【保存版】スウェーデン住宅情報完全まとめ⑤売却編

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【保存版】スウェーデン住宅情報完全まとめ⑤売却編

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はじめに

スウェーデン住宅情報完全まとめ第4弾First hand編では、スウェーデンの特殊な住宅供給システムFirst handを紹介しました。これで、賃貸・購入・First handの主な住宅の手に入れ方は網羅できたと思います。今回の第5弾では、スウェーデンで購入した住宅を売却する際の情報をまとめてみました。

スウェーデンで住宅を売却

スウェーデンで購入した住宅を家族構成や赴任、もしくは日本への本帰国で売却する必要が出てくるでしょう。ここではパッパの経験を元にスウェーデンで住宅を売却する際の手続きや落とし穴をまとめます。

ちなみに、パッパは子供の成長に合わせて現在の住宅を購入するにあたり前の住宅を売却しました。

住宅を売却する手順

住宅を売却したい場合には、特定の不動産業者に売却のための処理をお願いするのは一般的です。パッパは1度しか売却の経験はありませんが、簡単に流れをまとめてみました。

  1. 複数の不動産業者から好みや費用に合わせて正式な依頼をする。
  2. 内覧のための写真撮影、撮影のための内装や調度品のホームスタイリングをする
  3. 撮影した写真をHemnetや不動産業者のホームページに掲載
  4. 内覧を行う
  5. オークションを見守り、納得する価格になった場合にはオークションを終了する
  6. オークションの最高値を入札した購入希望者と売買契約をする

住宅の売却に関しては、購入と異なりオークションは苦しむものではなく、楽しむものとなるはずです。なにしろ自分の家の価値がどんどん上がっていくわけですからね。

ただし、思うようにオークションの入札が入らない場合には、購入する時以上にとってもハラハラドキドキすることになります。

なお、購入編でも少し書いた通り、個人間での売却も可能性としてはあります。が、やはり大きな買い物ですし、個人間での住宅の売買はリスクが高いのではないかと思います。

住宅の売却時期はいつが最適か?

日本では住宅の売却は年度初めの前が良いと言われます。それは、新年度で引越しをする人が増えるためですが、スウェーデンでも売却の時期について賛否両論あります。

スウェーデンの夏は日照時間も長く、多くの人々が長い夏休み休暇を楽しみます。そして、反対に冬は日照時間が短く暗い日々が続きます。この季節感から売却の時期についてスウェーデン人の友人の主観的解説を以下にまとめてみました。

  • 春:日照時間も増えて夏休み前に売りぬくのが最適
  • 夏:長期の夏休み休暇となる7月など人がいないため売買物件数も内覧希望者も少ない
  • 秋:春と同じく良い時期ですが、どうしても毎日だんだん暗くなる時期なのでお勧めではない
  • 冬:毎日暗いため家の日当たりの良さや雰囲気が伝わりにくいため売買物件数は少ない

これはあくまでもパッパのスウェーデン人の友人の考え方なので、決して正解ではありません。が、確かに夏休みは物件数がかなり減ります。それもそのはず、不動産業者だって夏休みをとりますから、基本的に夏休みは売買物件数は少なくなります。

では、住宅の売却は春が最適なのか?と言われると、正直パッパは一長一短があると思っています。なぜなら、春などの物件数が多ければ多いほど購入希望者には選択肢が多いため、売り主にとっては競合他者がいることとなり、オークションでの価格が上がりずらくなる可能性もあります

もちろん、本当に人気の住宅であれば購入希望者が多いことを前提にすれば、オークションが盛り上がって市場価格を超える入札もあるかもしれません。

結局のところ、考え方次第でどうとでも取れる内容です。が、しかし売買物件数が多い時期と少ない時期は確実に存在するため、事前に不動産業者としっかりと戦略を練ることをお勧めします。

不動産業者の選び方

不動産業者のチェックポイント

1番大事な最初のステップはこれから愛着ある住まいを売却するパートナーの選定です。不動産業者は複数あれど、自分が任せてもいいなっと思える信頼できる不動産業者を探しましょう

実はパッパはスウェーデン人の友人から紹介してもらった不動産業者にしたのですが、スウェーデンではこの「コネ」もとっても大事です。

とはいえ、慎重に不動産業者を選ぶためのポイントをいくつかまとめてみました。

  • 住んでいる地域を熟知しているか?
  • 手数料の料金体系の確認(値切りの交渉は必須)
  • 今までに手掛けてきたパンフレットの確認
  • 掲載する広告媒体の確認

パッパは友人の紹介以外にも、同じ地域で営業をする3つの不動産業者と話をしましたが、特に売買手数料や内装デコレーション費用は不動産業者によって様々です。

もしどこにしようか迷った際には周りの売り出し中の住宅を見てみましょう。そこに同じ不動産業者が頻繁に登場するようであれば、その人はもしかすると「やり手」かもしれません。

それに、同じ地域ですでにいくつか売却をしているということは、すでにまだ購入できていない購入希望者の顧客情報を持っている可能性もあるわけですから、連絡してみて損はないと思います。

不動産業者の成果型報酬

日本での住宅の売却ではあまり聞かない「成果型報酬」はスウェーデンでかなり一般的です。

簡単に言えば、不動産の売買契約の一つとして、ある一定の価格までは固定手数料、その価格を超えて売却できた場合には差額に対して合意した割合を不動産業者の成果として追加で報酬を支払うシステムです。

正直、スウェーデンは住宅不足もあり、ほぼすべての住宅の売却で価格が上がるため、「これって不動産業者が余計にお金を取る仕組み?」とあまり好きではありませんが、これが不動産業者にとってのモチベーションとなるため、安易には扱えません。

目標とする住宅価格をどこに設定するかは、売り主と不動産業者の話し合いで行われるので、不動産業者と会う前には自分の住宅の市場価格や近所のオークションでの上がり方を参考にして決めておきましょう。

スウェーデンで住宅を売却するポイント

内覧のためのホームスタイリングは必須?

住宅を不動産業者を通して売却する場合には、宣伝と内覧のために家の片づけをしなければいけませんよね。日本でも散らかっているモノを片づけたり、掃除したりしますが、スウェーデンではホームスタイリングとして専門業者が存在します

ホームスタイリング自体は不動産業者によって、売買手数料に含まれている場合と、外部から専門の業者を雇う2つからなります。

実際に何をするかというと、まずは住宅の下見を行い、必要のない調度品の撤去を依頼されます。あとは、片付けですね。実生活でも使うものであっても、内覧やパンフレットに映したくないものはすべて家から出してくださいと言われます。

そして、パンフレット用の写真撮影前日にホームスタイリングが行われます。ホームスタイリングは単純に素敵な調度品を置くだけでなく、大きなものだとベッドからソファ、天井の照明までホームスタイリングのデザイナーが持ち込んで設置します。

まさに北欧風なホームスタイリングが行われ、キッチンには花が飾られて、流しには今まで買ったことないような野菜やフルーツなんかも飾られます。

ちなみに、ホームスタイリングは絶対にやらなければいけないわけではありません。なので、自分の家の内装に自信のある人は敢えてホームスタイリング業者に依頼せずに、自分で綺麗にしてパンフレットの撮影や内覧を行う人もいますが、非常に短い内覧で良い印象を残すためにもホームスタイリングはお勧めします

不動産売却の主な支出

日本と同じくスウェーデンでも不動産売却にはお金がかかります。主な支出は以下の通りです。オプションは売り主の判断で決めることができると思います。

  • 不動産手数料
  • ホームスタイリング(オプション)
  • 内覧のため不用家具を預けるストレージ(オプション)
  • Hemnet広告費用
  • その他の広告にも出す場合は、その費用(オプション)

ホームスタイリング業者によっては、飾る花やお酒などは売り主の責任で購入して欲しいと依頼されることもあります。

自分が買いたいと思える住宅にしておく

当たり前ですが、自分が住宅を購入する際には、「住みたい!」と思えることが大事ですよね。住宅を売却する際も同じで、できるだけたくさんの人に「住みたい!」と思ってもらう必要があります

微妙な家電は買い替えよう

微妙に取手が壊れた冷蔵庫や傷のある備え付けの家具などを日々日常生活で使うのは問題ありません。が、短い時間で内覧に来た人たちの印象は必ずしもいいものではないでしょう。

なので、パッパが前の住宅を売却する際には思い切って古い冷蔵庫と冷凍庫を買い換えました。ちょっともったいないんじゃないか?と思われるかもしれませんが、住宅の価格を家電と比べれば、可能な限り「良い印象」を作るために必要な投資もあります。

傷や汚れが目立つならできるだけリフォームしよう

スウェーデンはIKEAでも実体験がある方も多いと思いますが、DIYな国です。なので、壁や備え付けの家具など傷や汚れが目立つようであれば、ぜひリフォームしてみましょう。

別に大掛かりなリフォームではなく、ペンキを塗ったり、洗面所のタイルの間にゴム製のパッキングでコーティングしたりと素人でもできることはたくさんあります。

写真撮影後は最速で内覧を

パッパのアドバイスとして、ホームスタイリング後の写真撮影を終えたら、できるだけすぐに内覧になるように予定を立てることをお勧めします

理由は単純にホームスタイリングした家では普通の生活がしにくいからです。綺麗に飾られた子供部屋や寝室、おしゃれな北欧風のソファにブランケット、とても素敵なのですが借り物なうえに内覧の際には写真撮影時の同じ状態にする必要があります。

そして、家の見栄えを良くするために撤去した中には日常的に使うものもあるでしょうから、ストレージと家との往復が何度となく発生します。

パッパには子供がいますが、このホームスタイリング後から内覧日を迎えるまでの間は毎日のように「あれはどこいった?」「学校で絵具いるのー」とかまた何度もストレージに行って梱包している荷物を開いて探す羽目になりました。

ちなみに、パッパの契約をしたホームスタイリング業者は交渉の末、無料で内覧日前日に同じようにホームスタイリング(配置のチェック)をしてくれたことは少しばかし助けになりました。

なお、その後の内覧およびオークション、そして売買契約までは購入編で書いた内容とさほど変わらないため、ここでは省かせて頂きます。

スウェーデンで住宅を売却する際の落とし穴

その1:内覧のためのホームスタイリングは想像以上に大変

写真撮影や内覧のための片づけやホームスタイリングをなめてはいけません。ええ、パッパはなめていました。

当初、マイペースだったパッパもスウェーデン人の友人は今すぐストレージを借りてすぐに必要ない家具やモノを全部出しなさいとかなり強くプッシュされました。最初は「そんなの簡単じゃん」と思っていたパッパでしたが、ホームスタイリング業者から撤去するように言われた家具だけではなく、内覧で見せたくない日用品は想像以上に多かったです。

当時のパッパの住まいには地下にストレージルームがありましたが、もうどう考えても入りきらないのがわかったので、早速近所のストレージルームを借りて、手あたり次第に荷物を積めました。

荷物で本当に日常生活で使うもの使わない物の選別から梱包、そしてストレージルームまで運搬はかなり時間と労力を要する作業なので、もし同じように住宅の売却を考えている場合には、できるだけ早く片付けを始めることをお勧めします。

その2:売買契約に署名するまで気が抜けない(実経験&長文注意)

購入時の落とし穴と同様に住宅を売却する場合でも、売買契約書に署名するまで気を抜いてはいけません。

ストックホルムの住宅は売り手市場なので、ほぼ必ず売ることは可能ですし、ほぼ必ず値上がりすることも確実(たぶん)です。が、どうせならできるだけ高く売りたいですし、新しいオーナーから住宅の文句を言われたり面倒なことに巻き込まれたくないので、しっかりと購入希望者を見定めて書名しましょう。

ここで少しだけパッパの個人的な経験談をお話します。実はパッパは以前の住宅を売却した際、スウェーデン人の友人や長年不動産をやり取りしていた不動産業者にとっても初めてくらい大混乱を経験しました。

ホームスタイリング、内覧、そしてオークションまでは普通に進めることができて、後はオークションで最高値で入札した方と売買契約をするのみでした。

しかし、本来であればオークションが終了して即日にでも売買契約をすべきはずが1日・2日経っても売買契約の日付が決まりませんでした。不動産業者に購入希望者が何をしているのか確認すると、なぜかまだ最高値で入札した買主が銀行との住宅ローンでまとまっていないことがわかったのです!

正直、パッパは愕然としましたね。本来であればオークション参加時には住宅ローンはまとまっていなければいけないのですから。とはいえ、それから2日後にやっと買主の住宅ローンに許可が出たようで、売買契約の日付が決まりました。

しかし、売主と買主が対面して売買契約に署名する当日、なんと購入希望者が売買契約に新たな条件を書き加えることを要求してきました。要求された内容を簡単に言うと、買主が万が一の可能性として住宅ローンを断られた場合、もしくは管理組合から許可が下りなかった場合には売買契約自体を破棄できるという条件です。

この条件は正直買主にはとっても有利な条件ですが、売主にはなんのメリットもありません。だって、売買契約を締結しておいて、その後何かあれば買主だけの意向で破棄できてしまうんですから。

不動産業者曰く、この条件は億を超える高級住宅の売買では稀にあるそうですが、一般の住宅では皆無だそうです。

すでに印刷済みの売買契約を目の前に数時間に及ぶ議論が一方的に行われましたが、基本的に売主であるパッパが条件を受け入れるもしくは拒絶する権限を持っていたので、突っぱねました。そして、その結果オークションで最高値で入札した購入希望者は購入を断念(ドタキャン)してしまったのです!!!

日本だったら想像できない事態です、正直パッパもかなり焦りました。スウェーデンでもあり得ない条件を契約書に盛り込みたいことを契約当日に言うなんて!?これがスウェーデンの不動産売買の闇だと心底恨みましたし、その当時パッパはすでに新しい住宅の購入契約書にサイン済みだったので、最悪違約金を払って新居を諦めないといけないのかと本当に色々なことが走馬灯のように頭の中を駆け巡りました。

しかし、そんな絶望感でいっぱいだったパッパに不動産業者はとんでもない提案をしてきました。なんと今すぐに2番目に高い入札をした購入希望者に連絡を取って売買契約をしようというものです。正直、「切り替えはやっ」と思いつつも、不動産業者はすぐに2番目の購入希望者に連絡をして、すべての売買契約書も名前を変えて再印刷して、約3時間後にはその方と無事に売買契約を結ぶことができました!!!

ちなみに、この日はスウェーデンの祝日だったので、不動産業者も休日出勤で対応してくれました。これ、普通のスウェーデンの不動産業者ならまずやってくれない状況だそうです。そう「コネ」があったからこそ、不動産業者も「今日は無理だから休暇明けね」なんて言わずに最後まで対応してくれたのです。このスウェーデン社会は本当に怖いと思いです。「コネ」なしではもっとたくさんの問題に直面していたかもしれません。

実はこの売買契約をドタキャンする問題はパッパだけでなく、周りでもたまに聞きます。パッパの場合には、2番目に高い価格で入札してくれた方がとても良い方でスムーズに契約できましたが、最悪の場合には内覧からやり直さなければいけないこともあります

しかし、まさか自分がその最悪の状況に直面するとは本当に思いませんでした。人生、良いことも悪いことも経験というのがパッパのモットーですが、この経験だけはもう2度としたくないと心底思いました。

一番の問題は、住宅売買のオークションに住宅ローンの頭金の承認(lånelöfte)を義務化していなことでしょう。特に売主にとっては安易な気持ちで大切な我が家のオークションには参加して欲しくないのですが…残念ながら現在のスウェーデンの仕組みは不可思議なままなのです。そして、その他いろいろな要素もあるため、スウェーデンの住宅の売買は本当に何が起こるかわからない「神のみぞ知る」領域なのかもしれません。

その3:オークションを妨害される可能性

すでにスウェーデン住宅情報完全まとめ第3弾購入編で述べた通り、オークションへの参加は自由ですし、法的義務はありません。そのため、残念なことに事前に銀行から融資額と頭金の承認(lånelöfte)を得ずに参加する人が稀にいます。

もしくは、オークションを意図的に妨害する目的で敢えて高値を入札して連絡が途絶えてしまう最悪の事態もあります。

こんな事態は正直避けようのない落とし穴なのですが、残念ながらオークションや住宅の売却ではとても予想ができない事態が発生する可能性もゼロではないことを覚えておいてください。

まとめ

スウェーデンの住宅売却編はいかがでしたか?住宅の売却は普通は不動産業者を通して行うため、オークションを除けば日本と似たような進め方となります。

ただ、思わぬ事態が発生することもあるため、買い替えの場合には十分な時間を確保して計画することをお勧めします。

次回はいよいと最終編のパッパのアドバイスとQ&A編(執筆中です!)です。2度の住宅購入と1度の売却経験から、パッパの主観ではありますが、大事なポイントや考え方をお伝えします。また、今までに聞かれた質問についてもまとめてみましたので、参考になれば幸いです。

 

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