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DAZN観戦 2023年J3リーグ第1節 鹿児島ユナイテッドFCvsFC大阪

2023-03-09 16:01:03 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

目出度く、いやようやくと言うべきか、今季からJリーグの戦いの場に足を踏み入れる事となったFC大阪。
大阪第3のJリーグクラブとして異彩を放つ存在になるかどうか注目ですが、既にホームグラウンドが花園ラグビー場という他競技のものな時点で、その下地は既に整っているようでもあり。
しかし今季から導入されたJFLへの降格制度もあり、何時までも浮ついては居られず。
スタメンの中には懐かしの禹相皓(ウサンホ)を始め、過去Jリーグに在籍していた選手が6人と過半数。

開幕節の相手は、前年3位で惜しくもJ2昇格を逃したという、目下最上位の立場であろう鹿児島。
どう見ても苦戦は免れ得ないカードでしょうが、その強豪に対し物怖じせず、入りから仕掛けていきます。
早くも久保が飛距離の長いスローインから好機を作り。
するとその直後の前半2分、相手のクリアボールを谷口がダイレクトで左サイド奥へ送り、利根が収めた事で深めでの攻撃。
ディフェンスにも負けずにキープを続けると、そこに加わったのは逆の右サイドバックである美馬で、ダイレクトのクロス。
そして島田がニアで合わせボレーシュートと、セオリーを無視したような流れでフィニッシュに繋げると、見事にゴールネットを揺らします。
強敵に対する奇襲が決まった、という表現が相応しい先制点を挙げたFC大阪。

いきなりリードを奪われる事態となった鹿児島、ホームという事もあり目の色を変えて攻め上がり。
SBを高く上げてのビルドアップを下地とした分厚いサイドアタックで攻撃権を支配、というのは前年までと変わらず。
そこに前年までいわきに居た鈴木が、左サイドでターゲットとなる事でパターンを増やしたという格好でしょうか。

7分ロメロの収めから左サイドで攻撃、薩川のスルーパスを受けた鈴木が奥から低いクロス。
中央で受けた河辺のポストプレイから中原がミドルシュート、エリア内でブロックされるも尚も繋ぎ、右サイド手前からのクロス。
これを薩川落とし→ロメロ右ポケットからシュート気味のクロス→ファーで鈴木コースを変えるという具合に流れるように繋ぎましたが、シュートは浮いてしまい枠外に。
13分にはコーナーキックから、ここも中原がミドルシュートを放つと混戦が生まれ、有田がエリア内右からシュートするもここもサイドネット外に終わります。

ここまでは鹿児島のフィニッシュ攻勢に対し、巧く挙げたリードを守るべくゴール前で専守を強いられるといった試合絵図のFC大阪。
しかし16分に中盤でのボール奪取からパスワークを展開し、左サイドから斜めの縦パスを受けた古川がエリア内を突いてシュート。(右へ逸れてタッチを割る)
一つポゼッションからの攻撃を決めた事で手応えを得たでしょうか。
その後はプレッシングも様になるようになり、鹿児島に容易に攻撃機会を与えず。
激しいトランジションの応酬にも耐え、互角の展開を演じます。
31分には鹿児島のプレッシングを受けるも、一旦戻したのちGK永井が裏を突くロングフィード、それを上がっていた左SB齊藤が受けるという疑似カウンターのような攻めも披露。
昇格クラブらしからぬ(?)、中々の奥深さを見せます。

そんなFC大阪のサッカーをまともに受けてしまっていた鹿児島。
FC大阪のターゲット・島田に対するチャージを繰り返してしまい、その所為で島田がヒートアップする事態を招く(28分)など、精神面でもやや受けに回っていたでしょうか。
時間も押し迫った事で同点にするべく再び攻め上がり、37分に決定機。
最終ラインの展開から、右サイドで河辺が持ち上がると手前からグラウンダーでのクロスを選択。
ニアサイドで跳び込んだ有田には合わずも、ファーサイドの鈴木が跳び込んでシュート。
しかしゴールから至近距離で放たれたこのシュートは左ゴールポストを直撃と、惜しい所で決めきれず。
尚もボールを繋ぎ、左ポケットからロメロのグラウンダーでのクロスをファーで河辺が合わせるも、眼前での齊藤のディフェンスでズレてジャストミート出来ず。

尚も攻め込む鹿児島ですが、40分には再び島田へのチャージで(岡本が)反則を取られ、右サイドからのフリーキックを得るFC大阪。
浅い位置ながらも、上がったクロスの跳ね返りを島田がミドルシュートに繋げる(枠外)という具合に、不用意なセットプレーからの一撃には気を付けたい所。
0-1のままスコアが動かず、突入したアディショナルタイムでは逆にターゲットとなった鈴木が美馬に倒され反則、左サイドからのFKを得る鹿児島。
これをキッカー薩川は意表をついて同サイドへのスルーパス、走り込んだ中原のクロスと変化を付け、こぼれ球を拾った山口がシュートするもジャストミートせず。
結局前半はFC大阪のリードで終える事となりました。

共に交代は無く迎えた後半。
先に好機を作ったのはFC大阪で、今度は右サイドでのスローイン、久保が素直にロングスローを入れる立ち回り。(後半3分)
リードを最大限に生かし守備を固めつつ、得たワンチャンスをモノにするという意識が高まりを見せたでしょうか。

その通りにその後鹿児島が攻撃権を支配する流れとなるも、中々フィニッシュには辿り着けず。
前年と違って早い段階でのクロスがこの日は目立っていましたが、一旦FC大阪のディフェンスに絡まってしまうと、人数を掛けてのパスワークを余儀なくされ。
そしてそこでのパスのズレが目立つなど、開幕戦による緊張のためか、思うようにボールポゼッションを強められません。
次第に苛立ちも高まりつつあったようで、14分にはまたも島田に対するチャージで、反則を取られた岡本が警告を受け。
納得出来ないという気持ちはベンチの方が強く、大嶽直人監督による大声での異議が響き渡る事となります。

そんな状況の中の16分、右サイドで拾ったロメロから逆サイドへと展開し、薩川がクロスを入れる場面に繋げ。
最初のクロスは不発も、尚も繋いで再び薩川がクロスを入れると、クリアボールを拾った渡邉が右ハーフレーンからミドルシュート。
しかし地を這うこのシュートも、ブロックを掠めた末にゴール左へ際どく外れと、どうしてもモノに出来ない鹿児島。
その窮状を受け、17分にベンチが動き2枚替え。
ロメロ・有田→端戸・山本へ交代(鈴木が1トップに回り、左サイドハーフに山本)と、前線を代える事で無理矢理にでも試合を動かしにかかったでしょうか。

尚、同時にFC大阪も利根→宇高へと交代。
それと時を同じくして、島田がコンタクトレンズの異常が起こったらしくピッチ外に出るという一時的な数的優位になった鹿児島でしたが、得たのはCKのみと不発に終わり。

23分に再び、島田が広瀬のチャージを受けて反則の笛が鳴り、またも大嶽監督が異議を飛ばすというシーンが描かれる鹿児島。
苛立ちを判定にぶつけるという美しくない絵図を頻発させてしまいます。
しかし直後の24分に、FC大阪が左サイド奥から宇高がカットインという好機を作ると、エリア内に進入した所広瀬に倒され。
ここで反則の笛は鳴らずと、今度は判定に命拾いしたといった様相に。
こういった流れを受け、ジャッジはある程度水物と割り切り以降の試合を戦ってもらいたいものです。

試合の方は、上記の異議のシーン以降FC大阪がにわかに押し込む流れに。
26分には右サイドからの前進で、一旦岡本に奪われるもプレッシャーを掛けて縦パスを久保がカット。
そこから斜めに向かうドリブルで右ポケットを突き、シュートを放った久保でしたが右サイドネット外側と追加点はならず。
直後に3枚替えを敢行するFC大阪、古川・島田・谷口を退かせ、田中と舘野そしてンダウ・ターラを投入します。

大型のハーフFWとして圧を掛ける存在のターラですが、以降FC大阪の立ち回りは守備重視に。
センターバックの谷口が退いた事で齊藤がその穴に回り、舘野が左SBを務める最終ラインの布陣変更。
その後ターラ・田中は最終ラインまでプレッシングを掛けにいくも、SHはそれに連動せず、鹿児島の攻めに対して時には5バックになるという押し込まれぶりを見せます。

そして32分に再び双方選手交代。
河辺→五領へと交代した鹿児島に対し、FC大阪は美馬→岩本に交代。
これで酒井を中央とした3バック、つまり完全な5バックシステム(ターラ1トップの3-4-2-1)へと移行します。(宇高が右ウイングバックの位置へ回る)

しかしその直後の33分に、コンバートした宇高が山本に対するアフターチャージで反則、左サイドからのFKを得る鹿児島。
キッカー五領ニアにクロス→山本足でフリックという流れでゴール前へボールが浮き上がり、こぼれ球を拾った端戸が左からシュート。
GK永井がセーブし、尚も跳ね返りを山本がボレーシュートで詰めましたが、これも永井が横っ飛びでセーブと間一髪で凌ぎます。

どうしても同点ゴールが生まれず、「これだけやったのに……」という焦燥に駆られる鹿児島。
35分にはパスミスからFC大阪のカウンターを受け、久保のクロスをエリア内左で収めた田中がシュート(ブロック)と動揺を隠せません。

気を取り直し、何とかFC大阪ディフェンスの隙を伺う鹿児島。
サイドチェンジの割合を多くしつつ、右サイドの攻略に端戸が開いて加わり、彼の得意手であるポストプレイを交えながらクロスにまで持っていきます。

そしてそれが打開のカギとなり、44分に端戸のポストプレイが齊藤に倒されるも五領が拾ってアドバンテージ、奥へ進入してクロス。
クリアされて右CKを得ると、ここも五領がキッカーを務め、中央に上げられたクロスに合わせたのは広瀬。
ドンピシャでヘディングシュートをゴール左へと突き刺し、とうとうこじ開けて同点に追い付きます。

「あと少しで勝利だったのに……」と、今度は逆にFC大阪が焦燥感を露わにする展開に。
何とかそれに抗わんとしたATですが、現実はあまりにも非情であり。
今度は流れの中からの攻撃ですが、既に時間も少ない中ロングボールを選択する鹿児島。
既にFC大阪ディフェンスは跳ね返す余裕が無く、エリア内左で鈴木が落とした事で混戦が生まれた末に、拾った山口がシュート。
ブロックで防ぐも、浮いたボールを岩本がクリアミス、足下に転がるボールをすかさず奪った薩川が左ポケット奥からシュート。
GK永井の右を破って右サイドネットに突き刺さる、劇的な勝ち越し点となりました。
鹿児島サイドが歓喜の輪を作る中、落胆の色を露わにするFC大阪メンバー。

その後鹿児島が残っていた交代枠を使ったのち(鈴木→戸根へ交代、恐らくこちらも3-4-2-1へシフトか)、FC大阪は何とか久保がロングスローを入れる体勢を作り、全てを賭ける事に。
しかし投げ入れられたボールはGK大内が直接キャッチして実らず。
最後は鹿児島が左サイド奥でボールキープする体勢を作った末に、試合終了の笛が鳴り響きました。

いきなりJリーグの戦いの厳しさを味わう結末となったFC大阪でしたが、それまでの善戦ぶりが無ければそうした事も生まれなかった訳で。
鹿児島サイドをここまで苦しめたという自信は、今後のためにも持つべき要素でしょう。


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