早朝、午前4時。
ガタガタっ。ガンガンガンっ。
「お〜い!」
玄関のドアを激しく叩く音と、上の階のお隣ホンザさん(仮)の声で飛び起きました。何事!?夫が玄関のドアを開けると、わが家の左隣のお隣さんちのドアをガタガタゆらしているホンザさん(仮)の姿が。ドアの隙間からは真っ白い煙がモクモクと嫌な臭いをさせながら廊下の階段を上に上にのぼっていきます。
「「火事だ!」」
しかしお隣さんは留守なのかドアはかたく閉まったまま。消火器を取りに行ったホンザさん(仮)に代わり、夫がドアを叩きはじめること5分。やっと大量の煙とともにドアが開きました。しかし、ごほごほっ、げほっ。一気に煙が廊下に充満します。
夫には、上の階からホンザさん(仮)の奥さんが「消防の電話番号が思い出せない!警察に電話したわ。」と携帯片手に叫んでいるのがみえたらしい。お隣さんはどうやら酔っ払っていて埒が明かない。
夫とホンザさん(仮)がお隣に乗り込んでいる間に、私はバケツに水をくみ、念の為バスタオルをぐっしょり水に浸しました。よし、子供達を起こして避難しようと思い始めたところで警察が到着。
時をおかずして消防も到着。(けたたましい音に、窓から下を見ると、梯子車を含む計2台の消防車が青い光を放ちながら到着したところでした。)その間も夫とホンザさん(仮)による果敢な消火活動は続きます。
上の階からは3人の学生たちがハンカチマスクをしながら避難しに階段を駆け下りて行きます。ぐっしょり濡れたバスタオルを持った夫がお隣さん宅に消えたところで、やっと消防隊員さん達が階段をのぼってやって来ました。
しかし、すでに濡れバスタオルで消火に成功したらしく、消防隊員さん達は火元を確認するとすぐに帰っていきました。夫とホンザさん(仮)よ、お疲れ様!
ちなみに火元は古い冷蔵庫だったそうです。酔っ払いながら軽いパニックをおこしていたお隣さんは、終始何故かドイツ語を喋っていたらしい。
そして消火後。突然「エリック!エリック!」と叫びだしたお隣さん。一瞬、まだ中に誰か残っていて倒れているんじゃないかと皆心配しましたが、すぐに犬の名前だということが判明。
普段から全く吠えないエリック。いの一番に異変に気づいたであろうはずの彼は、こんな時にも律儀に飼い主の言いつけを守り、吠えることなく、お隣さんがドアを開けたすきにさっさと避難していたらしい。エリックは、その後、無事エントランスにて保護されました。
朝、何も知らずに起きてきた娘達にこの話をすると、長女に「何で起こしてくれなかったの!私もこの目で見たかった!」と大泣きされてしまいました。
そういうのは野次馬みたいで若干不謹慎な感じがするというと、「警察や消防隊員さん達が私達のために実際に働いているところを生でみたいって思うのは悪いことじゃない!」と言われてしまいました。、、、確かに。
もし今度同じようなことが起こった時には必ず起こすねというと、「こんなことそうそう起きるわけないじゃない!」とさらに号泣。
クリスマスまであと2週間。思いもよらぬアクシデントにみまわれてしまいましたが、消火にも成功し、怪我人もでず、本当に良かった。まったく不幸中の幸いです。
しかし、パニックをおこすこともなく冷静でいられたのは、小学校時代の避難訓練のおかげという気がします。日本の避難訓練はかなり優秀。
それにしても、オシャレでアートなお隣さん、いくらレトロでかわいくても、電化製品の買い替え時には気をつけて〜!
アラフォー女子、人生初の消火活動はまさかのチェコ。