イベリア半島を北から東へ

10月1日(土)、東京大塚の月白亭ギャラリーさんでの
中世音楽バンド《イベロリベロ》のライブに、
たくさんのご来場ありがとうございました!

演奏者側と同じくらい(^^)熱気の溢れる客席、
本当にありがたいことです。

初めてこういった中世音楽を
お聴きになるお客様も多かったので、
間に休憩を取りながら
今回は3つのセクションに分けて演奏をしました。

最初に演奏したのは、
Martin Codax作
『恋人の歌 Cantigas de amigo』(13世紀)
から3曲。
女性が航海に出た恋人を思って歌う、恋の歌。
イベリア半島の北のヴィーゴという海辺の街で、
海をみつめながら彼の帰りを待つ
女性の気持ちを歌っています。

13世紀の『聖母マリアのカンティガ集』は、
聖母マリアを讃え、彼女が起こしてくださった奇蹟を語る
400曲余りの歌がまとまった写本です。
ここからわずかですが(^^)4曲演奏しました。

この2つは、
ガリシア・ポルトガル語(古ガリシア語)という
古い言葉で詩が書かれています。
現代のガリシア語やポルトガル語の元になったとされる言語です。
当時、この言語で詩作をするのが流行だったそうです。
ポルトガル語のいわばご先祖様、ということで、
私はポルトガル・リスボンのファドも歌うのですが、
現代のポルトガル語でも歌っていく内に、
このガリシア・ポルトガル語が
ますます近く感じられるようになりました。
そして『モンセラートの朱い本』にある10曲の歌から
アンコールで演奏した曲も含め4曲。
バルセロナ郊外にあるモンセラート修道院に伝わる
表紙が朱色の写本に、巡礼者たちの歌が10曲収められています。
ここに巡礼に来られたことを喜び、
キリストやマリアを讃えています。


『聖母マリアのカンティガ集』も
『モンセラートの朱い本』も
キリスト教の信仰が題材(内容)となっていますが、
教会の中で歌われる宗教曲というよりも、
もっと世俗的で、
市井の人々の命の躍動が感じられる内容です。

月白亭の空気と中世イベリアの音楽が交わって
まさに時空の旅。
珍しい古楽器の説明も好評でした(^^)

ご来場いただきました皆様
本当にありがとうございました。

次回のイベロリベロは
西荻窪の音や金時さんに戻って
12月6日(火)の夜です!
2022年最後のイベロリベロ、
ぜひお運びください♪

 

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