自民党総裁選は岸田さんの圧勝で終わった。
9月17日のブログで総裁選を予想した。
河野さんが勝利すると予想した私の予想は外れたが、競馬愛好者の私の予想は外れると書いたブログの最後の言葉は当たった。
いつまでたっても競馬が勝てないわけだ。
ただ、負け惜しみを言うようだが、私の予想は決戦日より10日ほど前の予想で机上の数字の積み上げだった。
決戦当日の状況を入力できたら当たっていただろうといつものタラれば予想に戻った。
ところで、なぜ河野さんは負けたのだろう。
河野一郎、河野洋平、河野太郎と続く河野家三代の悲願である日本国首相の誕生の期待が河野さんを委縮させてしまったのではないかと思った。
小泉進次郎を味方につけ、石破茂を招くなら、総裁選出馬に反対する麻生派など、くそくらえと退路を断って戦わなければならなかったのではないか。小泉元首相と違ってそのような迫力が全く伝わってこなかった。
今度の総裁選は単なるコップの中の政策論争ではなく、安倍・菅の国民を愚弄しつづけた不正義・不誠実政権に対して鉄槌を下し、小泉元首相が今も叫んでいるように、原発から出続ける核のゴミを処理することができない子々孫々までの危機に対して、もっと明確な言葉を発するべきだったと思う。
広島・長崎原爆被爆から福島原発事故を体験してもなお、原発政策を続けようとする政治家たちの無感覚・無責任な態度とその上で国民の安全安心、命が第一と言い放つ無神経さ、これは何だと怒りを覚えざるを得ない。
広島・長崎原爆被爆でも福島原発事故でも、結局悲惨な憂き目を見続けるのは国民であり、住民なのだ。
福島原発から10年以上が過ぎた。でもまだ多くの帰宅困難者が故郷に帰れない。
令和3年9月9日現在、福島県から県外への避難者数 27964人。
この現実を見ても、いまだに原発政策を維持しようとする姿勢は何なのか。
資金を援助してくれる大企業擁護のためなのか。
太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギー発電への転換をなぜ積極的に進めないのか。
原発がすべて止まった時期があったけれど、電力不足で社会活動が止まった記憶はないので不思議な気がするのだ。
総裁選でこの原発政策を問われて、河野さんは原発の再稼働は当面容認するものの、耐用年数を過ぎた原発は廃炉にし、将来はなくすと主張した。
そして使用済み核燃料サイクルを再利用する核燃料サイクル事業も見直し、ゆるやかに原子力から離脱すると主張した。
本来の主張を抑えた姿勢は、「自民党をぶっ壊す」と声をからして叫んだ小泉元首相の迫力には遠く及ばなかった。
また、安倍・菅政権の不正義・不誠実極まりないモリカケ、桜を見る会、河井夫妻の選挙買収事件などについて、再調査する必要はないという態度や論及を避けるというあいまいな態度に終始し、原因究明に向け舌鋒鋭く登場することを期待した国民を失望させたと言っていい。
結局安倍、麻生、二階などの長老支配に屈してしまったのだ。
傀儡政権の当然の帰結とはいえ、河野さんを推した菅首相など屁のツッパリにもならなかった。
自民党の関ヶ原の決戦の前に、結局河野さんはあいまいさを抱えたまま負け犬の遠吠えに終わってしまった。
片や自民党の新総裁となった岸田さんは、当選後
「政治に国民の声が届かない」
「民主主義が危機にある」などとこれまでの政権に対する一定の距離をうかがわせる言葉を発し、
「生まれ変わった自民党を国民に示す」と、これからの岸田政権のあり様を語ったという。
安倍元首相などのコントロール下に置かれないよう、モリカケ、桜はもとより、少なくとも地元で起こった河井事件の真相は明らかにしてほしいと新総裁に望みたい。
11月に予定される第二ラウンドとなる衆議院選は、主権者が第一党を決める
選挙なのだ。
厚顔無恥の安倍元首相が支配する不正義・不誠実を容認するのか。
国民の常識と良識が問われる選挙に老人は期待している。
国民の一票で、小選挙区制度の政権はひっくり返るのだ。
為政者たちに誰が主権者かということを示して、政治家の肝を冷やさせないとこの国の政治風土は変わらない。
国民すべてに付与された一票の権利を必ず行使してほしいと願うばかりだ。
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