デスモプレシン点鼻薬

中枢性尿崩症は、脳から分泌される“バソプレシン”という抗利尿ホルモンの不足で起こる。
不足すると、腎臓での水分の再吸収が減少し、うすい尿が大量にでてしまうのです


このお薬は、バソプレシンと同じように作用し、その働きを補います。すなわち、腎臓での尿中水分の吸収を促進し、尿を濃くして尿量を減らせるわけです。


中枢性尿崩症や夜尿症の治療に標準的に用いられています。
有効成分のデスモプレシンは抗利尿ホルモン“バソプレシン”の誘導体です。
そのまま飲んでしまうと効果がなくなるので、点鼻薬として鼻の粘膜から吸収させます。
作用時間が長く、持続的な尿量調節効果がえられます。なお、その後に、デスモプレシンを含有する特殊な飲み薬(ミニリンメルトOD錠)も開発されました。



適応:バソプレシン欠乏による尿崩症


用法及び用量
小児:通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回2.5µg~5µg〔1~2噴霧〕を1日1~2回鼻腔内に投与する。


成人:通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回5µg~10µg〔2~4噴霧〕を1日1~2回鼻腔内に投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減する。


使用上の注意
本剤を初めて使用するときには、ポンプを数回(4回程度)押してチューブに薬液が吸い上
げられるようにし、薬液が霧状に出てくることを確認してから使用する。


また、1週間以上使用していなかった場合等にもポンプを1回若しくは薬液が霧状
に出てくるまで空打ちしてから使用する必要がある。


スプレー使用時には、瓶の内側のチューブの先端が必ず薬液の中に入っている状態で使用
する。
頭を少し後ろに傾け、ノズルの先端を鼻腔に入れ、息を止めてスプレーする。
スプレー回数が複数の場合は、左右の鼻腔に交互にスプレーする。
スプレー後は薬液を鼻の奥まで行き渡らせるように、頭を後ろに傾けた状態で軽く鼻を押さえ、鼻から静かに息を吸うようにする。
使用後はストッパーを取り付けノズルの先端をふいて、保護キャップをする。


保管
使用しないときは、冷蔵庫等で瓶を立てた状態にして保管する。