「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

久しぶりの「JBLサウンド」

2022年11月30日 | 魔笛談義

前々回の「シンバルの響きが聴きたいばかりに」の続きです。



いつもイギリス系のSPユニットを聴いていると、お国柄を反映しているのか、いかにも思慮深い「紳士=ゼントルマン」という印象を受けるが、たまには「カリフォルニアの晴れ渡った青空」のように明るくて陽性なサウンドも聴きたくなる。

カリフォルニアには行ったことがないが「JBLサウンドの形容詞」としてよく使われているので、つい・・(笑)。

方向性としては二つある。

JBLとはいいながら「クラシックも聴ける和洋折衷したような音」が一つ、もう一つは「ジャズの方により比重がかかった音」

前者のケースはこれ。

1 「D123(フルレンジ)+075ツィーター」の組み合わせ

後者のケースはこれ。

2 「D123(~1000ヘルツ)+175ドライバー(2000ヘルツ~)の組み合わせ

まず、1から取り組んでみた。

グッドマン指定の「ARU」(背圧調整器)が付いた箱に内蔵する「D123」というだけでも興味が湧きませんか?(笑)

で、どの真空管アンプと組み合わせるかさっそくチャレンジ開始。


アンプとスピーカーのマッチングはオーディオ最大の課題であり、楽しみでもある。

この際はあえて日頃から出番の少ないアンプにチャンスを与えることにした。言い換えるとイギリス系のSPに一敗地にまみれた「敗者復活戦」ともいえる。

まあ、ジャズ系の音の再生は何でもありだし、もったいない精神も当然ある・・(笑)。

で、最終的に「D123」用のアンプは「6FQ7プッシュプル接続」で決まり。



ご覧のとおり中央の整流管「5V4G=GZ32」(RCA)を除いて「ミニチュア管」のオンパレードである。出力もせいぜい1ワットクラスだと思うがこんなアンプで大丈夫なの?

ところが力強い低音も含めて堂々たる音が出るんですよねえ。もう信じられないほど。イギリス系のユニットでは激しいアタック音のときにパワー不足でクリップしていたのに~。

一因として「D123」の能率が100db前後と高いこと、それにプッシュプルアンプなので「トルク」が強いこと、かなと推測している。

ちなみにミニチュア管の紹介をしておくと上段の「出力管」が「6FQ7」(クリアトップ:RCA)、下段の「前段管」が「13D9」(BRIMAR=STC」という構成。出力トランス(プッシュプル用)はアメリカの名門「TRIAD」である。

次にツィーターの「075」を駆動するアンプは「71Aシングル」。



このアンプを改造していただいたNさん(大分市)から「電源トランスの容量が小さいので、前段管(AC/HL)の能力を十分発揮できません」と、冷たい宣告をされたアンプだが、ツィーターの「075」の能率が「110db」とメチャ高いのでようやく出番がやってきた。

このコンビで聴いてみると、やはりイギリス系のサウンドとは違和感があって、最初は戸惑ったがそのうち慣れてきた。

「D123」のコーン紙のカーブが浅いのでタメがなくストレートに音が出てくる感じ。「原音再生」というポリシーを持つ方なら、こちらの方に軍配を上げるかもしれない。

いずれにしてもシンバルの響きは予想通りで、まったく見事としか言いようがない。

イギリス系の音が「湿り気のある情緒系のサウンド」としたら、JBLは「乾いた気質のサウンド」ともいえるが、やはりこれはこれなりの良さがありますね。

次に2へ行こう。道具立てはそろっている。



以下、続く。



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