送迎ドライバーの仕事は、通所リハビリテーションに来られる利用者さんの送迎、医師/看護師を乗せての訪問診療となります。


主に使用している車は、登録車の日産セレナと軽自動車のスズキワゴンRです。

日産セレナは補助椅子を使えば8名まで乗車可能ですが、快適なのは6名程度までの乗車だと思います。スズキワゴンRは4名まで乗車可能です。

2020.10 セレナ、ワゴンR
 
     日産セレナ         スズキワゴンR


送迎ドライバーとして最も重要な事は、安全運転と法令遵守ですが、その他にも気をつけていることがあります。

それは、「快適な乗り心地」を確保することです。

通所リハビリテーションの利用者さんはご高齢な方が多く、訪問診療では、走行中の車内で診療記録を書く場合もあります。
ですので、衝撃の少ない「快適な乗り心地」は重要なのです。


そのために送迎ドライバーが気をつけていることを紹介させていただきます。
家族や友人を乗せてドライブする機会がある方には参考にしていただけたらと思います。

少し厄介な説明になりますが、物体には慣性力というものがあります。
慣性力とは常に同じ状態を維持しようとする力です。
簡単に言うと、止まっている物体は止まり続ける力が働き、動いている物体は同じ動きをし続ける力が働くことです。
電車に立って乗車しているときに、急停車すると前のめりになりますよね。電車は止まろうとするのに、立っている人は前進し続けようとする力が働くためです。
これが慣性力です。

車も加速/減速を繰り返しますが、なるべく慣性力に逆らわない運転をすることで、快適な乗り心地が実現されます。

快適な乗り心地のために心がけている3つのポイントを以下に紹介します。

【一定の速度で走る】
一定の速度で走ることを心掛けることが大事です。
常にアクセルを踏み込むか、ブレーキを踏むのどちらかになっている運転をする方がいます。
前方の信号機が赤なのに信号手前までアクセルを踏み込んで加速して、ブレーキで減速という運転です。これでは体にかかる力が大きくなり、体は揺らされることになります。

乗っている人は仰け反りと前のめりを繰り返すことになってしまします。


一定の速度で走ることは、高速道路とは違い、都内の道路では信号や前の車の加減速がありなかなか難しいものです。

コツとしては、少し先の動きを見ることと、車間距離を確保することです。


直前の車の動きだけでなく、2~3台前の車の動きが見れれば、直前の車が加速してもその前の車が詰まっていれば自分は加速する必要が無いことがわかります。

前方の赤信号も早めに確認できれば、無用な加速を控えて惰性で走行することができます。
車間距離を確保することで、前方の車両の加減速をある程度吸収して、自分は一定の速度で走行することが可能です。

 

【カックンブレーキに注意】

車を停止させるとき、最後までブレーキを踏み続けると、停止する時に「カックン」と頭や体が揺れてしまいます。

停止する直前で、ブレーキを踏む力をスッと抜くことで、滑らかな停止ができます。

 

【同乗者を不安にさせない】

ドライバーは自身で運転操作を行っているので、車の動きを予想できます。
ドライバーは当たり前の動きと思っていても、同乗者には予想外の動きであることがあります。

だれでも、予想外の動きをすると不安になりますよね。

なるべく予想外の動きをしないような運転ができればいいのですが、やむを得ない場合は事前に車の動きを伝えることも大事です。


特に通所リハビリ送迎では、ご高齢の方が乗りますので、次のようなお声掛けを行っています。

「車がうごきまぁ~す」

「段差を越えるので少し揺れまぁ~す」

「踏切を通過しまぁーす」

「バックしまぁーす」

といった感じです。

事前案内することで車の動きに予想がつき、不安にならないようにします。

 

目指すのは、ゆりかごがゆっくり揺られている様な運転です。

通所リハビリテーション利用者さんが送迎中に寝てしまうと、「いい運転ができている」と感じる
送迎ドライバーなのです。


最後に、運転には十分注意していますが、急な飛び出しや事故防止等でやむを得ず急ブレキーキをかける可能性もあります。
シートベルトの装着にはご協力お願いします。

 

森山リハビリテーションクリニック 送迎ドライバー S
2020年10月26日公開
2021年11月15日更新