ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

『木村伊兵衛回顧展』が開かれるープロローグ

2021年11月10日 17時27分12秒 | 写真とカメラ
『木村伊兵衛回顧展』が今週末(11月13日)から秋田県立美術館で始まる。
木村伊兵衛といえば日本を代表とする写真家でライカ使いの名手とも言われている。「回顧展」と銘打っているからには氏の作品のほとんどが見れるだろうと期待しているのである。

さて、貰ってきたチラシに次の写真があった。
この写真は戦前の沖縄で撮られたものである。当時の沖縄の人々の平穏な暮らしぶりがうかがえるのどかなスナップである。
この写真が撮られた年号に注目したい。1936年となっている。1936年には世界で何が起きていたのかを見てみよう。日本に関したことでは「日独防共協定」が結ばれている。またヨーロッパではスペイン内戦(スペイン市民戦争とも言う)が起こっている。
さて、そのスペインでの様子をカメラに納めた人がいる。
ロバート=キャパ(本名、アンドレ・フリードマン)である。彼の代表作と目されているのが『崩れゆく兵士』だ。この写真はライカを使って撮られたと言われている。(これについては沢木耕太郎氏はキャパが撮ったのではなく彼の恋人が撮ったと言う説を近年、主張している)

この写真はLIFE誌に取り上げられたことで、キャパを世界的なキャメラマンにさせた歴史的な作品である。この写真はスペイン市民戦争の最中1936年9月5日に撮られている。

木村伊兵衛は1901年生まれである。一方、ロバート・キャパは1913年にハンガリーのブダペストで生まれている。歳の差は木村の方が12歳年上になる。木村伊兵衛はLIFEに載ったキャパのこの写真を見ただろうか、などという妄想が浮かび上がる。
何はともあれ、「木村伊兵衛回顧展」は楽しみである。年齢を経ることで撮る対象や技法にどんな変化があるのだろうか、などと私の妄想はとどまることを知らないのである。
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