「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管アンプの競演~その1~

2022年05月24日 | オーディオ談義

もう50年以上にわたって彷徨してきた我が家のオーディオだが、ようやく大団円を迎えつつあるような気がしている。

これまでの経験上、どんなシステムもじっくり聴いてみるとそのうちアラが見えてきたものだが、今回ばかりは聴けば聴くほどに魅力が増していく。

ただし、肝心の本人の「耳の機能」が衰えたせいかもしれないが(笑)。



とはいえ、一部の隙もなくどこか弄りようがないというのも、何だか淋しい話になる。

で、無理やりにでも唯一の残された可能性にチャレンジしてみることにした。

ウェストミンスターに内蔵している「スーパー12」(口径30cm)を駆動するアンプを勢揃いさせて1台づつ実験しようというものだ。

いわば相性テストで「本来の性能」に加えてそのアンプが持つ「独自の個性」を大いに発揮してもらおうという算段になる。

対象となるアンプを挙げてみると一定のパワーが必要なので次の6台が資格を持っている。

「WE300Bシングル」「PP5/400シングル」「71Aプッシュプル」「2A3シングル」「6AR6シングル」「EL34プッシュプル」

自分でいうのも何だが、すべてのアンプともかなりの「粒ぞろい」なので簡単に優劣をつけがたい気もするが、やっぱり実際に試してみなくちゃ分からん(笑)。

もちろん、前段機器となる「DAC」(3台)や「プリアンプ」(3台)との相性があるので1台当たり少なくとも慎重に見積もっても1日以上はかけてみなくてはなるまい。

試聴のポイントをざっと挙げてみると、

★ スピーカーの存在感を感じさせず音楽に浸れる音

★ 長時間(少なくとも5時間以上)連続して聴いても疲れない音

★ 両方のSPの間にきれいに仮想空間、いわばステージ(舞台)が広がってどこまでも奥行感を感じさせる音。

と、いったところかな。

なお、考慮すべき点といえば5000ヘルツ以上の高音域は「71Aシングル+スーパー3」というコンビが控えているので、その帯域がカブらない意味から高音域がさほど伸びていないアンプが好ましいことになる。

では、試聴した順番でいこう。


1 71Aプッシュプルアンプ



日頃めったに出番がないアンプだが、インターステージトランスは「パーマロイコア」が使ってあり、出力トランスは名門「ピアレス」ということで、素性がいいアンプである。

出力は「プッシュプル方式」なので2~3ワットぐらいかな。

結論からいくと、好感度が10点満点で9点といったところでとても聴きやすく大いに気に入った。

高音域(5000ヘルツ以上)とのつながりがとても良好で、やはりアンプが「71A系」の同系統というのが功を奏している感じ。

もう少し深々とした奥行感を感じさせてくれれば満点といったところだが惜しい!

 WE300Bシングルアンプ



前段管が「071」(ARCTURUS)、出力管が「WE300B」(1988年製)で出力は5ワット前後といったところ。

インプット・トランスが「HAー100X」(UTC)、インターステージトランスが「HA-106」(UTC)だから、かなり凝っていると自負している。

言い換えると、我が家のアンプの中で一番お金がかかったアンプなので当然のごとく注文もきつくなる。

たとえて言えば年棒の高いプロ野球選手がそれなりの働きをしないとバッシングを受けるようなものかな(笑)。

なのに、結論から言えば好感度が8点といったところでガッカリ。

周辺機器との相性がイマイチで、他のアンプとのマッチングが難しい感じを受けた。やはり孤高のタイプかな。

さらにいえば、すごく端正な音だけどやや緊張感を強いてくる印象も受けた。

いわば、「ちょっと聞き」は抜群だけど長時間だと疲れてくるので試聴にお見えになった「お客様」用のアンプともいえる。

むしろ、他のSPのたとえばやや緩めのサウンドを持った「トライアクショム」(グッドマン)あたりには大いに威力を発揮しそうだ。

とにかく「元」を取らないとね(笑)。

こういった調子で「雨夜の品定め」ならぬ「薫風下の品定め」が続く。

残り4台については次回へ~。

最後にベストアンプを選出します。



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