【指導法】基礎を丁寧に指導すると、中2範囲が一瞬です

指導法
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良い例が私の生徒さんにいらっしゃいましたので、
簡単に紹介してみようと思います。

指導前の状態

  • 四則演算の簡単な計算以外ほぼ全滅
  • 割り算シドロモドロ
  • 例題の処理をそのままコピーするかのように使用していた
    (通分を常に同じ数で行う、四捨五入は常に十の位を5にする、等)
  • 100ます計算5分超え

定期テストで20点がやっとの生徒さんでしたが、
点数云々よりも間違い方に問題がありすぎて
他の子よりずっと時間が掛かる子でした。

指導の考え方

  • 基礎と言いますか、全ての単元の原理を丁寧に説明
  • 四則計算の式の読み方、四則計算の意味から説明
  • 道具を使って原理を意識させ、理解に繋げる
  • 途中式を全て書かせる
  • 頭に保持したがる数字の何もかもを書き出させる
  • 処理の後をすべて残させる
  • すぐ計算できる暗算以外は書いて計算させる

ある程度柔軟に処理できる方にここまでやると多少苦痛に
感じるでしょうが、この子には必要でした。できるとはどう
いうことか、結局楽に処理するにはどうすればいいのかを
体感させるに、何もかもを書き出させるしかないようです。

最初はある程度柔軟に見ていましたが、途中をショートカット
して同じ壁に何度もぶち当たる癖が直らないので、最終的に
全て書き出させる方向で統一したところ急激に伸び始めました。

この辺は生徒さんの状況を見て調整が必要だと思います。
移項や分配処理も、躓いている子ほど補助を書けば書くほど
安定するように見えます。ここに関しては、私の今までの
生徒さんたち全員に言えることで、例外はないかもしれません。

そのくらい処理の意味合いにまで意識が向いている子が
いないということなのですけれども。

基礎固めに必要だった期間

基礎固めには極めて時間が掛かることを
多くの方が知りません。だから流行らないのですけれど。

  • 方程式ができるようになるのに9ヶ月
  • 分数が割と安定して解けるようになるのに8ヶ月ほど。
    説明し直し10回以上。
  • 2xとx²を見極めできるようになるのに8ヶ月ほど
  • 正負の計算ができるようになるのに半年
  • マイナス同士の足し算をプラスにするミスが極めて根深く、
    原理の説明と道具を使って考えさせる授業を10回以上実施。
    9ヶ月経ってもたまに間違えるが、すぐ直せるようになる

個人的な意見ですが、かけ算は意味合いを理解させるべきと
思うのですが……。分かってしまえば、後が楽になりますから。

基礎を固めた後は急激に伸びる

  • 中2の計算分野は一週間で終了
  • 平方根の和差については、文字式の計算を引用して瞬殺
  • 中1基礎固め終了後、2ヶ月後には入試の計算問題を解いている

考える土台が無い子たちなので文章題が解ける訳では
ないのですが、例題の計算問題で四苦八苦していたところが
ガンガン解けるようになるので、様々なところによい影響が
出るようになります。

この辺まで到達してようやく数学が楽しい、面白いという
言葉が明確に出てくるようになりますので、点数が取れない
ままでもいいから勉強を好きになって欲しいという想いが
どれだけ無茶なのか、ご理解頂きたいと切に思います。
(保護者様からの要望として極めて多い)

成績は直線的には伸びていかない

勉強時間と習得度は比例すると無意識に考えていらっしゃる
方が多いのですが、勉強の分野に関しては、基礎を丁寧に
修めると、その後急激に伸びることが知られています。

ある程度以上勉強してきた方であればよく知っている
ことですが、世間ではあまり知られていないように思います。

教育業界が勉強時間と習得度が比例するかのように
宣伝しているのがそもそもの問題じゃないかと思うの
ですけれども、あまり詳しく言いませんよね。

学校はもうそこまでできないと思うので仕方ないのですが、
基礎を丁寧に指導する塾が、もう少し広まってもいいの
ではないかと思うのですけれども。

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