飛花落花疏水の波に従へり

 

「方円」2013年6月号清象集掲載。

「疎水」とは京都近辺の方ならお馴染みの琵琶湖疎水のこと。琵琶湖から京都へ豊富な水を運ぶため明治23年に建設され、未だ現役で活躍している人工水路のこと。2020年、文化庁が日本遺産に認定している。地下鉄蹴上駅から、疎水沿いに東山三条方面を進むと蹴上水力発電所がある。その一帯、インクラインからロームシアター京都付近まで、見事な桜並木がある。それらの桜が散って風に舞い、疎水に落ちる。落ちた花びらは発電所から疎水に至る少し急な流れに従って、集団で流れていく。自然と人工物が融合した、晩春の美しい風景を切り取った句。

花びらは散ってしまえば風に吹かれるまま。水に流されるまま。己の意志は持たず、周囲の環境に従って動く。落葉や花びらならそれでいいだろう。しかし人間はそうは行かない。最近の私は、「お前は本当に自分で考えて行動しているのか。他の人の行動に従っているだけではないのか」と思われる行動を取る事が多い。己の意志がないように思われる。また実際本当にその場合がある。もともと論理的に無駄なく行動するのが苦手な方で、自分の行動に意味を見出すのが難しいとよく言われる。自分はそういう人間だからで済ませたら、疎水に流される花びらと同じになってしまうので、少しは自分で考えなければならないが、なかなか一朝一夕に行かない。少し遠くから見守って下されば。

 

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