®は60%
合計620億円 (ざる計算)
エンタイビオ®は、主に潰瘍性大腸炎/クローン病用。300億円ぐらいか。
総合計900億円 (大ざる計算)
▼ 2027年の医療費
潰瘍性大腸炎の生物学的製剤の治療費は、最低480億~最高900億と推測されます。
医薬品会社への株投資家への情報提供サービス会社は、2027年には、日本の市場は5%拡大すると予想しています。
620億円×5%=31億円。
31億円÷(10万円×12か月)=2万5千人
これは、生物学的製剤を必要とする重症、中症患者が2027年には、2万5千人増える、または、新開発される薬の販売価格がさらに高額になることを表しています。
▼ 2027年に給付金を受けられるのは、高額医療の生物学的製剤の利用者が大部分に?
◎ 2022年
総人口: 1億2780万人
潰瘍性大腸炎の総患者数: 推計28万人
指定難病給付金の交付件数: 予定/12万7800人 (0.1%)
実際/14万人 (0.13%)
月額6万円以上の薬剤がかかる患者数: 憶測8万人)
◎ 2027年
総人口: 推定1億2000万人
潰瘍性大腸炎の総患者数: 推定34万人
指定難病給付金の交付件数: 予定/12万人 (0.1%)
月額6万円以上の薬剤がかかる患者数: 憶測10万5千人)
◎ 憶測の結論
2027年になったとき・・・
- ペンタサ®、アサコール®、リアルダ®、ステロイドを常用する患者は、交付金を受けることが困難になる。
- 軽症はすべて対象外になり、中症と重症だけになる。
- 中症の基準は、現行は軽症と重症の間ですが、高・中・低のような基準が設けられるかもしれない。
- 月額平均〇円以上/年間合計金額〇円以上でないと、交付金を受けることが困難になる。
- 生物学的製剤を定期的に必要なケースがほとんどになる。
もしもそうなったら、どうしたらよい?
https://www.mochida.co.jp/believeucan/livewell/12.html