鉄道旅といえばコレ!青春18きっぷの使い方【2023年冬版】その2~乗れる列車と乗れない列車の違い

JR京葉線の車両

青春18きっぷはJR全路線の普通車自由席のみ乗車できるフリーパス型の乗車券。特急列車や他社路線には乗車できませんが、この記事では例外的に乗車できる条件や区間をご紹介します。

18きっぷで乗車できる路線と列車

青春18きっぷではJR全路線の普通車自由席に乗車することができます。

JRの旅客鉄道は北海道・東日本、東海、西日本、四国、九州に分かれていますが、そのすべての路線に乗車可能。JR路線は全都道府県にあるので、日本全国どこでも使うことができます。鉄道ではありませんが、三陸地方や北九州で運行しているBRTと広島県の宮島航路(別途訪問税)にも乗車可能です。

北陸本線普通列車

ただ、JR路線を走っているすべての列車に乗れるわけではありません。

乗車することのできる列車は普通または快速列車の「普通車自由席」のみ。普通列車とは普段乗っている通勤電車のような、追加料金を必要としない一般的な列車のことを指します。各駅に停車することが基本なので、鈍行ともよばれています。ただ、一部の駅を通過する快速列車は普通列車の仲間なので、乗車可能です。

そのため、新幹線や特急・急行列車といった、乗車券以外のチケット(座席指定特急券や自由席特急券)が必要な列車には基本的に乗ることができません。たとえ追加で特急券を購入したとしても、18きっぷを乗車券としての効力はなく、改めて乗車券と特急券をそれぞれ購入することになります。ここが通常のきっぷと異なる点です。

18きっぷで乗車できるのは、普段乗っているような追加料金の必要ない電車のみと覚えておきましょう。

例外的に乗車できる列車&区間

青い森鉄道車両

青春18きっぷで乗車できるのは「JR路線」の「普通車自由席」ですが、いくつかの例外があります。

事前にルールや時刻表を確認しておけば、18きっぷで特例区間の乗車や特急のようなグレードの高い車両に乗ることもできます。利用条件は頻繁に変更されるので、活用する際はJR各社サイトで最新の情報をかくにんすることをおススメします。

快速列車

ひとつめは快速列車。

快速は普通列車よりも停車駅が少ない列車ですが、扱いとしては普通列車と同じです。例えば首都圏では、高崎線「快速アーバン」や宇都宮線「快速ラビット」、関西圏では「新快速」や「大和路快速」などがあります。停車駅も少なく便利ですが、通常の車両で運行され、いずれも追加料金不要です。

一方で、地方のローカル線などでは観光列車が快速として運転されています。

例えば、五能線の「リゾートしらかみ」や磐越西線の「SLばんえつ物語」などが有名です。通常の列車よりもグレードの高い専用の車両で運行されていますが、あくまでも快速扱いなので18きっぷが使えます。ただ、全車指定席の場合が多いため、別途座席指定券の購入が必要です。

青春18きっぷのシーズンには祭りやイベントの開催も多く、臨時快速列車が多く運行される時期です。座席指定券は乗車日の1か月前から販売されます。満席になる場合も多いので早めの購入がおススメ。JR各社の臨時列車プレスリリースをチェックしておくとよいでしょう。

普通列車のグリーン車自由席

ふたつめは普通列車のグリーン車自由席。

上野東京ラインをはじめとする首都圏近郊の主要路線を走る普通列車には、2階建てのグリーン車が2両連結されています。あくまでも普通列車に備わった車両なので、別途グリーン券を購入すれば乗車可能。グリーン券は駅やホームの自販機で事前に購入します。車内で購入すると割高なので注意です。

首都圏エリアの区間(JR東日本HP 参照)

座席は自由席ですので着席の保証はありませんが、首都圏エリアでは改札を出ない限り1枚のグリーン券で同一方面の列車を乗り継ぐことが可能。例えば、成田空港から熱海へ向かう場合も1枚のグリーン券で総武快速線(成田空港→東京間)、東海道線(東京→熱海間)のグリーン車に乗車できます。

また、土日祝日はホリデー料金が適用され、通常の価格よりも安く乗車できるのでおトクです。

ちなみに青春18きっぷはグリーン車指定席には無効です。瀬戸大橋線を走るマリンライナーのようにグリーン車が自由席と指定席に分かれている場合は自由席のみ乗車可能です。

JRが指定した特定区間の特急列車

宮崎空港線の宮崎空港駅

みっつめは普通列車が走っていない、または本数の少ない区間。

普通列車が極端に少ない区間など利用者の利便性を考慮した結果、特例で特急列車に乗車できる区間があります。たとえば石勝線の新得~新夕張駅間や、奥羽本線の新青森~青森駅間が該当します。当該区間内だけ乗車する場合は、別途料金を支払うことなく特急列車の自由席の乗車可能です。あくまでこの区間だけの話なので、乗り越しはできませんのでご注意ください。

また、宮崎空港線の宮崎~宮崎空港間と佐世保線の早岐~佐世保間も特急列車の自由席に乗車可能。距離は短いですが、追加料金なしで特急列車に乗車できる珍しい区間です。

特急列車に例外的に乗車できる区間
●石勝本線 (新得~新夕張駅間)
●奥羽本線 (新青森~青森駅間)
●宮崎空港線(宮崎~宮崎空港駅間)
●佐世保線 (早岐~佐世保駅間)

JRが指定した特定区間第三セクター路線

青い森鉄道の車両

一部区間のみ、JR線以外の第三セクター路線に乗車できる区間があります。

該当するのは青い森鉄道線の青森~野辺地~八戸駅間あいの風とやま鉄道線の高岡~富山駅IRいしかわ鉄道線の金沢~津幡駅間の3路線です。

この特例に共通しているのは、新幹線開業に伴って第三セクター化された路線ということ。大湊線や氷見線、七尾線など他のJR線と離れてしまって利用しづらくなった路線を利用しやすくするための救済措置といえます。

18きっぷでこれらの路線に乗る場合には条件があり、指定された駅以外での途中下車はできません。例えば、青い森鉄道の場合は青森、野辺地、八戸の3駅のみ途中下車が可能。そのほかの駅で下車したり、八戸から先、目時方面に行くことはできません。

第三セクター路線に乗車できる区間
●青い森鉄道線   (青森~八戸、青森~野辺地、野辺地~八戸駅間)
●あいの風とやま鉄道(高岡~富山駅間)
●IRいしかわ鉄道  (石川~津幡駅間)

北陸新幹線の車両

北陸新幹線をはじめ、ここ数十年で各地の新幹線が続々と延伸・開業しています。

新幹線が開業すると、今まで営業していた平行在来線はJRから切り離されて第三セクター鉄道に転換されることが決まっています。新幹線が開業するたび、18きっぷで乗車することができるJR在来線は減っていく運命にあります。

今後は2024年に北陸新幹線の金沢~敦賀延伸開業により、該当区間の北陸本線が第三セクター化することが決定しています。来年春の18きっぷのルール変更にも注意しなくてはいけません。