以前、applestarの私的観点から素粒子についてのブログを書きましたが
自然現象の根源を探求し宇宙や物質の起源と進化を解明する物理学において
素粒子物理はヒッグス粒子・ニュートリノ振動などの発見を経て、今後は更なる目標である
一つの理論で宇宙を説明できる究極の理論を模索する為、物質や量子重力、
新粒子の発見は必須となります。今回はその素粒子物理学に新たな風が吹くことになる
最新NEWSを一緒にチェックしていきましょう。
新しい粒子を探せ!
物質を構成する要素である素粒子。その素粒子の運動法則を研究している
素粒子物理学ですが、1960年代から粒子をめっちゃスゴイ超高速にまで加速させ
衝突させて新たな粒子を生成させる、加速器実験施設が世界で相次いで建設されました。
結果、新たな素粒子が次々に発見され素粒子物理学は大きな発展を遂げています。
理論的に存在が示唆されている「新粒子」の発見を目指し、日本も頑張っています。
茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設「J-PARC」をご存じですか?
J-PARCとは (Japan Proton Accelerator Research Complex)です。このJ-PARCで
存在が示唆されている新種のニュートリノ「ステライルニュートリノ」を
探索する実験が開始されました。
その実験とはJSNS²実験!この実験をほんの少しのぞいてみましょう。
標準理論とニュートリノ
JSNS²実験に触れる前に少々、前置きが必要かもしれません。
素粒子物理は加速器実験と共に発展し新粒子発見に至りました。
現在の素粒子のモデルケース(標準理論)では右の図の様に発見された
「電磁気力」「弱いちから」「強いちから」の3つで成り立つ。
標準理論には限界があり、「重力」を扱えない事が分かっています。
重力を結びつける超大統一理論を目指しています。
もうひとつの限界は、宇宙に存在するとされる物質やエネルギーのうち
標準理論で説明可能なのはわずか5%にすぎません。
標準理論の壁を超えるには、観測実験がカギを握ります。
現在、ヒッグス粒子までは発見できています。以降の新粒子発見が
宇宙の成り立ちを解明する大きな一歩になる事は間違いありません。
※大統一理論すら未完状態。電磁気力と弱い力の関係は分かりましたが、その二つと
強い力をむすびつける事ができていないのが事実です。
日本の素粒子物理といえば、”ニュートリノ”ってよく聞きますけど、
なんなのかイマイチ分かりませんよね?
物質を構成する原子は、中心にある原子核と電子でできています。
原子核は”陽子”や”中性子”というクオークが集まってできています。
もう一つ、”電子”はレプトンの仲間です。ニュートリノとは簡潔にいえば
電子から電荷を取った中性の素粒子のことで、発見されている6種類の
レプトンのうち、3種類がニュートリノです。
ニュートリノにはごく僅かに「質量」があり、「弱いちから」のみが
作用していて、宇宙空間も私たち人間の体も一秒間に何百兆もの
ニュートリノが通過しています。
そんな色んな物をすり抜ける粒子より、更にか弱いものが自然界に
存在するそうですが、それが「重力」!
標準理論とのズレがある結果が観測されました。【※ミューオンと呼ばれる素粒子や電子はスピンに伴う磁力を持っています※】
しかし物理学の成功率といわれる99.9999%に達していませんでした。
素粒子物理学が100年以上かけて構築してきた根幹の理論が書き換えられる時も近いかもしれません。
ステライルニュートリノと重力
ニュートリノには、「電子型」「ミュー型」「タウ型」とありますが
標準理論には無い第4の新たなニュートリノといわれているものがあります。
ダークマター候補の一つであり、それを”ステライルニュートリノ”といいます。
何十年も前から在るといわれているのに発見には至らないのは
この粒子が、お化けの様な素粒子だからです。
一部のニュートリノ振動実験で、未知の種類は既知の3種類と違って
放射性元素の崩壊などを起こす「弱い力」が作用しない
「ステライル型」だと考えられているようです。
ステライル型ニュートリノは「重力」以外には作用しないと推測されていて
もし存在するとすれば第4のニュートリノは暗黒物質の有力な候補にもなり
標準理論を超えれるかもしれない世紀の粒子となる可能性も・・・。
重力とは私たちも普段、使う言葉のひとつで引力と混同しがち・・・。
でも説明しろと言われても・・・パっとは思いつかないでしょう。
でもそれは当たり前です!だって、現代物理学の中でもこうして重力の事を
完全に分かってはないのですから当然です。しかし、現象として子供たちに説明する時
現在分かっている事を説明するしかないのが現状です。
重力については以前のブログをご参照ください。
JSNS²実験って何?
JSNS2実験は「J-PARC Sterile Neutrino Search at J-PARC Spallation Neutron Source」の略
J-PARC核破砕中性子源を用いたステライルニュートリノ探索実験という意味。
長い・・・・(;´∀`)アハハ・・・
この実験は国際共同実験で研究代表者は高エネ研の丸山和純 博士です。
ずっと追い求めているお化けの様な素粒子を見つける為に一体どんな
研究がなされているのかチェックしていきましょう!
この実験はまさしく新しいニュートリノである「ステライルニュートリノ」を探す実験。
J-PARC RCS 加速器で3ギガエレクトロンボルトまで加速された陽子ビームが
水銀標的(MLF の中性子標的)に当たり、物質・生命研究のための大量の中性子とともに
反ミューニュートリノも大量に生成されます。
水銀標的から 24 メートル離れた位置に検出器を設反ミューニュートリノが
この距離を進む間に反電子ニュートリノに変わる
ニュートリノ振動が存在するか調べます。
検出器のタンク内はガドリニウム入り液体シンチレータで満たされていて
検出器内壁には 120 個の光電子増倍管が並んでいます。
実験の先にある未来
素粒子物理学は今、大きな転換期を迎えているようです。
標準理論の最期のパズルだった「ヒッグス粒子」を発見し、めでたしめでたし!
のはずでしたが標準理論だけでは説明できない性質を備えていたのでした。
新物理の探索に向けて新しい開拓を目指す時代に突入しているようです。
最先端技術が物理学の新たな扉を開く重要な手段となり
物理実験が最先端技術を大きく前進させる重要なモデルケースとなっています。
素粒子物理学は、新たな知と新たな技術をともに切り拓いていく
時代に突入し世界的に加速器実験は重要な位置づけである。
物理の根幹を覆すかもしれない「新粒子」の発見を心待ちにしています。
新たな理論が待ち構えている、未来の物理世界楽しみです。
ではでは、今後の実験の結果を楽しみにしているapplestarでしたぁ♪バイバイ💛
宇宙を知ることは、人類のふるさとを探すこと。ワクワクしますね!
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