まぁね…長玉が好きな私としては、スナップは50mm以上がお気に入りでしたが、改めて35mmでスナップすると、やっぱり35mmはスナップに向いているでござる…と、思わざるを得ないですね。
それに開放絞りで撮るのが大好きな私は、35mmのレンズだとピンボケになりにくく、安心して開放付近で撮ることができます。ホント、なんで今まで35mmでもっとスナップに行かなかったのだろう…と、思ってしまう始末です。
え?それはただ単にボケ描写に頼っている、キミの腕の未熟さから来ているのだろって?…ええ、ホントその通りですわ。。
そこでズミルックス M35は、F1.4の大口径レンズです。十分にボケ描写を堪能できます…が、あたり前田のクラッカー…ではない、当たり前のことですが日中のスナップには、最高シャッタースピードが1/4000秒しかないLeica M10-Rでは、中々開放絞りで撮ることもままならないのですわ。
あゝ…せっかくのF1.4が使えず、一段以上絞って撮るならズミクロン M35で十分だ…と、半べそになりそうですが、いえいえ…絞ってもズミルックス M35特有の繊細な写りを堪能できます。
まぁズミクロンがいいのかズミルックスが良いのかは、撮り手の全くの好みなので、それぞれのレンズ間に優劣がつくワケでもないのが、ライカレンズの面白くて素晴らしいところでもある…と、思います。
実際に今回スナップに行った牛窓近辺は、何度も色々なカメラやレンズで撮影に来ているのですが、その時と同じ被写体を撮っても、ズミルックス M35で撮った繊細な写りは他の機材ではボツになった被写体でも、「良いねぇ〜…良いよ〜…すごく良い〜」と、エロカメラオヤジみたいに、呟きながら撮れる始末です。
そもそも私が手に入れたズミルックス M35は中古なのですが、マップカメラでは新品は70万円程です。つまり、新品で108万円ほどだったM10-Rと足すと、約180万円相当のシステムとなります。
そんな車が買える値段の機材を首からぶら下げて、嬉しそうに撮るものといえば、朽ち果てたボートや廃屋、雑草などです。そう…つまり、私には分を超えたシステムなんですわ。
それでも資本民主主義のいいところは、場末の美容師でも真面目にコツコツと働ければ、それらの機材を手に入れて振り回すことができます。
正に資本民主主義バンザイですね。ニッポンに産まれて良かった…ありがとう両親よ。。
と、ズミルックス M35を使っていると、より深淵な気持ちでスナップができること請け合いです。
つまりはだ…それほど、このレンズは写りに哲学性を帯びているワケなのだ。
例えば、廃屋一つ撮ってもほど良き周辺減光で、より廃屋らしさを醸し出しながらも、その繊細な写りは時の虚いを感じ、そこで暮らしていた人たちの事を想像してシャッターを切れるようなります。
それは趣味の写真表現として、私の新たな境地を見つけた感でもあります。ただまぁ…その写真表現が、どれほど他人様に良き写真として感じてもらえるようになるかどうかは、私の腕前を上げていかなければならないのですが…。。
そんなワケで、ズミルックス M35を使うと、今後に撮って行きたいモノまでも感じられるようになったので、中古でもクソ高かったのは決して無駄ではない…また、35mmの枠の中で色々な写真表現をしたい欲求が出てきたのは、やっぱり手に入れて良かったと思います。
今回の機材 Leica M10-R + ズミルックス M35mmF1.4 ASPH.