村松稔之 歌曲集「ひとりの対話」より「くちなし」 透き通った声が見事にはまっています | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります

 

久し振りに村松稔之さんのYouTubeチャンネルを見るといくつかの動画が増えていました。それで何気なく聴き始めたこの「くちなし」に惹き込まれました。ストレートで清潔さを感じさせる村松さんの声と歌唱が高野喜久雄の詩をすうっと自然に心の中に届けてくれるようです。

 

高野喜久雄作詩 高田三郎作曲、というと随分たくさんの合唱曲で体験したコンビの作品です。

 

荒れていた庭 片隅に
亡き父が植えたくちなし
年ごとに かおり高く
花はふえ
今年は十九の実がついた
くちなしの木に
くちなしの花が咲き
実がついた
ただ それだけのことなのに
ふるえる
ふるえるわたしのこころ
「ごらん くちなしの実を ごらん
熟しても 口を開かぬ くちなしの実だ」
とある日の 父のことば
父の祈り
くちなしの実よ
くちなしの実のように
待ちこがれつつ
ひたすらに こがれ生きよ
と父はいう
今も どこかで父はいう

 

「ひたすらに こがれ生きよ」なんて言葉の使い方に、いかにも高野喜久雄の詩だな、などと思わずにやっとしてしまうところもあったりするのですが、合唱曲で触れてきた高田三郎、高野喜久雄とはまたちょっと違った親しみやすさというか身近な生活感を感じさせる曲のような気がします。

 

そして、そこにカウンターテナー村松さんの透き通った声が見事にはまっているのです。

 

ああ、いいなあ。

 

こう言った歌曲をもっと聴きたい、と思いました。

出来ればこの歌曲集も全曲聴かせて欲しいな、と。

 

村松稔之さんのYouTubeチャンネル

 

今度はどんな動画がアップされるか、とても楽しみなYouTubeチャンネルです。