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行動的になった蛙|芭蕉の魔術今日の雨は、梅雨を思わせる。田舎では蛙も鳴いているんだろうな。「蛙」は春の季語。けれど、この生物は曲者だ。「雨蛙」とすれば夏の季語。さらに「かわず」と読ませた場合、古語では「河鹿」を指す。その河鹿は、夏の季語である。松尾芭蕉の代表句ともされる古池や蛙とびこむ水の音は、「蛙」を「かわず」と読ませている。「いけ」に「かわ」が被るから、「かえる」の方がいいだろうと思うのだが、ここに、不易流行を確立した芭蕉の意気込みがある。つまり、和歌における蛙は河鹿のことであり、「鳴く...