〇りんごは昔から皮ごと食べるのがよいと言われている
リンゴの皮には食物繊維としてのリンゴペクチンがありますが、このペクチンを形成する成分のアラビノオリゴ糖には、フラクトオリゴ糖と同じように腸内のビフィズス菌を増やしてくれる作用があります。
子供の頃から、リンゴは皮ごと食べた方が栄養があると言われてきましたが、健康によいと言う意味で、科学的にもそれが裏付けられていると言えるでしょう。
さらに、リンゴにはバナナほどではありませんが、他の果物と同様にカリウムも含まれています。
〇リンゴに含まれるフラボノイドのケルセチンはアルツハイマーの予防によい?
海外の研究で、リンゴに含まれる抗酸化作用のある物質ケルセチンが「アルツハイマー病(認知症の一種)やパーキンソン病などの神経変性疾患の予防に役立つのではないか」という結果がネズミの脳細胞を用いた実験で得られたという報告があります。
この実験はアメリカのコーネル大学のLee先生達によって行われたもので、アルツハイマーモデルと考えられる脳の酸化的ダメージが、リンゴに多く含まれるケルセチンという物質を与えたネズミでは、ビタミンCを与えたネズミや抗酸化作用のある物質を何も与えなかったネズミよりも統計学的に意味のある差をもって少なかったと言うことです。
ケルセチンは最近注目されているフラボノイドの一種で玉ねぎやリンゴの皮に豊富に含まれています。
この研究報告に興味のある方は以下のサイトで、
https://news.cornell.edu/stories/2004/11/apple-day-could-protect-against-brain-cell-damage
まあ、そんなわけで、日本のファーストフード店には必ず皮付きリンゴをメニューとして備えるような法律でも作れば、生活習慣病等への医療費の低減に少しは貢献するのではないかと思ったりしています。
ところで、昔ミュンヘンのホテルで、ロビーにリンゴが山盛りに置かれているのを見たことがあります。そのときは一個ほしいなと思いながら、ポケットに入れるのを躊躇しましたが、旅の疲れを癒そうとしてくれるホテルの気配りを感じて、何となくうれしくなりました。