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MIDIキーボードはシンセサイザーの代わりになるか?

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バンドで鍵盤を弾く、となったときにシンセサイザーの購入を検討することになるかと思うのですが、とくに最初の一台ってめちゃくちゃ迷いますよね。
乱暴に結論だけ言ってしまえば、「とりあえずYAMAHA/KORG/Rolandの中から好きなメーカーの初級者向けシンセサイザーを選べばどれでもOK。でも予算に余裕があるなら中級者向けのほうが尚良し。上級者向けのは最初は絶対手を出さないほうがいい」で事足りてしまうのですが、少しDTMや鍵盤の種類についての知識がある人だと
「MIDIキーボード+PCで、シンセサイザーっぽくできないの?」
と思うかもしれません。

というわけで、今回はMIDIキーボードとシンセサイザーの違いをまとめつつ、MIDIキーボードはシンセサイザーの代わりになるか? を考えてみたいと思います!

※本記事では、特別な記載がない限りシンセサイザー=デジタルシンセサイザーを想定しています。

MIDIキーボードとシンセサイザーの違いは?

まずはMIDIキーボードとシンセサイザーの違いをざっくり見ていきましょう。

MIDIキーボード

主にDTMで打ち込みを行う際に使用する、鍵盤タイプの入力装置。
PCにつないで音を鳴らすことを想定しているため、MIDIキーボード自体には音源が内蔵されていない=ただ電源を入れただけでは音が鳴りません(一部、音源内蔵型のMIDIキーボードも存在しますが多くはないです)。

また、打ち込み作業用を想定しているため、机に置きやすく移動させやすいようにコンパクト&軽量な作りになっているのも特徴です。
その分、鍵盤数も少ないものが多く、49鍵以下のものが大半になります。ピアノ曲のように広い鍵盤を弾くような演奏は現実的ではありません。
中には、いわゆるピアノライクな鍵盤ではなくボタン風鍵盤になっているようなものもあります。そこまでコンパクトなものだとフットペダル(ピアノのサステイン等に使用)が接続できない可能性もあるので注意が必要です。

内蔵音源がないこと、コンパクト&軽量であることから価格も比較的安価で、3,000円前後〜高くても2万円前後で買えるものがほとんどです。

シンセサイザー

多彩な音源を内蔵した鍵盤楽器。ピアノやストリングス、管楽器やオルガンといった生楽器の音色はもちろん、いわゆるピコピコした電子音も鳴らしたり、さらに音色を編集(変更)したりもできます。

また、最近のシンセサイザーはMIDI端子やUSB接続端子を持っているため、シンセサイザーをPCとつないで、MIDIキーボード代わりにして打ち込みに使用したりPC側の音源を使用して演奏することも可能です。

シンセサイザーは、ライブ等でそれ一台で完結して演奏できることを想定しているため、鍵盤自体の質も作り込まれています。
ピアノのような重めの鍵盤からキーボードらしいライトなタッチまで、そしてその中間の弾き心地のものなど、メーカーや機種ごとに個性があります。

内蔵音源があること、鍵盤の弾き心地が作り込まれていることなどから、シンセサイザーのほうが価格的には圧倒的に高くなります。
主要メーカーの初級モデルで7万円前後、ハイグレードモデルだと30万円前後になるものもあります…!

MIDIキーボードをシンセサイザー代わりにする場合に必要なもの

なお、MIDIキーボードを市販のシンセサイザー代わりに使う場合、MIDIキーボード以外にも必要になるものがあります。

PC

後述のDTMソフトと音源を動かすためのPCがまず必要になります。
音楽制作環境として考えると、Windowsは昔に比べたら徐々に整いつつあるとはいえ、まだまだMacの方がDTMソフトや音源の選択肢が幅広く充実しています。
また、ライブ等で家から持ち出して使用したいのであればノートPCである必要があります。
Macで検討する場合、DTM用途を想定するのであればある程度のマシンスペックも必要なため、MacBook Airだとかなり厳しい感じです。

現行(2021年1月時点)のMacBook Pro 13インチが134,800円(税別)から、HDDが256GBしかないので今後音源等を足していくならかなり心もとないです(音源セット1パックあたり30〜50GBとかがザラなので…)。

この時点で、新しくMacを買わないといけないのであればシンセを買うより高くつきますね…。

DTMソフトとソフトウェア音源

さらに、MIDIキーボードを制御するためのDTMソフトと、音源そのものも必要です。
Macであれば無料でGarageBandが付いてくるので、まずはそれを試しながら後々DTMソフトの購入を検討するのでもOKです。
が、問題はソフトウェア音源。GarageBandにも多少の無料音源が入っていたり、フリーで手に入る音源もありますが、正直、音がイマイチすぎて実用性にはかなり乏しいです。ちゃんと購入した音源や、シンセサイザーの音源に比べて、プラスチックくらいのチープさが伴う感じです…(イメージ)。
音源の価格もそこそこ幅がありますが、単色音源(ピアノシリーズ、など、単一の音色のバリエーションに特化したもの)で1〜3万円程度、マルチ音源(複数の音色が入っているパック)で3〜5万円程度が目安になります。

ちなみに、近年だと上記のPC+音源をiPad本体+音源アプリに置き換えて使えるケースもあります。
MIDIキーボード側が対応しているかどうかの確認が必要になりますが、今後はこういうパターンが増えていく可能性はありそうです。
そう考えると、将来的にはMIDIキーボードとシンセサイザーとの垣根というのもなくなっていくかもしれませんね。

MIDIキーボードとシンセサイザーでは、役割がちょっと違う

以上を踏まえると、MIDIキーボードとシンセサイザーでは、できることや役割がちょっと違いそうだというのが見えてきますね。

MIDIキーボードで演奏するとしたら…

  • 鍵盤数が少ない&シンセに比べたら作りが簡素なので、自分でガッツリ弾きまくるタイプの演奏には向かないが、その分軽量・コンパクト
  • MIDIキーボード以外にも必要なハード・ソフトがかなり高価
  • 音源の拡張性があるのは魅力的
  • DTM環境と連動して、サンプリング音源を駆使して華やかさを出していくのはやりやすいが、環境構築や操作に慣れるのに時間とお金が必要

シンセサイザーで演奏するとしたら…

  • 本体そのものは高価だが、1台買えば大抵のことは事足りるので便利
  • DTM+MIDIキーボードに比べたら操作に慣れるのが早い(わかりやすい)
  • 自在なフレーズをがっつり弾くなら、鍵盤数も多いシンセのほうが向いている
  • やろうと思えば、PC等とつないで外部音源を使うことも可能
  • 演奏そのものの自由度・演奏感の良さはシンセ一択だが、その分演奏技術が必要

こんな感じでしょうか。
MIDIキーボードをシンセサイザーの代わりにする、と考えるよりは、それぞれの特性を踏まえてどちらが必要か? を考えた方が後悔はしなさそうです。

なお、アーティストの楽曲をコピーして演奏する形式のバンドであれば、シンセサイザーのほうが扱いやすいかと思います。
本体一台で完結するので、本体の操作さえ理解してしまえばすぐに音色を選んで演奏できる手軽さは、シンセサイザーの強みといえます。

逆にMIDIキーボード+PCであれば、演奏技術に自信がなくてもサンプリング音源などを組み合わせて雰囲気を作っていくことができるので、楽曲のカバーをしたり自分たちでオリジナル曲を作っていくときには強い味方になってくれます。

なかなかわかりづらい鍵盤楽器の分野ですが、参考になりましたら幸いです。
ではでは皆さま、素敵な鍵盤ライフをー◎


全然どうでもいい話なんですが、タイトルを書いてから、言い回しが「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」みたいだなぁと思いました。

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