分割併合ができるロマンスカーとして、1996年に営業運転を開始した小田急30000形(EXE)。
2016年度からはリニューアルが開始され、現在までに50両がEXEαとして生まれ変わりました。

30000形は合計70両が在籍しており、残る20両については未更新のままという状態が続いていますが、最近になってそれらの編成にも変化が生じています。
側面の窓枠が黒くなるという小さな変化ですが、これはいったい何を示しているのでしょうか。

側面の窓枠が黒くなった未更新車

リニューアルでEXEαとなった編成が多い中、現在もEXEのままで走り続けている編成が存在します。
4両の30055Fと30057F、6両の30255Fと30257Fが該当しますが、登場時と変わらないカラーリングはどこか懐かしく、結果的に注目度が上がることとなりました。

EXEの外見は登場時からほとんど変化していませんが、前面の車体とスカートが繋がる部分や、側面の窓枠に変化が生じており、時期によって細部の処理方法が異なります。
近年は側面の窓枠が車体色と合わせられていましたが、30057Fと30257Fの2編成については、登場時と同じ黒に戻されました。

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窓枠が黒くなったことで、より一層懐かしい姿となったEXEですが、リバイバルということではないようです。
これらの編成は、2022年12月にしばらく運用から外れており、何らかの作業が行われていた可能性があります。
窓枠を黒くするためだけに、長期間の運用離脱をするとは考えにくく、気になる動きとなりました。

未更新車に予想される未来

このタイミングで窓枠が黒くなることには、どのような意味が隠れているのでしょうか。
リバイバルではないとなれば、窓枠に関係する作業が発生し、そのまま黒くなったと考えるのが自然かもしれません。

EXEという車両において、過去に変化が生じた部分を振り返ると、経年劣化が発生しやすい箇所という共通点があります。
窓枠についても当てはまり、普通鋼製の車体であるEXEは、雨水の影響等で車体と窓枠の接合部に腐食が起きやすいと考えられます。
黒くなった窓枠を見ると、コーキング材が綺麗になっているようにも感じられ、補修が行われた可能性がありそうです。

仮に補修であった場合には、EXEにとって重要な意味を持つこととなります。
あえて窓枠にだけ補修をしたとなれば、リニューアルを行わない可能性はより一層高まります。
一方で、すぐに廃車となる可能性も否定されたことを意味し、しばらくは現役を続けるものと思われます。

10年といった長期での活躍は期待できないと思いますが、補修をしつつ数年単位では頑張って走らせるということが、この変化から予想されるのではないでしょうか。

おわりに

窓枠が変化したのは2編成のみですが、残りの2編成についても今後変化が生じるのでしょうか。
しばらく運用を外れるとなれば、他のロマンスカーが検査等をしていないタイミングである必要があることから、そのような時期に注目かもしれません。