チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 ブルックナーミサ曲第3番 巨大な音楽 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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昨日の記事にチェリビダッケの指揮したバッハの「ロ短調ミサ曲」を聴いたことを書きました。

もの凄い演奏、と思いながらも首をひねるところも多い演奏だったと思います。その少し前には名演として有名なブルックナーの交響曲第8番のリスボンでのライヴ録音を聴き、それには圧倒的なものを感じさせられました。一つ一つの演奏への賛否はともかく、チェリビダッケという指揮者の演奏は触れる度に何か大きなものを残していくようです。

 

今日はこれも久し振りに、チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のブルックナーのミサ曲第3番を聴いてみました。1990年3月6日&9日、ミュンヘンのガスタイク・ザールでのライブ、だそうです。

 

「1867~68年に作曲。ブルックナーがウィーンに移住した後の1872年6月に同地で初演された。
その後作曲者本人によって1881年までの間に数回改訂されているが、1894年の初版譜は「シャルク改訂版」であった。」(ブルックナー ミサ曲第3番 より)

 

ブルックナーの11曲ある交響曲の作曲年代と比較すると、この曲が作曲された1867~68年と言うのは第00番と第1番が作曲された後、第0番は1869年、第2番が1872年ですから、第1番と第0番の間という事になるようです。(第0番は第1番より後に作曲されています。) ブルックナーは年こそ40代の半ばになっていましたが彼の作品としては初期の作品、と言えると思います。

 

しかし。

 

このチェリビダッケの演奏から聞こえてくる音楽。

 

ここにあるのは圧倒的に巨大な音楽でした。

 

ただ遅いばかりでは無く、微かに聞こえてくるようなピアニッシモから地を揺るがすようなフォルティシモまでのダイナミックレンジ。そして一瞬も途切れることの無い緊張感。

 

聴きながらに思わず居住まいを正さなければいけないような気分にさせられる、やはりこれは素晴らしい演奏でした。

 

 

 

ブルックナー:ミサ曲第3番

通常より10分以上も長い演奏だが、歌手をはじめとして多くの演奏家が凄い緊張感をもっていたことが聴くだけでわかるような神秘性をも秘めた名演。ブルックナーの敬虔な心が現れている。

 

ブルックナー:ミサ曲第3番ヘ短調
 マーガレット・プライス(ソプラノ)
 ドリス・ゾッフェル(アルト)
 ペーター・シュトラーカ(テナー)
 マティアス・ヘレ(バス)
 ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 セルジウ・チェリビダッケ(指揮)