リハビリテーション医療はICFでいう「活動」(生活)にフォーカスがあります。
日常での「活動」:歩く、着替える
家庭での「活動」:洗濯、買い物
社会での「活動」:学校、就業
より良い生活のために、ICF全体を把握して「活動・参加」向上につながるアプローチを考えて実践します。
そのICFについて、医師国家試験ではどのような問題が過去出題されたのか?
1例を紹介いたします。
【問題】
歩行障害のため普段は車いすで職場へ通勤している人が、車いすが故障したため仕事を休んだ。この人の生活機能を国際生活機能分類(ICF)で評価した場合、普段とは評価が異なる項目はどれか?
(3つ選択)
a 活動制限 b 環境因子 c
機能障害 d 参加制約 e 身体構造
解説、正解は以下に示します。
解説:
「車椅子が故障して移動できなくなり、仕事を休んだ」
本人の「身体構造」や「心身機能」は変化がありません。
ですので、cとeが選択肢から消えます。この時点で正答が可能です。
確認してみると、
a 活動制限 =「移動できなくなった」
b 環境因子 =「車いすが故障した」
d 参加制約 =「仕事を休んだ」
となります。
正解:a, b, d
医師国家試験では出題されているものの、理解して実践するには、ICFを念頭に置いた評価を臨床で考え、経験することが必要だと思います。
森山リハビリテーションクリニック 院長 和田真一