FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

NL上位互換で上乗せ還元、三井住友 Oliveカードの研究

SMBCグループが本気を出してきました。リテール向け新ブランドOliveのクレカは、これまでの三井住友カード(NL)の上位互換でありながら、上乗せ還元などの特典付き。何が違うかざっくりとまとめます。

Oliveのラインナップ

まずOliveのラインナップです。といっても一般カードとゴールド、プラチナプリファードの3種類があるのはNLと同様。似ているようで、微妙にデザインが違うのは面白いところ。また「両A面」とうたうように、裏面にもカード番号はありません。

下記が基本的なスペックです。概ねNLと同じなのですが、違う部分をチェックしていきましょう。

年会費が初年度無料

まずゴールドもプラチナプリファードも初年度が年会費無料です。NLもゴールドは年間100万円以上利用の条件達成で、翌年から年会費が無料になりますが、Oliveゴールドは最初から無料。初年度に100万円使えば、一回も年会費を払う必要がありません。

 

特に大きいのはプラチナプリファードですね。NLに比べて3万3000円お得です。

口座特典で+1%

還元率についてはNLと同様、継続特典も同様です。ただし、口座特典が異なります。下記の3つから、一般とゴールドは1つ、プラチナプリファードは2つ選ぶことができます。こちらは毎月選択できるようです。また申込み月と翌月は2個選択できるようです。

  1. 給与または年金受取で毎月200pt
  2. コンビニATM利用手数料月1回無料
  3. Vポイントアッププログラム+1%
  4. 月末残高1万円以上で毎月100pt

コンビニATMの手数料無料を選ぶ人はまずいないという前提で、200pt受け取りを選ぶか+1%を選ぶかの分岐点は、月間2万円以上利用するかで決まります。そんなの余裕!と思ったら注意点がありました。こちら、対象店舗が限られます。

いわゆる、三井住友カードの5%還元店舗です。ここで毎月2万円以上使うかというと、これがまた悩ましいところ。ファミレスとかコンビニのヘビーユーザーならいいのですが、個人的には微妙なところです。

 

プラチナプリファードの場合、2つ選べるので(1)の給与を付けて、(3)の+1%か(4)の100ptか悩む感じです。月間1万円以上使うなら(4)です。

Oliveアカウントにログインで+1%

もう一つ、共通IDであるSMBC IDでOliveアカウントにログインすればそれだけで+1%です。まぁこれは基本ボーナスと言う感じですね。

SBI証券で投信買付1回で+0.5%

さらにSBI証券で投信を買い付ければ+0.5%。これはおそらくクレカ積立も対象になると思うので、まず全員問題なく付与になるのではないかと思われます。

SBI証券で国内株or米国株取引で+0.5%

そして国内か米国の株取引で+0.5%。クロスをやっていれば自然と達成ですし、SBI証券は1日100万円まで手数料無料なので、忘れずに何かやればOKです。相場変動が気になるならクロスすればいいと思います。

NLに上乗せなのは実質3%、しかも特定店舗

というわけで、合計すると3%。これがNLよりも上乗せされる還元率です。しかも特定店舗なので、微妙といえば微妙です。

達成が厳しい条件

もちろん、Oliveカードは最大15%還元をうたっており、さらに2%アップさせることも可能です。一つは三井住友銀行での住宅ローン契約で+1%。これはそのためにやるものではなく、そうなっている人に向けた特典ですね。2つ目は、SBI証券でNISA/つみたてNISA口座が30万円以上ですが、こちらはSMBCから仲介されたSBI証券の口座でしかつきません。これもけっこう高いハードルだと思います。

 

そんなわけで確かに計算上は15%還元ですが、実質上乗せは+3%。家族ゼロの状態で、8%還元が順当な還元率です。まぁコンビニ(ファミマ除く)で常時8%還元というのは小さくはありませんけど。

Oliveのデメリットとか制約

最初にNLの上位互換と書きましたが、Oliveには制約もあります。そこを把握しておきましょう。まず三井住友銀行引き落としが必須だということです。メインカードをOliveにするなら、給与振込口座も三井住友銀行にする流れ。これはそこそこ面倒ですね。まぁ面倒なだけですけど。

 

給与は三井住友銀行に振り込んで、定額自動振り込みで従来の給与受け取り銀行である住信SBIネット銀行に送ろうかと思ったのですが、振込手数料の優遇というのは三井住友銀行にはないようです。というわけで、資金移動は証券会社を経由するしかなく、これは自動化できないのでけっこう面倒。

 

一応、PayPay銀行への振り込みは無料にできるようなのですが、PayPay銀行がこれまた手数料無料がありません。というか、給与受け取りをすれば振り込み3回無料なのですが、給与は三井住友銀行で受け取ってしまっています。なかなか難しいものです。

 

2つ目は、Visaブランドしか存在しないことです。Oliveカードは、1枚でクレジットカード、デビットカード、Vポイントのバーチャルカードの3つのカード番号を持っています。決済時、Oliveアプリで設定したところから引き落とされる仕組みです。これはネットワークに決済情報が流れたあとに切り替えるマルチペイメントという技術をVisaと一緒に開発したもの。というわけで、Mastercardが選べません。

 

au PAYには三井住友カードはMastercardしかチャージできませんし、世の中にはMastercard以外NGというものがそこそこあります。選ぶなら、VisaよりもMastercardを選んだほうが自由度が高い場合もあって、これはOliveのネックの一つになるでしょう。

100万円修行をやったのに……

それから、既存のNLカードをアップグレードできないのも課題です。ゴールドカードユーザーにしてみたら「また100万円修行するの?」ということでしょうし、3万3000円の年会費を払ってプラチナプリファードを作ったばかりの人にとっては、タッチの差で高いお金を払わされたという思いがあります。

 

三井住友カード側は「追加で申し込んでもらえればOK」というのですが、

  • 果たしてプラチナプリファード2枚目の審査に通るのか
  • 不要になった1枚目のプラチナプリファードを解約して、今後の審査に影響はないのか

など、不安はつきません。カードの審査については各社「全くコメントできません」というのが常なので、もう少し既存ユーザーについては配慮してほしいところです。

 

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