新たなリハビリトレーニング開始へ

2020年1月末に半月板損傷縫合、脛骨高位骨切り手術を受け、2021年1月21日に脛の骨を固定していたチタンプレート、ボルト11本を抜釘。異物が身体から消えて5か月程経過したが、従来のリハビリではなかなか思うような膝の状態を得られなくて焦燥感にさいなまれる日々をおくっていた。そこで、ずいぶん以前から取り組もうと考えていたBFRトレーニング、いわゆる血流制限トレーニングなのだが、それにトライすることで現状打破を図ろうとした。

血流制限トレーニング、つまり加圧トレーニングは30歳ごろに、府中市にある佐藤義昭氏の経営するトレーニングジムで合計10回ほど指導を受けたことがある。東大の駒場のトレ体でたまたまお会いした佐藤氏の話に興味を持ち、その中身について尋ねると「ジムに来なさい」の一言だった。どこでどう加圧トレーニングの原理を知ったのかは記憶に無いが、要するに筋肉の酸素濃度を低くし、速筋繊維が優位に働く環境設定し、最大筋力のせいぜい20~40%の重量でハイレップスで行うものだと知ったのは、その後ひと月ほどだったか・・・。

佐藤義昭氏のジムの門を叩いたは良いが、あまりのトレーニングのきつさに、2,3回はトレーニング後に嘔吐したことを覚えている。もちろん、嘔吐した時はトレーニング前の食べ物にも原因があったので、嘔吐後は工夫をして対処した。甘酸っぱいものが嗚咽とともに口から噴出するのは耐えがたい瞬間だった・・・。

その加圧トレーニングの特許とやらが切れて間もなく、山本義徳氏が中心となってBFRトレーニングが出現。かいつまんで説明すると、以前佐藤氏のジムで受けた加圧よりずいぶん低い圧でのトレーニングで、これは取り組みやすいのではないかと思ったのだ。でも、それ以降右膝の具合が悪化し、先に述べた手術を経験したため、すっと忘れてしまっていたのだ。

確か、山本義徳氏に直接尋ねて、指導できるジムを教えてもらったのが早稲田大学の近くにある「サワキジム」。その日は小雨の降る、寒いような、蒸し暑いような嫌な日だったが、加圧トレーニングのことで頭がいっぱいで、全く気にならなかった。方向音痴気味な最近の自分なので、トレーナーさんに近所まで迎えに来てもらい、予約時間の15分前に到着。一組のご夫婦が指導を受けているのだが、普段運動していないんだろうなあ、という体型のお二人。トレーナーさんとの会話で、仕事が忙しく、子供もいるので、なかなか運動する時間が取れないらしいことを知った。忙しいながらもあのように夫婦でジムに来て効果的な指導を受けるというのは尊敬に値するなと思った。

さて、事前説明もそこそこに早速加圧トレーニング開始。というのも、自分が以前加圧トレーニングを受けたことがあると話したことで、一気に実技に入ったというのが本当の所で、圧力は100を指していたものの、おそらく初心者向けの内容では無かったかと思えるぐらいの内容だった。

スクワット20回×3セット、ステップアップ20回×3セット、ダンベルカール20回×3セット、トライせプスキックバック20回×3セットをこなした。脚に巻く場合は最長5分、腕は10分までと何度も言われたが、これを守らないと危ないそうだ。どうしても厳しく、きつくやれば効果が上がると思いがちだが、今や適度な負荷で最大の効果を得る時代になったウエイトの世界。すでに50代になり、若い日のようにヘビーウエイトトレーニングが不用になった今、これぞ求めていたトレーニングだと確信した。

少し張り切り過ぎて、何故か右の背筋が硬化してまい、右殿筋が痛くなった。おそらくスクワットが原因だと思うが、右の股関節と左の股関節の柔軟性の差によるものかなと思える。スクワットは避けて、ステップアップで片方片方に負荷がかかるようにした方が良いと感じた。

また、トレーニング直後から感じたのだが、右膝関節(手術した膝)の伸展が満足にできなかったのが、ほぼ100%に近いところまで改善。いつも鵞足や内側が腫れた状態だったが、トレーニング直後から腫れが引いた感じになった。血流制限が腫れをも引かせ、膝の伸展位をも改善させる効果があるとは驚きだ。

こうなると週に3回もトレーニングにはまりそうだが、3,4日後もまたトレーニングする気が起きなかった。たぶん長らく負荷をかけていなかった身体にあれだけの負荷がかかっただけで、相当な負担になったのだろう。ここから学習すべきは、1回のトレーニングでは「これだけ?」と思えるぐらいのボリュームで済ませて良いということ。で、メニューを作ってみた。

脚の日:加圧ベルトを巻いた後に自転車で5分ほどゆっくり走り、外して10分休憩。再度、加圧ベルト巻いてステップアップ(37センチの台)を5分。左足開始で10回、右脚開始で10回を休みを挟まず、開始から5分になるまで。

腕の日:加圧ベルトを巻いてダンベルを持たずに腕を収縮させる。10数回行えば良い。家にあるダンベルは最小が5㎏。これでカールを20回3セット。キックバックはあまり収縮が得にくが、まずはダンベル無しで収縮を強調してキックバック。できればリバースディップスであまり深く下げないで収縮を繰り返す。これでパンパンだろう。

番外編:カール、ショルダープレス、フライ、サイドレイズ、ベントオーバーサイドレイズの5種目を各20回3セット行うというもの。相当きついだろうね。


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