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灯りが見えた!全豪オープン12年ぶりの初戦敗退にも前を向く錦織圭

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長期の離脱から再びトップテンへの道を歩み始めた錦織圭の全豪オープンはたった一日で幕を閉じた。昨年来、コロナウイルス感染や故障、隔離生活……、相次ぐトラブルに実戦どころか練習もままならない状況で迎えた今シーズン。前哨戦のATPカップでの2連敗で暗雲の中で出場した全豪オープン。

相手は2年前の全豪オープン4回戦でスーパータイブレークの5時間5分という、自己最長の激戦の末に勝ったカレニョブスタ。2年前とは立場を変えて世界ランク16位のカレニョブスタに42位の錦織。しかも、実戦感覚が戻らない中で戦前から予想された不利な戦い。しかし、ストレート負けの中にも光明が見えた一戦だった。

 不運に泣いた錦織の一年

日本人としては大柄な178センチ、73キロの錦織圭も、プロテニスプレイヤーとしては小柄な部類。その体格のハンディを補う錦織のスピーディーなプレイスタイルは体に負担を強いて故障が多い選手。2007年のプロ入り後も度々故障に悩まされて戦線離脱を余儀なくされてきた。2009年の右肘をはじめ腹筋、右足首、左膝、左ふくらはぎ、手首、肩、上腕……、正に満身創痍でツアーを戦ってきた。

それでもなお、故障による休養の後に不死鳥のように蘇って世界ランクトップテンの常連を占めてきた錦織。しかし、2020年から今シーズンにかけての錦織はまるでツキに見放されたかのように、次から次へと予期せぬ災難に巻き込まれ続けた。コロナウイルス感染拡大によるツアー中断、自身のコロナウイルス陽性、肩の故障……で2020年シーズン終了。

更に、復活をかけた2021年もコロナウイルス禍でツアーが遅れた上に、全豪オープン出場のために乗り込んだチャーター機の搭乗者のコロナウイルス陽性により2週間の隔離生活。コートでの練習がままならないまま1週間後のATPカップ、全豪オープンとなった。明らかに練習も実戦も不足のまま迎えた全豪オープン。

 手応え感じた錦織の一戦

約5ヵ月ぶりとなった今シーズンの初戦は国別対抗戦のATPカップ。第一戦ロシアの世界ランク4位メドベージェフ戦に0ー2で敗れた錦織。続くアルゼンチン戦でも敗戦。やはり、実戦感覚が戻らない上に隔離生活による調整面での不安がもろに現れ、松岡修造氏は「元の状態に戻るには長くなりそう」と、今シーズンの苦戦を予想していた。

そして迎えた全豪オープン1回戦の相手は苦戦が予想されるカレニョブスタ。第1セットはサービスエースを決める等、お互いに2ブレイクしあい互角の展開も第11ゲームをブレイクされて落とした。第2セットもネットプレーを駆使する等して積極的に仕掛けたが、2度のブレイクチャンスを生かせずタイブレークの末に落とした。

好調時の錦織なら接戦の第1、第2セットを続けて落とす事は考えられず、粘り強く競るゲーム展開を味方に付けて勝利に導いたはず。第3セットは明らかにスタミナ不足で見た目にも動きがスローで、気力も果てていたように見えた。チャンスも少なく2ー6で簡単に取られて、ストレートで敗れて錦織の全豪オープンは初日で終わってしまった。

 復活を目指す錦織の一年

前哨戦のATPカップを見た時は、錦織らしい粘り強い上に自分から仕掛ける積極的なテニスは当分見られず苦戦するだろうと思っていた。しかし、ストレートで敗れたとはいえ、現時点では格上のカレニョブスタを相手にストローク戦で先に仕掛ける積極性が見られ、勝機もあって悪い内容の試合ではなかった。

「勝てるんじゃないかと思える程の出だしだった。感覚と球筋が良かった」と、錦織も手応えは掴んだようだ。勝機を掴めなかったのはブランクによる実戦感覚の問題。惜しむらくはドロー運の無さ。もう少しランク下の選手相手の初戦で勝ちながら調子を上げて行きたかったところ。12年ぶりの全豪オープン初戦敗退でも、しっかりと錦織の足跡は残した。

「先週はトップテンに戻れるとは言えなかったが、出来そうかなというのは少し見えてきた」という錦織。昨年来のコロナウイルス陽性、故障、入国後の隔離などを言い訳せずに底力を示した元世界4位。「試合数をこなして、勝って自信をつけて這い上がらないといけない」と言い切ったその眼は、しっかりとトップテンを見つめていた。