去る土曜日の午後(14日)、久しぶりに(40日ぶりくらいかな~)、近くにお住いのオーディオ愛好家「Y」さんに来ていただいた。
3月~4月にかけての心臓のカテーテル手術後の自粛やゴールデンウィークには娘が帰省したりしてなかなか日程の折り合いがつかなかった。
そして、今回来ていただいた目的はこのほど改造してもらった「71Aアンプ」の「1号機」と「2号機」の凄さを実際に体験していただこうという虫のいい魂胆だった。
これまでの経験上、こういう謙虚さに欠ける不純な動機の時はおおむね期待外れに終わるのが関の山だが(笑)、今回はどうやら目的を果たせたようだ。
「71Aという真空管は音声信号に対するスピードが速いですね、それにとても素直で繊細な音質です!思い切ってインターステージ・トランスを外した改造がうまくいきましたね。」と、Yさん。
「よくできた回路だとインターステージ・トランスは必ずしも必要ではないようですよ。音が伸び伸びとしてきました」
それでは当日の状況を振り返ってみよう。
最初に聴いていただいたのはこのほど新装なった「ウェストミンスター+175ドライバー」。
ウェストミンスター(1000ヘルツ以下)には「2A3シングル」アンプを、175(1000ヘルツ以上)には「71Aシングル2号機」をあてがった。
たまたまYさんが持参されたCDがジャズ・サウンドだった。
「いいですねえ!さすがにJBLの175だけあってジャズにはもってこいで、シンバルの響きが見事です」
と、ここまでは良かったのだがクラシック音楽に代えてから様相がおかしくなった。「どうもハーモニーが不自然のような気がします。ネットワーク用として使ってあるコイルのせいじゃないでしょうか」とのご指摘。
「まあ、1つのスピーカーシステムで万能というわけにはいかないでしょう。どうしても音楽ソースに対して得手不得手がありますからね~」
で、早々に切り上げて次のスピーカーに移った。
「デッカのリボン型ツィーターを聴かせていただけませんか」「ハイ、いいですよ」
フルレンジで鳴らしている「スーパー10」(ワーフェデール:口径25cm)にはアンプ「071シングル1号機」をあてがい、デッカには「71Aシングル2号機」をあてがった。
「これは素晴らしいサウンドですね。デッカがスーパーツィーターとして見事に利いてます。071アンプとスーパー10の組み合わせも言うことなしです。スーパー10はコーン型なのに赤帯マグネットのせいかホーン型のように音が飛んできますね。こういう音を聴くと、つくづくオーディオはスピードだと実感します」と、満足この上ないご様子。
2台の71A系統のアンプを十分に堪能していただいてから最後に、Yさんお好みの真打「AXIOM80」(オリジナル版)の登場となった。
駆動するアンプは「071シングル1号機」を選択。前段管が「AC/HL」(英国マツダ:初期版)なので、こちらのアンプの方が太めの音が出て「AXIOM80」と相性がいいような気がする。
で、試聴結果だが、これ以上(絶賛の嵐に)「屋上屋を重ねることもあるまい」(笑)。
今回は3時間あまりの試聴だったが「ウェストミンスター+175」に若干の問題点を遺しながら、メデタシ、メデタシのうちに大団円を迎えた。
で、Yさんが辞去された後に近所をせっせとウォーキングしている最中に「ウェストミンスター・・」について、ふとアイデアが浮かんだのでさっそく試してみることにした。
「浜の真砂(まさご)は尽きるとも 世にオーディオの種は尽きまじ」(笑)
以下、続く。
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