ゆるい職場 若者の不安の知られざる理由

読書

「ゆるい職場 若者の不安の知られざる理由」を読み終えた。
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著者はリクルートワークスで、学生や若手社会人の就業や価値観の変化を検証、研究しているそうだ。タイトルが面白そうだったので購入。
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[早期離職率] 初職就業後3年以内の離職率のこと
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日本社会は今後本格的な若者人口の減少の局面を迎える。2008年に120万人台に突入した18歳人口は15年近く120万人前後で推移しており2020年も117万人であった。しかし2030年代前半には100万人を割ると推定されている。
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「仕事がきつくて辞めたい」と思っている若者と並んで、「仕事がゆるくて辞めたい」と思っている若者が多数存在している。全体を総合すれば「会社のことはゆるくて好きだが、キャリアは不安なので退職を考えている」という若手の存在が浮かび上がる。
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ORIGINALS 誰もが人と違うことができる時代
「ORIGINALS 誰もが人と違うことができる時代」を読み終えた。 個人的には今年読んだ本の中でベスト3に入る本だった。 . . ■ . 今の時代は個人が集団と対等に戦える武器がほぼ無料で手に入る時代で、情報が瞬時に共有できない昔の人なら眉をひそめていたであろう、どんなにニッチな物、事、生き方、趣味、性格、性癖までもが強みに変換できて、そこからさらにマネタイズまでできてしまう...

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入社前に社会的経験が多いと「見切り」が早い。
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社外活動を経験している人のほうが会社への評価が高い。一方で、外を見て自社のことは好きになるが転職率は上がる。
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ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」を読み終えた。 . . 著者は文化人類学者で、この人の本は初めて読んだ。 . ブルシットジョブとは . 「その仕事にあたる本人が、無意味であり、不必要であり、有害であると考える業務から、主要ないし完全に構成された仕事である。それらが消え去ったとしてもなんの影響もないような仕事であり、その仕事に就業している本人が存在しな...

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若手が外の世界で育つこと。しかしそれだけでは不十分であり、もうひとつ、外側の世界の内容を自社に還元することで初めて好循環が回り出す。若手にとっても職場にとっても、自社と外側の世界の循環が生じることでその恩恵を最大化できるのだ。
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大学等へ入学後、その選択に満足しているか聞いたところ、全体では39%が満足と答えていた。しかし選択理由が「合格できそうだったから」と答えた人では27%しか満足と答えていない。一方で、選択の理由が「将来就きたい仕事と関連しているから」では満足している人の割合いが50%に達していた。
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ドリームハラスメント
「ドリームハラスメント」を読み終えた。 . . この著者の本は初めて読んだ。著者は多摩大学の事務職員だそうだ。 . . ■ . . せっかく「君の好きにしたまえ」と自由を与えたのに、君はその権利を行使しなかった。それは君自身の自由意志による君自身の落ち度であり怠慢である、というわけです。 . . 夢を持て。でも分不相応な夢は見るなという相矛盾するメッセージは...

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大手企業で目の前の仕事に黙々と取り組む中で、SNSでかつての同級生が起業したり、副業で活躍をしていたり、メディアに出たりするのを見ることもある。そんなとき、モヤモヤ感は最高潮となる。
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失敗した人の話をメディアで見ることで何か現状を維持することにお墨付きを得たような気になっていないだろうか。はたまた「何がフィットするか分からなくなり万策尽き果てた」就活生のように、甲乙論駁の情報の中で何が正しいか分からない状況に陥っていないだろうか。SNSやメディアで流れる転職の成功、違う職場の良い情報が現状への安易な否定に繋がっていないだろうか。
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シャーデンフロイデ
シャーデンフロイデを読み終えた。 . . この本で初めてシャーデンフロイデという言葉を知った。意味は「誰かが失敗したときに思わず湧き起こってしまう喜びの感情」で、誰もが持ってる妬み、恨み、嫉みやルサンチマンのような感情だと思った。 . 上手くいった話と同じくらいに上手くいかなかった話も興味深いよね。こんなちっぽけなブログですらアルバイトでリーダーに煽られた記事がアクセスが多いとい...

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「指導とハラスメントの境界線が曖昧なのが気になっています。昨今は録音される恐れもある。メールやチャットなどで文字で送るとスクリーンショットで保存される。若手に何か言うリスクが、長期的なチームのパフォーマンスを高めるメリットを上回ってしまっていると感じます。最近はできない若手がいても、強く指導はせず放置しておいて人事評価だけ下げるという対応を取ることが増えています。自分で気付いてくれるとよいのですが」

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以上引用です
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感想は・・・なんとも羨ましい(笑)
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「昔はねー」なんて言うと煙たがれるのは分かっているけれど、パワハラやセクハラの概念もなく、タバコの煙が充満している中で仕事をしなければならなかった時代より恵まれているなと。
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叱責や罵詈雑言も日常茶飯事で、労働時間も長かった。ちなみに従業員数万人の上場企業だからね、今なら炎上案件だろう。
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そんな「きつい職場」から、先人たちの犠牲を踏み台にようやく「ゆるい職場」に変わってきた。しかしながら、ただゆるければ万事うまくいくわけでもないようだ。
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つまるところ、行き過ぎた揺り戻しが来てるんだろう。

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短期離職率はほぼ変わらず3割強で推移している。大学新卒社員の3人に1人は辞めるので、離婚率と同じくらいだ。
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海外では quiet quitting(無言の離脱)という現象も起きている。
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The Japan Times Alpha 22.9.23 [ずうずうしい、なでる、無言の離脱]
The Japan Times Alpha の記事を読んで楽しみながらボキャビルも増やしたいということで、印象に残ったことを記録していきます。 . . ■2022.9.23日号の記事から(完読度90%) . タンさんの Money matters が面白かった。 . シンガポールでは「両親扶養法」というものがあって、子供は老いた両親の世話をしなければならないそうだ。一...

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職場での働き方が大きく転換したのは2015年の法律改正が大きな要因になったそうだ。企業側は社員の有給休暇取得率や短期離職率の開示が必要になり、数字で客観的に評価されるようになった。
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今では加えて、SDGs や ESG など社会貢献に積極的でないと人も投資も呼び込めなくなっているよね。
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アルバイト先でも、社員の方は話し方や指示の出し方に気を使っているのが分かる。こんなしがないアルバイトでも顎で使われたことはない(笑)
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ただ、この本のデータは大企業(従業員1,000人以上)におけるものだ。地方や中小企業ではまた違う結果になるのかもしれない。
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終わりの方で説明されていた計画的偶発性理論は「ジャニーズは努力が9割」にも出てきたセオリーだ。
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ジャニーズは努力が9割
ジャニーズは努力が9割を読み終えた。 . . ジャニーズファンの人には申し訳ないがジャニーズには全く興味がない。が、興味本位で読んでみたら知らないことばかりで面白かった。 . きっとジャニーズファンの人ならもっと深い視点で読めると思う。著者はジャニーズのオーディションに応募して落ちたらしく、その後「ジャニオタ男子」として活動しているそうだ。 . ■ . ジャニーズJr...

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人間万事塞翁が馬よろしく、何が後でどう結びついて実となり花となるかは分からない。役に立ちそうにないどうでもいいような事でも、後になって役立つことは人生でたくさんあると思うよ。
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現に「ジャニーズは努力が9割」で読んだ内容が、今こうやって紐付けられているわけで。
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映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ コンテンツ消費の現在形
「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ コンテンツ消費の現在形」を見終わった。 . . 著者はライターでコラムニスト、編集者の方らしい。タイトルに惹かれて購入(笑)この人の本は初めてだった。 . . ■ . . 20~69歳の男女で倍速視聴の経験がある人は34.4%、内訳は20代男性が最も多く54.5%、20代女性は43.6%、次いで30代男性が35.5%...

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「ゆるい職場」の弊害のひとつは若者の能力差が大きくなることだろう。
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毎年新入社員が入ってきて、すぐに新人枠ではなくなる。若さの免罪符を失ったときに何も残っていないのは悲しいよね。
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むしろ「きつい職場」だった頃よりも自主的に学んでいかなければならないだろう。
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死にがいを求めて生きているの
「死にがいを求めて生きているの」を読み終えた。 . . ■ . 朝井リョウさんの新刊で、かの有名な「桐島、部活やめるってよ」でハマってしまい「何様」や「何者」も読んだ大好きな作家の一人だ。 . ゲームの「428」のように個人のストーリーがそれぞれあって、読み進めていくうちに登場人物が複雑に絡み合っていくという構成になっている。 . はっきりいって天才だと思う。自分...

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大企業やベンチャーでバリバリ仕事をして、経験を積んでスキルアップする。経済的な安定だけでなく、やりがいも感じられるのは素晴らしいよね。充実した人生を送れるだろう。
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一方で、仕事はあくまでも人生の一部だ。仕事はもちろん大事だけれど、仕事だけでもないからね。仕事以外にやりたいことがあって、そちらの邪魔にならないような仕事を選ぶ人生もありなんじゃないかな。
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不肖ながらひとつだけエールを送らせてもらうなら
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「本気を出すのは家に帰ってから」
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だろうか。
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会社で輝くのであれ、その他で輝くのであれ。
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最後にこの本「絶対悲観主義」から
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絶対悲観主義
「絶対悲観主義」を読み終えた。 . . 著者は楠木建さんで「ORIGINALS」や「THINK AGAIN」の翻訳と監修をされている方だ。 . . 名前は知っていたが、本を読むのは初めてだった。 . . ■ . . こと仕事に関していえば、そもそも自分の思い通りになることなんてほとんどありません。この身も蓋もない真実を直視さえしておけば、戦争...

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若者の最大の特権は、時間があることでも、未来の可能性があることでも、体力があることでも、頭の柔軟なことでもありません。「まだ何者でもない」ということです。
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興味のある方はどうぞー

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